
きぃ
やさしくなりたい
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学生
音楽
米津玄師
文学
読書

きぃ

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きぃ
最近は短編小説を書くのにハマってます。
下に載せている画像から短編を読めます。
コメントからはより長い短編も読めます。




きぃ

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深夜にどっぷり浸かるぞ

きぃ

きぃ

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きぃ
苦手な水彩にチャレンジしましたが、最後の仕上げは慣れた油彩で。


きぃ

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きぃ
しばらくゲームは休憩しよう…

きぃ
(試しに画像に収めて投稿してみました)


きぃ

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から試しに時間設けてやってみます

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Catch the Wind

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きぃ

きぃ
風に巻かれて街は色を変えていきます。擦り切れながら影は揺らめいています。陽に覆われて手は色を失っていきます。焼き付けながら瞳は乾き切っています。空の重さに身を任せて、今にも抜け落ちてしまいそうな腰。まばらに張り付いた苔は少し湿っています。蝉の声は遠く。木陰には玉のような地鳴きが重なります。針のような細い命が皺だらけの地面に突き立っています。ひび割れていて、ちょうど、象の肌がこんなだったと思い出します。
日は落ちていきます。はしゃぐ雲の手が掴みにかかっているけれども、落ちていくのです。上では────オレンジと海が滲んでいます。何かを告げるような、あわいの跡。それを追いかける鳥の群れ。折り紙のようですね。だから近づきすぎては燃えてしまって、灰になって落ちてしまいそう。落ちた先には、飛び立っていく先には何があるのでしょう。緑はあるのでしょうか。そもそも果てはあるのでしょうか。きっとあるのでしょう。鳥の渡りにも、人の歩みにも。さっき駅の底へ潜っていった人にも。
あなたにも、あるのですか。あるのならば、そこが暖かなところであれば、あなたはさぞ喜ぶことでしょう。あなたの約束はいつも夢の上に漂っていました。夢のようでした。夢とはやがて醒めるものなので、どれもこれも消えていってしまいましたが、あなたとの日々は夢のようでした。肩を寄せ、鼻を見つめ、耳を広げ、まどろみの中で、平らかな地を踏み、確かなものを探し、名前を呼んでみせ、たくさんの話を持っていき、互いの幸せを信じて、世界に逆らうように笑っていた一年間。
制度に満たない関係では、あなたを繋ぎ止めることはできなかった。口約束といえば確かにそれまでです。ですから永遠があればと、願っていたのです。願いとは星の輝くのと同じだ、と教えてくれたのはあなたでした。あなたがたくさん教えてくれたことの一つです。そのとおりでした。星が死ぬのと同じでした。潰えてはじめて光を放ち、幾星霜をかけて、もうとっくに果ててしまった命のきらめきを、どことも知らぬ人のもとへ届けるのですから。ですから、またこれまでのように、示し合わずとも日曜日の午後に、あなたがここへ来てくれたら、という願いも、今日に果たされることはないのでしょう。
またいつものように────あなたの言う、いつも、とはいつのことですか。あなたの一年は、それほど短いものだったのでしょうか。ひと月前のように、なんでもない時間を過ごしませんか。終わりにしてしまったら、その先に続くものはあるのでしょうか。ああ。返事はないとわかっていても、頭の中では、そんな言葉が絶えません。
オレンジはずっと遠くに。辺りには沈むような青が埋め尽くしてしまいました。高くから降り注いだ日ざしも、もうずっと遠くへ行ってしまいました。木陰も青に呑まれて消えてしまいましたし、鳥たちも見えないところまで飛んでいってしまいました。この場所で転がしていた時間。あなたはきっと知ることもないのでしょう。もう、あなたが来ることはありません。あなたは、またいつものように会って話そうと言いましたが、もう二度と、あなたと顔を合わせることはないでしょう。あなたとのこれまでを忘れることなど、できないのですから。
ですから、どうか、あなたが安らかでありますように。あなたのまなざす道の先が、どうか、庭の花園のように、暖かでありますように。これから先に出会う人の誰かが、どうか、あなたの幸せを信じられる人でありますように。幸せが何かなんて教わっていません。あなたはただ無根拠に幸せだと口にしていました。そんな軽やかな言葉を、いつまでも覚えています。どれも勝手な願いです。いつか届くことを祈って。あなたがどうか────どこでもいいから、穏やかでありますように。
風に巻かれて時間は流れていきます。擦り切れながら日々は忙しなく過ぎていきます。腰かけていた石から離れ、駅の底へと滑り出します。真白い灯光に包まれながら、あなたとの時間を置いて、取り替えられたばかりの改札口を潜り抜けました。

