さく
熱中できる事も自分にできる事もなく
面倒事から逃げ回ってきたツケが回った
存在意義を見出せるほどの人間でさえない
孕んで結婚捨てられ離婚子育て子捨て
語れるほどの過去なんてない
上辺だけの歩みは止めたくてもきっと逃げ出す臆病者
子どもが希望にならないのか聞かれても
愛情の受け取り方を知らないまま
大人になれば愛し方なんてわからない
どうやって過ごして終わればいいのだろう
東京
呪術廻戦
銀魂
文豪ストレイドッグス
鋼の錬金術師
葬送のフリーレン
SPY*FAMILY
黒執事
怪獣8号
写真撮影
夜型人間です
さく
願い事を祈る
それは自分の願いを再度確認すること
さく
気の持ちよう
考え方次第で気持ちは変わる
なんだそんな事で
と、他人のことは思えるのに
自分の事はそうは思えない
理不尽な事で怒鳴り散らしている人
理解は出来ないし変えることも出来ない
その人はそう思っているのだから
その人の中での正解なのだろう
想像力を働かせて、とよく言うけれど
想像出来る範囲も人それぞれだ
思いやりがあるかどうかではない
経験や知識がなければ想像すら出来ない
ただそれだけのことなんだと思う
さく
意味もなく
そう、意味もなく思うことがある
これ、と言った理由もなく
ただ、訳もなく思うことがある
それらは何故そう思うのかもわからない
それ、は良い悪いではないのはたぶんわかる
でも
でも…
さく
02:00は深夜で 04:00は早朝で
だから03:00は
何となく中途半端でどっちつかず
少しだけそう感じた
さく
グレーを受け入れる
それはきっと必要なことだと理解している
けれどその一方で
グレーである曖昧さを
受け入れられない自分がいる
その2つは見方が違うもので
同じ花を見て、ではなく
花と草木を見て、ぐらいに同じで違う
説明するには自分の中の言葉がまだ不充分だ
さく
『彼』はきっと
小説のように書かれている世界なら
理解して理想像に近づけたのかもしれない
さく
たぶん
「なりたい理想像」
みたいなものがあったのだろう
けれどいくらそれを真似したところで
真似なんて出来ていなかった
なりたいものを理解しきれていなかったのか
同じ状況にならなければ出来ないのか
それはわからないが
やっている事は全て空回りというのか
何と表現すれば良いのかわからないものだった
きっと自分も同じだと思う
上辺だけの理解で取り繕っただけの行動は
見ていて気持ち悪いだけだ
さく
桜から躑躅
そして紫陽花へと季節は移り変わる
どんなに立ち止まっていても
時が止まることだけはない
さく
情熱だけでは何も出来ないと言うけれど
情熱さえ無いのなら何も出来ない
そう思う
さく
噴火のニュースを見た記憶がある
思い出す記憶は
そのニュース画面を見つめる自分を
上から俯瞰して見ているような記憶
あれからもう30年以上なのか
さく
たぶん〜なんだろうけれど
そんな文を見かけた
けれどそれはただの想像で
実際の所は本人にしかわからない
自分に置き換えるのなら
本人である自分でさえわからない事が多い
過ぎ去った時に振り返ると静まり返っていて
祭りの後のような静けさを見つめるたびに
それほどまで感情を波立たせる意味が
果たしてそれにあったのかと思ってしまう
後に残るのはただ静かな静寂だけなのに
さく
無理だ 出来ない
わからない 知らない
そんな言い訳ばかり並べ立てて
何も見ようとしない やろうとしない
熱中出来るものがないから と
気になるものがないから と
そうやって無い世界に文句があるのではない
何かの中に何かを見つけられない
そんな自分に嫌気がするだけなんだ
さく
「…いやだ!帰りたくない」
視線を上げると門の前に車が止まっている
声はその中からのようだ
「…俺、珍しいんだろ?もう3回も来てる
他のやつは1回しか来れないって」
まだ幼い少年が〝門番〟に一生懸命言い募る
「なぁ、このままここに居させてくれよ」
助手席の子どもは興味なさそうに見つめている
「そうかもしれねぇが、
帰さなきゃいけない決まりなんだ
いい加減聞き分けてくれや」
〝門番〟が疲れたように言い聞かせていた
「どうしたんだ?」
頑張って食い下がっている少年の目の前で
しゃがみ込み、目線を合わせた
「今日もお勤めご苦労さんな、少年
とりあえず車に乗り込んでくれないか?
