共感で繋がるSNS
ゆきお

ゆきお

誰に向けたものかは わからない
筋トレ
文学
読書
ゆきお

ゆきお

寂寥たる!

この言葉はまさに鳴り響く鐘のように
私をお前から孤独な我が身へと呼び戻す

さらばだ! 

世間では偽りの妖精と言うが
空想は噂で聞くほど巧みに
人を欺くことができない

さらば! さらば!

お前の哀れな歌声は
近くの牧場を過ぎ
静寂に包まれた小川を渡り
丘を越えて小さくなり
今では谷間に深く埋もれている

あれは夢だったのか、それとも白昼夢なのか?

歌の調べは消え失せて ――

私は目覚めているのか、眠っているのか?
GRAVITY3
GRAVITY7
ゆきお

ゆきお

君がどんなにわたしにとって
いつも尊かったか

君がわたしの生活を
どんなに豊かにしてくれたか

君にはそうたいしたことでは
ないかもしれない

わたしにとってはわけがちがう

わたしは人間に対して不当ではない
人間に対し正当に辛抱づよく
するように努めているが
人間を愛したことはついぞない

それにもかかわらず
愛が何であるかを知っているとしたら
君のおかげだ

君をわたしは愛することができた
人々の中で君だけを
GRAVITY1
GRAVITY6
ゆきお

ゆきお

わが胸は痛み
微酔を迫る痺れがわが五感を刺す

さながら毒人参を煎じて飲み
もしくは麻酔を致す阿片をいくばくか
今しがた残りなくあおりて
忘却の川へ向い沈み果てし如くに

お前の幸ある命運(さだめ)を
羨やみ思う故にあらで

お前の幸福(さきわい)に包まれ
余りにも幸あるがため——
GRAVITY1
GRAVITY10
ゆきお

ゆきお

幸福を追いかけている間は
おまえは幸福であり得るだけに
成熟していない

たとえ最愛のものが
すべておまえのものになったとしても

失ったものを惜しんで嘆き
色々の目あてを持ち
あくせくとしている間は
おまえはまだ平和が何であるかを知らない

すべての願いを諦め
目あても欲望ももはや知らず
幸福、幸福と言い立てなくなった時

その時はじめて
できごとの流れがもはや
おまえの心に迫らなくなり
おまえの魂は落ちつく
GRAVITY3
GRAVITY10
ゆきお

ゆきお

私は暗闇の中で耳を傾け
そして幾たびか
安らかな死に半ば恋をしていた

静かな息が空へ引き取られるようにと
数多くの瞑想から生まれた歌で
死を優しい名で呼んだものだ

しかし今こそ苦痛もなく
真夜中に命を終えることは
いつにもまして豊かなものに思える

お前が恍惚として
魂を注ぎ出すその間に

お前はなおも歌い続け
私の耳は空しくなるだろう

お前の高らかなレクイエムに送られて
私は土へと還ってゆく
GRAVITY3
GRAVITY9
ゆきお

ゆきお

我が心は痛み
感覚がおぼろげに痺れ行く

まるで毒ニンジンを煎せんじて飲んだような

あるいは体を鈍らせる阿片を飲み干して
忘却の河へと沈んでゆくようだ

これはお前の幸福な運命に
嫉妬したからではない

お前の幸福の中で
私もまた幸福すぎるからだ
GRAVITY2
GRAVITY6