きぃ
・幽霊
・不思議なとこに迷い込む系
・恋人

きぃ

きぃ

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きぃ

きぃ
とにかく現実にあんまり即してないやつ

きぃ

きぃ
ぼやけた昼下がりに目を細めれば、にわかにアナウンスが鳴りわたる。
────まもなく二番線に電車が到着します
プラットフォームには少しばかりの緊張が走る。ベンチに座っていた人は腰を上げ、列に並んでいる人は足を揃え直し、列の先頭に立つ私は一歩左へ除けて、ドアから降りてくる人を迎える準備を整えた。
────黄色い線の内側までお下がりください
別に不安になったわけではないけれど、一応は確認すべきだと思い、黄色い線もとい点字ブロックへ、あくまで形式的に目をやる。淡く照らされているので、黄色が剥げ落ちているのがハッキリとわかる。
もしも岩石が生き物だったら、これはきっと枯れた石そのものなのだろう。くすんだ石目が死灰のようだった。丁寧に並ぶ突起の数々からも、鼓動と呼べるものはまるで聞こえない。
プラットフォーム端にこべりつく灰────だから黄色い線なんて、どこにも見当たらなかった。私には見えなかった。ひょっとしたら目の見えない人には、デコボコの黄色い線が見えているのだろうか。その人だけの色が見えているのだろうか。
電車が来た。つんざく音を撒きながら、ゆっくりと向かってくる。冷たい函に落ちた影が、滑るように左から、プラットフォームを染め上げていく。くらい青。降りる人は誰もいない。私は足を突きだして線を跨ぎ越えた。
靴に重なった影の色は、まだ知らない海の底だった。