良いものをやるよ」
そう言うと頭を撫でてやる
「ガキじゃないんだ。撫でるな」
不貞腐れながらも車に乗り込んで、
2人してこちらを見遣る
「良い子だ。ほら、飴玉だ
口ん中入れてやるから、口開けろ」
ズボンから飴玉を2つ取り出し、
「飴玉なんか子供騙しだ」と文句を言う
2人の口の中に放り込んでやる
「今日はこのくらいで勘弁してやれ
お前たちも『彼方』に帰る時間だろ?」
軽く車体を叩くと、勝手に走り出す
「話はまた今度な」
そう言って手を振った
夕闇に車体が消えると隣から声をかけられた
「…人が悪い。あの飴玉、
『此方』との縁を斬るやつじゃあないですか」
〝門番〟に恨めしそうに見つめられる
「んなこと言ったって、仕方がないだろ?
それともまだ言い合いしたかったのか?」
片手を振りながら〝門番〟と別れた
さく
30時間起きて
15時間の細切れ睡眠
眠れないわけではないけれど眠れなくて
いつの間にか
1日に1回の睡眠が出来なくなっていた
沈み込むような眠りの中に
引き摺り込まれる事もあれば
何度も寝返りを打つが諦めたり
10分で覚醒して24時間起きている時もある
いつからこんな風になったのか
諦めて過ごせる環境であるから見過ごせる
きっと予定なんか入れられない
いや
予定を入れたら去年みたいに
4〜5時間睡眠が続くだけであまり変わらないか
嫌になる責任感と生真面目さ
さく
体の中にある「何か」が形にならない
考えたい「何か」ではあるけれど
輪郭も曖昧で 言葉にすらならない
考えたいのに「何を」考えるのかがわからない
そんな塊が自分の中にある
さく
才能のないものには
のめり込むことすら出来ない
そんな言葉を聞いた
さく
仕方のないことは仕方がないと諦める
諦めるというより気にならなくなった
けれどそれはまだ自分の許容範囲だから
そう思う
それが許容範囲から逸脱した場合
自分は何を思うのだろう
さく
正論は世界の半分を敵に回す
正しさは人の数ほどある
全ての人に好かれることは出来ない
そんな言葉を聞いたことがある
なるほどなと思う
前を向く大切さを説く人がいる
けれどそれは
元々が前を向ける または向きたい人
そんな人には良いのかもしれない
さく
人はそれぞれ自分なりの理屈で動いている
そう思う
そしてそれが自分と相手とが
とてもかけ離れ過ぎている時に
苛ついたり 傷ついたりするのだろうか
自分と同じ考えの人がいるとも限らないのに
その考えのそれは
とても我儘で自分勝手というのだろうか
さく
仕方のないことはしょうがない
足掻かなくなったのはいつからだろう
さく
言葉は不思議だ
たった一言 それだけで
認識、気持ち、捉え方…様々なものが変化する
だからこそ
少し楽しく とても難しい
視覚で情報を得て 言葉で詳細を形作るような
怖さと面白さ
言葉は世界の見え方を変え
きっと壊す力さえ秘めている
さく
いいこと というものは
頑張っている人に巡ってくるものだ
さく
集団という括りにはいたけれど
集団という塊からは少し外れてた
砂場で
バケツに砂を入れて固めてひっくり返し
固まり切らずに横に落ちた砂のよう
一緒にいるけれど一緒ではない
それで構わないと これがいいのだと
その思考は本心なのか強がりなのか
一歩後ろを行く君を見つめて
後ろを歩いていた自分を思い出す
さく
静かな玄関で靴を脱ぎ、揃えて端に置く
狭い玄関 狭い台所 狭い部屋
振り返って見れば全てが見渡せる
歩きながら鍵を置き 鞄を置く
台所を見つめ何か食べるかと思うが
面倒になり缶珈琲だけを手に取り部屋へ入る
服を脱ぎ洗濯機へ放り込み、回す
部屋着に着替えて一息つくと
缶珈琲のプルタブを開けた
しばらくそのままそれを見つめていた
そして天井を見上げ目を閉じると
サイレンの音が聞こえ始める
近くの消防署から出動していくのだろう
この辺りはとても賑やかだ
