GRAVITY昔ばなし
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*おぽぽᔆᴿ⚡️
一昔々、雲よりもふわふわな山のふもとに、ぽえきゅんという小さな小さな不思議生物が住んでおったそうな。
ぽえきゅんはまだ5歳。実家のこたつに埋まりながら、日がな一日「うみゅ!」と奇妙な声をあげ、村の人々を首をかしげさせておった。
話すときは必ず「〜するんだお〜!」とか「〜しゃんー!」と語尾をのばすのがクセで、それがまた、どこか愛嬌があったそうな。
ぽえきゅんはスピリチュアルなものが大好きで、雲の形から運勢を占ったり、岩に耳をあてて「きょうは運命の波動が高まってるしゃんー!」などと言い出す。
足元には、なぜか天狗下駄。身長が3割増しになるこの下駄で、村の中をカランコロンと歩く姿は、ちょっとした名物になっていた。
ある日のこと。
ぽえきゅんは夢の中で、光る金色のカラスに出会った。
カラスは言った。
「ぽえきゅんよ…そなたには運命を添いとげる女の子がいる。探すんだ…東の果て、虹色の滝のほとりへ…」
「うみゅ! わかったんだお〜!」
目覚めたぽえきゅんは、こたつ布団を跳ね飛ばし、家族に「ちょっと行ってくるしゃんー!」と言い残して旅に出た。
道中、森で迷ったり、スピリチュアル商人に怪しい石を高値で売りつけられたり、天狗下駄の鼻緒が切れて川に流されたり…数々の試練を乗り越えた。
しかし、ぽえきゅんはいつも笑顔で「これは魂レベルが上がったんだお〜!」と前向き。
ついにたどり着いた虹色の滝のほとり。
そこには、森の精霊のような女の子が立っていた。
女の子はぽえきゅんを見ると、にっこり笑って言った。
「あなた…奇声のひとね?」
「うみゅ!」
それから二人は、滝のそばで何日も語り合い、笑い合い、天狗下駄を並べて眠った。
ぽえきゅんは悟った。
「この子と添いとげるんだお〜!」
こうしてぽえきゅんの旅は、愛と笑いに包まれて終わり、そしてまた、別の冒険が静かに始まろうとしていたそうな。
――おしまい。


*おぽぽᔆᴿ⚡️
GRAVITY昔話:ちーず太郎の帰り道
むかしむかし、あるあたたかい土地に、ちーず太郎という女の子がおりました。
ちーず太郎は、上は白いシャツを一枚だけ、下はふんわりとしたかぼちゃパンツをはき、いつも元気に走り回っておりました。
おともには三人の仲間。
ちゅんちゅん鳴く小鳥の 「ちゅん」、
いたずら好きのサルの 「セイゴ」、
のんびり屋の犬の 「おぽぽ」 です。
ある日ちーず太郎はいいました。
「わたし、寒い寒いふるさとに帰りたいの。みんな、いっしょに行こう!」
仲間たちは「うん!」と元気にうなずき、四人の旅が始まりました。
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川くだりのお椀
旅の途中、大きな川に行き当たりました。
「どうやって渡ろうか?」と悩んでいると、岸辺にひとつのお椀がありました。
そのお椀はふしぎな力を持っていて、ハイビームの光をぴかーっと前に照らしました。
ちーず太郎たちはお椀に乗りこみます。
「さあ、出発だ!」
お椀は川の流れにのって、
どんぶらこっこ どんぶらこっこ。
光に導かれ、夜の川を下りながら、みんなの笑い声がこだましました。
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旅のあれこれ
川を渡ったあとも、冒険は続きました。
・ちーず太郎は持ち運び椅子をひょいと広げ、青い海のほとりに腰かけてぼんやりしたり。
・川に足を突っ込んだら思いのほか深くて、ざぶっと落ちて溺れかけたり。
・道すがら楽しく歌を歌ったり。
・村人たちに向けて音声ルームをひらき、元気な声を届けたり。
どんなときも、ちーず太郎は決めゼリフを忘れません。
「おはよう、こんにちは、こんばんわ、おやすみ、今日も可愛いちーず太郎だよ!ちょき✌️ちょき✌️」
その声に、ちゅんもセイゴもおぽぽも、そして旅で出会った人々も、みんな笑顔になるのでした。
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帰郷
長い旅を越えて、とうとうたどり着いたのは、雪の舞う寒いふるさと。
「ただいまー!」
ちーず太郎が叫ぶと、ふるさとの空気がやさしく包み込みました。
ちゅんは枝でぴょんぴょん、
セイゴは雪に転がり、
おぽぽは尻尾をぶんぶん振り回して走り回ります。
そしてちーず太郎は言いました。
「ここが、わたしの大切な場所。これからは、みんなで楽しくくらしていこうね!」
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こうしてちーず太郎と仲間たちは、
寒いふるさとで笑い合いながら、幸せに暮らしたということです。
めでたし めでたし。