きぃ

きぃ
からだの中は青みがかっている。底の見えない青が覆いかかっている。流された木の重力が下から這って出てくる。枕に預けた頭蓋にはビイ玉くらいの窪みがあって、溶け出したガラスの液体はゆらゆらと下へ落ちていく。上には丸い輪郭が揺れている。固まっている。写っているのは繰り返された線と面。遠ざかっていくもので、近づいてくるもので、バラけていくもので、絡まっていくもので、そういうもので、泥になったビイ玉は塗りつぶされている。
ぬかるみの中は刺す痛みがある。敷き詰められた綿と針とが、雪崩に呑まれて、ひしゃげたパジャマに食い込んでいる。荒い肌理模様が裏側にへばりついて、ウロの木は保たれている。中には変わらず青が潜んでいる。枝はどれも末枯れていて、脈はどこまでも太く通っている。どくどくと響いている。流れるものもまた、青みがかっている。
底はない。立ち上がらない。起き上がれない。青い時間が過ぎていく。色のない場所が消えていく。いつも世界のどこかは色づいていて、それはたぶん豊かであるはずなのだ。赤い色をした営みがあって、黄の色をしたファンタジーがあって、緑の色をした沈黙があって、黒い色をした悲しみがあって、白い色をした記念碑があって、どれも青から逃れた色をしているように思えた。青は喜びを睨む色。すぐそばにある幸福を、泥の中へ沈めて、見えなくするのではなく、むしろありありと見えるようにしながら、決して触れることはなく、ただ視界に写すだけの、臆病で怠惰な色。澱んだ青。水の色でも夏の色でもない。このからだに染み込んだ色。終わることだけを待ち望みながら、終わることから逃げ続けてきた、あたしに与えられた罰の色。そんな色をしている。
あたしの罪は永らえていること。抗うことなく永らえていること。枯れたら土に還るものだろうに、ぬくもったからだは、いまだ楽になることを許してはくれない。いいや。誰の許しも縛りも、真実、ないはずなのだ。あたしが無気力に逃れているだけ。こべりつく臆病と怠惰に委ねながら、あたしは今も布団にくるまれている。理由がないから。それを取り払う理由がないから、枯れ木は柔らかな隙間で横たわっている。
ゆらりと青く色づいた。日の色。朝の色。青い時間が過ぎ去った、そのことを意味する夜明けの色を、つづら折りのカーテンは鈍くたたえていた。ビイ玉の塊を、ぐるりと傾ける。映るのは読みかけの本と背を向く椅子。今度は逆の方へ傾けてみると、まだ日に焼けていないドアが迫ってくる。青く縁取られているからか、ひどく浮いて見える。この部屋に、動くものは、ただビイ玉を除いて、他には存在しない。カーテンも、まるで初めからそう彫られていたかのように、じっと形を変えずにいる。
きっかけは特になかった。もちろん理由もないまま、あたしの腕は、髪に掠め取られながら、頭を掻きむしっていた。しつこいくらいに同じところを、砂利を掻き分けるように、がりがりと、がりがりと。追って、枯れた枝にも脈がまだあったのだと気がついた。髪を束ねあげるようにして、熱を逃がしてみたり、逆に張り付かせて、熱を吸い取ってみたり、どろどろとした熱の中で藻搔いていた。本当に、熱も髪も、まとわりつく藻のようだった。
痒みは刻一刻と増していった。はじめはうなじ、次は耳の裏、側頭部、頭頂部。蛇の駆け上がっていく様を連想しながら、その蛇を追って、あたしの爪は髪に立てられた。けれど、いくら追ってもラチが明かない。あたしは、役目を終えたように眠る下半身を、納棺の気分で以てもたげてしまって、それをそのまま、床へと置く。人形と言えるほど愛嬌はなかったけれど、やはり飾られたような置かれ方をした自分が、なんだか少しだけ可笑しく思えた。数分、そんなメルヘンな心地を味わったあと、ピアノの鍵盤を叩く要領で親指から順番に、きびきびと力を込めていった。そう呑気に構えているうちにも、痒みという名の火は、依然として燃え広がっていた。髪から火の粉が飛び散らぬよう、夢中で頭を押さえながら、あたしは、最後まで力の入らなかった背中を右手で押し出して、転げるようにベッドから抜け出した。
起き上がるのは、いつも痒みからだ。理由なんてない。中で血が巡って、細胞が動いているから、ただそれだけ。できることなら、このままずっと眠ってしまいたい。けれど、からだが、それを拒むだけだ。痒いから、シャワーを浴びたいから、起き上がる。生きるのなんて、そんなつまらないこじつけの連続。そんなものでいいのだ。あたしは青が嫌いではないから、そんなふうに生きている。つまらない自分を、つまらない論理で納得させている。生き物は世界よりも、ずっとずっとテキトウでいい。ずっと理由なんてないままでいい。
ふと。カーテンの隙間から、青白い朝が差し込んでくる。気だるいからだをすべらせて、窓の方へ向かい、その隙間をぴしゃりと閉じる。部屋はいっそう暗くなる。けれど目はとっくに慣れている。だから、赤くあしらわれた花の模様が、うすらと浮かび上がるのがわかった。ゆるやかに波打つカーテンを背に、あたしは冷たいノブを握って、ゆっくりとドアを開けた。

きぃ

きぃ

きぃ
眠剤が効いてるってことで良いことなんだろうけど
