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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十二話 後編

「お姉ちゃん!」
突如鼓膜が感じ取った懐かしい声に、つい動きが止まってしまった。
ルーヴェリア「アリー…」
かつて村が滅んだ時に死んでしまった、大切な妹アリューシアの声だ。
「もう頑張らなくていいのよ」
「お前は十分やったじゃないか」
母マリアベルと、父ライゼスの声もする。
喋っているのは、目の前のこの骸骨だ。
ルーヴェリア「ノクスの死霊術か、よくもこんな下劣な真似を…!」
怒りを孕むその声とは対照に、体は微動だに出来なかった。
マリアベル「またそんなに傷だらけになって、私をどれほど心配させたら気が済むのかしら」
ああ、近くの山で小型の魔獣相手に立ち向かい、ボロボロになって帰ってきた日にも同じことを言われていた。
ライゼス「俺に似て力持ちなのはいいんだがなぁ、無茶苦茶なことをするところは誰に似たんだか」
困り果て、やれやれと首を振っていた様が目の前に浮かんでくる。
でもこれは、ノクスによってつくられた偽物の筈で…。
アリューシア「ねえお姉ちゃん、騎士団に入ったってことは、離れ離れになっちゃうよね?ね、寂しいから3日に1回はお手紙ほしいな!」
違う。偽物なら、こんなこと言わない。
明らかに、あの時交わした約束で、一言一句違わないところを鑑みるに、この骸骨に宿っているのは間違いなく私の家族だ。
あの時守ることのできなかった、家族たち。
鞘を握る手が降りる。
糸に巻かれた腕だけで宙吊りにされたまま、だが振り解くことが出来ない。
だって私は謝らなくてはいけない。
守れなかったことを。
死なせてしまったことを。
ルーヴェリアが口を開きかけた時、言葉を発することも許さないというように、骸骨達が話しかけてくる。
アリューシア「ねえお姉ちゃん、私が倒れてきた棚の下で泣いていた時、どうして助けに来てくれなかったの?」
マリアベル「何のために私達家族の反対を押し切ってまで騎士団に入ったのかしら?」
ライゼス「妻やアリーが死んだのは、魔族に太刀打ちできなかった俺の力不足だったのか?」
違う。違う違う違う違う。
ルーヴェリア「お父さんの力不足なわけがない!村の動けない人の分もって沢山魔獣を倒してたのはお父さんだって、私知ってる。本当に力不足だったのは、私、で…」
助けられなかったあの日の記憶が蘇る。
業火に包まれた村、思うように動いてくれない体、せせら嗤う魔女の声、助けてと響いた、妹の…。
微かに動くこともしなくなったのを好奇と見たのか、蜘蛛の糸はルーヴェリアを六つ並んだ頭部の上にぶら下げた。
それぞれの頭が各方向に伸び、裂けた中央部からワームのような口が覗く。
その様を、ルーヴェリアが見ることは出来ない。
あの日の景色が、瞼の裏に染み付いて離れないあの光景が今眼前に広がっている。
ごめんなさい。
守れなくてごめんなさい。
力不足でごめんなさい。
本当に守らなくてはいけなかった貴方達を、家族を殺してしまってごめんなさい。
私が至らなかったから。
私が弱かったから。
私が…。
体が餌を待つワームの口にゆっくりと降ろされていく。
そんなルーヴェリアの耳に、いつかの仲間達の声が響いた。
ディゼン「また下向きやがって、ケツ引っ叩くぞ」
コルセリカ「そんな過去があったから、今こうして強くなったんでしょ?」
マルス「あーあ、国を守って欲しいって言った俺の意思は継いでくれないのかぁ…」
冥界の門から次々と現れる魂を、ノクスは制御できずにいた。
閉じた筈だ、彼奴の家族の魂を呼び出した後、閉じた筈だ。
なのに何故開いている!?
ノクス「閉じろ、閉じろって!」
何度魔力を注いでも、門は閉じかかるが僅かに開いたままだ。
まるで誰かが必死にそれを押し返しているように。
テオ「おいおいあんたら、それだけでいいんすか!?もっと声かけてやってくださいよ!」
あれは、先日死んだルーヴェリアの仲間の一人だ。
あれが門を閉じるのを遮っているのか。
ノクス「救われることのない魂よ、我が意に従い彼の者を封ぜよ!」
悪霊達が一斉にテオの周りに群れるのを、白い霊魂が蹴散らしていく。
ナギ「邪魔なんかさせねえぞ!俺の師匠にあんな顔させたお前ら魔族を、俺の精霊様も許さないって言ってるからなぁ!」
陽光のような光は彼方此方を駆け巡って悪霊達を消し去っていく。
クワイア「師匠、背中ガラ空きじゃないですか」
この子は50年前共に戦った、クレストの妹だ。
そして、一人の魂がルーヴェリアを背中から抱きしめた。
ソーリャ「ルーヴェ、貴女が私みたいに過去に縛られているのは知ってる。その苦しみがどんなものかも、私は知ってる。でも今守らないといけない人達が貴女を待ってるのよ」
閉じかかっていたルーヴェリアの意識がはっきりとする。
──大丈夫、意思を継ぐ限り独りで戦わせはしない。
温かな声が聞こえる。
ワームの口が閉じる寸前、ルーヴェリアは鞘で喉粘膜を思い切り突き、反射的に自分を吐き出させた。
そうだ、私は独りじゃない。
意志を継いで戦うことで自分にしか出来ない葬送とすると決めたあの日から。
この魔装具達を身に付けると決めたあの日から。
私は独りで戦っているわけじゃない!