昼間は学校のチャイムや放送が聞こえ
夜でも消防署や病院でサイレンの音が鳴る
そろそろ学校が始まる頃か
今はまだ春休みなのだろう
いつも賑やかな学校はずっと静かなまま
もうすぐ春休みが終わり新入生が入る時期だ
学校でも会社でも病院でも居酒屋でも電車でも
様々な場所で新1年生を見かける
少し不安で怖がるような
それでいて冒険を楽しむ好奇心に満ちた眼
そんな新しい生活を送る人々
それを助ける大人や年長者の先輩たち
楽しんで欲しいと心からそう思う
その時間は今しか得られないものだから
今手にしているものは
望んで手にしたものであれ
望まずに手にしているものであれ
きっと2度と得ることは出来ないものである
それを…忘れないで欲しいと少しだけ願う
さく
知り合いが亡くなった
去年の今頃に知り合って
去年の夏に親しくなって
それでも数多く会ってはいなかったし
多くの時間も過ごすことはなかった
最後に見たのは半月前
そして
半月ほど前に1人で亡くなった
お年寄りの孤独死
仕事をしていた為
発見は早かった
それでも
街を歩いていて思う
もうあの人は居ないのだと
ただそれだけを思う
さく
気づくと
予定より何時間も多く滞在していた
ここでは会話は不要で
たまに誰かとすれ違ってもお互い無言で
ただそれだけで良かった
そんな場所から外へ出ると途端に音の洪水だ
人と音の波に沈みそうになりながらも
歩き続けて、1つの扉の前に立つ
インターフォンを押さなくなってから
ただいま、と言わなくなってから
もうどのくらい経ったのだろうか
さく
家に帰る
ただそれだけのことが出来なくて
ネットカフェというものに入る
最近は無人で入室出来て便利になった
区分けされた空間に入り足を伸ばす
そして考える
何故帰りたくないのか
無意識に居心地の良い店に寄ったり
当てもなくゆっくりと歩き続けたり
24時間居られる空間に入り浸ったり
何故…帰りたくないのか
家が居心地が悪いのか
たぶんそれは違って
…たぶん家というのは
己の役割が決められている場所なのだろう
ふと、そう思った
さく
期待するから求める
わかっていても無意識の期待は
成果を求めて相手を攻撃する
さく
『満たされる』
と言う事を考える時
足るを知る
と言う言葉を思い出す
渇きを満たすことは出来なくて
それでも仕方がないと思う
老子の教えとは違うけれど
それでも諦めなければ仕方がないのだ
渇きを癒す
この言葉に
癒すという言葉が使われていること
それが渇きというものが
どういうものなのかを
よく表しているように思うのだ
さく
何だか見られている
ふと顔を上げると
わざとらしく背ける視線を捉えた
そして時計に視線をやると合点がいった
なるほど
よく見ているものだ
微かに口元が綻ぶ
理由なんて特に無かった
ただ動くのが面倒で
席を立つ動作すら鬱陶しく感じていただけだ
仕方がない
今日は帰るとするか
重い腰をようやく上げて動き始める
「…ありがとうございました
お気をつけて」
何気ない言葉の付け足しに
また口元が綻ぶ
そんなものを感じたくて
自分はこの店に足を運んでいるのだろうか
そんな事を漠然と思考しながら
重い足を進める
店の外はまだ暗い
夜明けまでまだ時間が少しある
そんな夜闇が漂う時間
ほんの少し暖かな風が花弁を運ぶ
視線を上げると
まだ散っていない花がただそこにあった
風に沿うように
風に逆らうように
ただそこで咲いていた
さく
1度崩れたら
立て直すのは難しい
さく
ほんと意味わかんない
そう言う人がいる
でも全てが
意味がわかることばかりではない
誰かにとっては意味があり
誰かにとっては意味がない
良いも悪いも わかるもわからないも
肯定も否定も 必要も不要も
大切も無関心も 好きも嫌いも
ただ一つの側面でしかない
誰かが例えた人の多面体のうちの
たった1つを見て
他を想像しないのは
