はるまき
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はるまき
作者、はるまき
第一章 『弱肉強食・転』
プロローグ
ーー腹が減った。
丸一週間何も食べてない状態で、地面に座り込みながらそう思った。
体はまったく動かず、ただ意識だけがそこにある。
「うっ、オエェェェェ!!!」
吐き気が止まらない。
視界がぼやけて、目を開けるのがやっとだ。
動こうとすればするほど吐き気が加速する。
「何も、食べたくない。でも、食べたい..,,,」
苦しいほど腹が減っている。
だが、俺は何も食べたくないのだ。
食べ物が怖くなったからだ。
食べ物が、怖い。
ーーでも、このまま餓○するのも怖い。どっちも怖い。もう嫌になってきた。
食べ物に近づいただけで○ぬかもしれない。
でも、食べなかったら確実に○ぬ。
俺はその究極の二択を迫られ、何も出来なくなっている。
「あ、食べれるものが、あった」
その時、たまたま道端に転がっているカメムシの○体を発見した。
流石にカメムシは俺を食べようとしてこないだろと思い、俺はゆっくりとカメムシを掴んで、そのカメムシを口の中に入れた。
「うぷっ、グヘェェェェェ!!!」
カメムシの○体を食べた瞬間、口の中に広がる苦味としょっぱさと羽のガリガリな食感と胴体の硬い食感に吐き気がしてきて、その場で再び吐いた。
「何だよ、これ、くそ、まずい。しかも、ものすごく臭い」
口の中にずっと残っている強烈な悪臭に苦しみながら、その場で倒れ込む。
バラバラになったカメムシと共に、胃液も吐き出していた。
もはや手足を動かすことすらできず、ただ悪臭による苦しみと飢餓による苦しみに耐えることしかできなかった。
「クソが。何でこんな所に、こんなまずい食い物が、あるんだよ!イカれてる、だろ。ふざけ、やがって」
時が経つにつれ、どんどん飢餓が進んでいく。
その時、俺の親友であるアオイから電話がかかってきた。
俺はほとんど無い意識の中で、応答ボタンを押した。
「あっ、やっと出た。おいハヤト、お前今どこで何やってんだよ!ハヤト?おーい!ハヤトー?」
そのまま電話は切れた。
ーー○にたくない。
口にバラバラになったカメムシの残骸をつけながら、迫ってくる○に恐怖し震える。
どうして俺がこんな目に遭わなきゃいけないんだろう。
俺はただ、普通に学校に行ってゲームをして暮らしたかっただけなのに。
あいつらのせいだ。
あの怪物どものせいで、全部ぐちゃぐちゃだ。
ふざ、けるな!あの怪物どもがいなければ、いつもみたいに幸せに暮らせてたのに!あの怪物どものせいで大勢の人間が○んで、俺の好物であるラーメンも安心して食えなくなって、両親も食いやがった!許せない!!許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない許せない..,,,,,,,。
俺は心の中で恨み言を言い続け、そのまま時は経ち続ける。
「死ぬべきなのは俺じゃなくて、お前らの方なのに…………………」
最後にそう言い残して、俺は餓○した。
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