腕に絡む蜘蛛の糸を引きちぎり、ロストの頭部を蹴飛ばして地面に転がる剣を取る。
マリアベル「皆さん!間に合って何よりです!」
ライゼス「ギリギリ時間稼ぎ出来たな!」
アリューシア「酷いこと言ってごめんねお姉ちゃん!私たちでこいつの動きを止めるから、思いっきりやっちゃって!」
ルーヴェリアは強く頷いて剣を正眼に構える。
ノクス「クソ!どうなってるんだ!」
テオ「教えてやるよクソ野郎」
驚いて振り返るノクスの頬を、テオの霊魂がぶん殴る。
不意を突かれたのもあって尻餅をつくノクスを見下ろしながら、テオは簡単に説明した。
テオ「あんたからの呼びかけがあった時、ルーヴェリア様が障害になってるからどうにかしたいんだろうってすぐに分かった。だからあの人の家族捕まえて、ありったけの酷い言葉を浴びせてあんたの思惑通りに動くよう伝えたんだ。その間に、俺が歴史書で見た名前の人たちをかき集めて、門が閉じる前に外に出したってわけだ」
死者の魂に意思があるってのは知ってるだろうに。肝心なとこでヘマしたな、と笑うテオにノクスはわなわなと震えながら掴み掛かる。
ノクス「お前だって未練があるから応えたくせに!」
その手は軽々と振り払われた。
テオ「あ?あー、まあ王女様残してきちまったからな…そりゃ心残りだよ。他の人たちも、永遠の時間を生きることになるルーヴェリア様が"心配"だったから応えたんだ。恨み辛みばかりが未練じゃねえよ」
ロストの両腕が自身の胸元にある髑髏を掻きむしるような動きをする。
恐らく中に入った霊魂が暴れ回って妨害し、制御不能に陥らせているのだろう。
自分に向かって炎や氷の息を吐き出し、何とかして追い出そうと必死だ。
その度に自分が傷ついていることにすら気が付かずに。
ルーヴェリア「…私が言うべきなのは、謝罪ではありませんね」
ふっと笑ったルーヴェリアが地を蹴った。
ルーヴェリア「対象認識、概念具現化、斬撃術式展開…」
揺らめく大地。
──百裂き!!
行手を阻む百足の胴の継ぎ目に合わせて無数の斬撃が放たれ、文字通り百に砕かれる。
概念具現化とは、言葉に宿る意味がそのまま具現化される術式だ。
自分にかけられた呪いを解くために必死に魔術の研究をするうちに出来るようになった副産物ではあるが、強力な術である。
ロストは骸骨含め頭部が九つ。恐らくそれぞれが元は一体の魔物だったのだろう。
内二つは停戦交渉の際、魔王に付き従っていた宰相だから間違いない。
魔族に慈悲をかけるつもりも、情が湧くこともないが、死して尚こんな姿にされ侮辱されるのは、僅かではあるが哀れに思う。
故に。
ルーヴェリア「砕破!」
頭部に向けて具現化の術式を使い砕き伏せる。
尚も此方に向かってくるのは、やはり核というものが存在しないからだろう。
だが、頭を潰したおかげか奴の体は再生しなくなった。
今ならば。
地面、空中問わず縦横無尽に駆け巡り、爪を、腕を、毒牙を剥き出しにする蛇達を、内に潜むワームを、全てを切り裂きばらけさせる。
そしてありったけの魔力を込めて世界を断絶させている壁の天井をぶち破った。
ノクス「は!?」
使われたのは既に死んだ魔物だろう。
なら行先は冥界に他ならない。
ルーヴェリア「地獄より燃え立つ劫火よ、哀れな魂の拠り所を焼き尽くし、その魂を冥界へと誘い給へ!」
力技でこじ開けられた天井から爆炎の柱が降り注ぎ、ロストの身を焦がし、燃やし、灰燼に帰していく。
誰もが思わず目を閉じるような光が辺りを照らす。
ゆっくりと目を開く頃には、世界を隔絶する壁は消え失せ、いつもの景色が戻ってきた。
自分を助けてくれた霊魂達の姿はもう無い。
ルーヴェリア「皆さん…有難うございます」
夕焼け空に呟くと、地に膝をついて呆然としているノクスの元へと歩いていく。
ノクス「そんな…あり得ない…こんな…」
壁が破られたことも、死霊術を極めた自分を差し置いて冥界や地獄の門を開かれたことも、受け入れ難かった。
これじゃ、どんな顔して向こうでレイヴに会えばいいか分からない。
ルーヴェリア「…人間に似た姿にもなれたんだな。まあいい……私の家族に苦労をかけさせた罰だ。精々苦しみながら死ね」
