本棚を作り直すとしたら…
想像するのも恐ろしいことですが、あなたの本棚の蔵書と本に関する知識が、何かの事故ですべて失われてしまったとします。なんと、また最初から本棚を作り直さなければいけません(そういう機会が与えられた、とも言えるでしょう)。
最初の1冊だけは、いまの自分の知識で選んでいいということにしたら、その1冊は何にしますか?

憂い顔の騎士

ぽんそ
その時の自分に必要なくなって失われるか、それらを失うという経験自体が必要で失われるか、あるいは、もし本当に必要なら必要なタイミングでまた読む機会が訪れると思うので。

忘却
記憶喪失後でもとっつき易い(?)漫画を選んでみました。主人公タンタンが遠い国、海中や砂漠や果てには月にまで出向き、溌剌と取材や事件の解決に勤しむ姿はきっと病院やベッドに飽きた自分を外へ連れ出してくれると信じています。
手元には1冊しかありませんが、記憶がなくならなくても全巻揃えたいシリーズのひとつです……。

隠居
やっぱり私は自分の本棚が気に入ってるので、記憶をなくした自分にも近いところまで戻ってきて欲しい!(滅亡後の世界に文明を作り直すにはどこから始めるか? みたいだ。自分にとってのプロメテウスの火)
ということで、自分の読書歴の最初期に方向性をきめた1冊を選んでみました。
何よりもまず、知識を持つことで世界の見え方が変わる面白さ、一見役に立たなそうに見える多様で雑多な知識への好奇心、知的で論理的なやり方で物事に対処してみせるキャラクターへの憧れ、
これらを早い段階で知らなかったら、リセットされた自分はそもそも本を読まなくなっちゃうかもしれない。
記憶を失った私もきっと、ホームズのことはかっこいい!と思ってくれるはずです。
そしてそこから、海外文学や古典にも抵抗なく入っていけるでしょうし、ヴィクトリア朝のイギリスにかぶれて歴史や海外の文化や紀行文の面白さに気づくかもしれない。
そう遠くないうちにミステリファンになって京極堂や黒死館にもたどり着くでしょう。そこまでくればあとは長広舌に導かれてどこへでも関心をのばしていける。

みゅの字
ということでわたしの答えですが、
・やり直しても今の(軽薄な)自分との連続性がある自分でいたい
・でももう少しマシな知識欲で本に向かいたかった
というところから、
小松左京全集46 「大震災95」
にしてみたいと思います。
様々な情報の交点としてのSFを体現していた小松左京にハマれば、いろんなものへの道が開けてくることでしょう。知識が消えてしまうのだとしたら「エッこの小松って人フィクションも書いてるの?」みたいなおかしなことになるかもしれませんが…[笑う]

みゅの字
回答を待っているよ!