人を平面だと思っているのだろうか
それでも裏表はあるのに
さく
うちは特殊だから
そんな言葉を何度聞いただろうか
それは特殊なのではない
ただの1つの例に過ぎない
ありふれた光景なのだ
さく
春にはよくある症状だよね と
それで済まされるよくある話
さく
「ーーそして駆け抜けて行った」
入力して渡す相手が誰なのか知らない
彼なのか、彼女なのか、AIなのか
相手もこちらを知らない
俺なのか、私なのか、人なのか
そうやって自分が紡ぐ言の葉たちは
振り返ると自身の望みであることに
いつしか気づいていた
さく
22:45。
週に1回か2回やってくるいつもの客が
今夜もまた来店した
その客は決まって01:25頃まで
のんびりと珈琲を飲んでいくんだ
ジャンパーの日は大きな荷物を背負って
コートの日は軽いリュックで
それ以外の中の服はいつも同じ
綺麗に手入れされたシンプルな黒服
いつものように珈琲を差し出すと
丁寧にミルクと砂糖を返してくれる
覚えているけれどこのやり取りが好きで
今日もまた繰り返した
「…ありがとう」
少し低めの
それでいてとても聞き取りやすい声
だが今日は様子が違った
もう03:00になりそうなのに
未だ席を立つ気配がない
座る姿はいつもと変わらないのに
なんだかおかしい
どうかしたのだろうか
カウンター越しに見ている自分の方が
なんだかそわそわしていることに気づいた
さく
人が持ち続けられるものには
限りがある
正確には限りではなく
持ち続けられるものは存在しない
必ず全てを棄てなければならなくて
だから人は残すための手段の一つとして
名声とかを欲しがるのかもしれない
さく
3〜4時間眠り
たまに5〜6時間眠っていた昨年
今もまだ眠るには抵抗があるけれど
丸一日以上眠り
2日以上起きている今年
今がいつなのかわからない時が多い
さく
置いていくからね
そんな声が泣き声と共に響く
ただ静かに寄り添って手を繋ぐ老夫婦
どちらも同じ場所にある
さく
悩んでいる事があるときは楽だ
悩む事がある
何を考えていればいいのか明確だ
その時は確かに大変だろうけれど
それでも
それでも迷わないのはたぶん楽なんだ
さく
自分のカタチ
人はたぶん地位とか立ち位置とか
そんなもので自分というものを
知っていくのだろうか
ただそのままとか なんとなくとか
それでも平気な人もいる
自分はどんなカタチをしていて
どんなカタチになりたいのか
未だよくわからない
さく
「あなたの悩み…私も同じだよ」
さく
多くの家族連れがいる場所を通った
自分に家族の思い出があるのか少し考えて
あまり思いつかなかった
幸せだと思える平穏な毎日より
何かがあった日ばかりを覚えているものだと
そしてそれすらあまり記憶にはない
それに平穏だった毎日を覚えているものは
もういないのだと改めて思えば
そもそもがそんな時間があったことなど
誰も知らなければ
無かった事と同じではないかとも思う
さく
「あそこの桜はどのくらい咲いたか」
それに答えられないのが自分だ
さく
「お前に何が出来る、と?」
さく
「お前はどうしたいんだ?」
さく
始まりがわからないのは
自分の物語がないから
すぐに進む自分を押し留めるために
自分の中で基準となる線を造る
そうやって枠をつくっておく
けれどいつもうまくいくとも限らない
物語は枠ではない
きっと点と点なのかもしれない
さく
はじまりだけが無く
終わりだけが見える物語
…きっといつも…その物語の中
さく
眠り続けることと起き続けること
繰り返していたら現状が掴みにくくなった
…携帯を見れば今がいつかはわかる
けれど自分がいつ何をしていつ眠れたのか
自動記録される携帯も曖昧で
記憶もいつも以上に曖昧だ
それでも…
目を逸らし続けられるのは結局は一瞬だ
現実はいつも目の前にあって
気付けば迫ってくるのが…現実なのだろう