冷淡な声色が具現化する。
ノクスの体はあり得ない方向に何度も何度も捻じ曲がり続けるが、不死者の特性でその程度なら治ってしまう。
じっくりと聖なる光に身を侵されながら、ノクスは声にならない声を木霊させる。
殺してくれと叫んでいるようにも聞こえなくはないが、そんな慈悲など持ち合わせてはいない。
ゆっくりと、確実に死に至っていく魔物を背に、夕焼け空の向こう側を眺めた。
他の戦線はどうなったのだろう。
此方は思っていたより時間がかかってしまったので、当初の予定より作戦時間は大きく遅れていることになる。
ルーヴェリアは急いでクレストの元へと向かうのだった。
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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十二話 前編

ロストの攻撃をかわしながら、ルーヴェリアはその動力源がどこにあるのかを探っていた。
魔力的な反応は奴の体から感じることができない、ということは動力源は魔力ではない。
ならば、魔族が持ちうる核というものも奴にはないということで…。
その思考を遮るように紅槍が視界を掠める。
ルーヴェリア「邪魔だ」
真っ直ぐに向かってくるそれは、軸はブレておりただこちらに突っ込んでくることしか考えていないような動きで、まるで正気を失ったかのようだ。
軽く弾いただけで少し遠くに生えていた木に衝突して血反吐を吐いている。
そんな状態で向かって来られても戦いの支障にすらならないが、目の前を横切る蠅のように煩わしいのは確かだ。
ロストの右腕が爪による斬撃を放ち、ルーヴェリアの剣がそれをいなすのを見つめながら、正確にはそちらの方を見ながら、レイヴは立ち上がる。
目の前に広がる光景は、雲の地面と輝く青空。
取り囲まれている自分と、擁護してくれる神の姿。
罪状は人間を魔族に売ったこと、つまり人身売買。本来守護するべき人間を魔族に売ることは言わずとも理解は出来るだろうが重罪だ。
神は、主は、俺がそんなことをするはずが無いと弁明してくれた。
検察側が確かに見たと言う者が居ると言う。
レイヴ「何かの間違いだ!主の意に反することなんて俺が出来るわけないだろ!」
ロストの下半身による殴打を蹴りで撃ち返したルーヴェリアの視界に、また紅色の軌跡が迫る。
何か様子が変だ。こちらに向かってくるのに、こちらを捉えてはいない。
まあ、関係なく斬るだけだが。
レイヴの胸元に鈍い痛みが走る。
検察側が言った。
「では、皆が口を揃えて嘘をついていると言うのか?」と。
レイヴ「そんなことは無いと信じたい…!大切な仲間だぞ!?だが俺は決して主の意に叛くようなことはしない!」
神「彼は誰よりも私を愛し、人を愛する忠実な僕だ。何かの間違いではないのかね」
弁護側も、レイヴくらいの背丈で同じだけの翼の数を持つ者は他にも沢山居るし、人違いの可能性は否定できないのではないかと言ってくれた。
それでも、堕天の判決が覆ることは無かった。
神「…どうか、私を許してほしい。私はお前を信じている」
レイヴ「最後の、最後の慈悲を与えてはくださいませんか…!」
まだ此処にいたい、あなたの傍で、大切な仲間達と共に天界を支えたいと縋り付く。
ルーヴェリア「…もう意識も無いでしょうに」
ロストに対し結界術は効果があるのか、物理に特化させれば盾くらいにはなるようだ。
それを利用して、地に伏せて尚立ち上がろうとするレイヴの頭のあたりに立つと、その心臓目掛けて背中から剣を突き立てた。
神「…すまない」
ああ、あなたがそんな顔をするから。
いっそのこと、怒りに満ちた顔で、声で罵ってくれれば、この心も白い翼と共に砕け散っただろうに。
俺の愛する神よ、俺の崇敬する神よ。
堕天し、行き場のなかった俺を救ってくれた人の恩に報いるために俺は人間を殺した。
でも、せめて天に召されあなたの腕に抱かれて眠ることを祈っていたんだ。
俺は、招いてもらえないだろうけれど。
イレディア、お前の力にはなれたのかな。
結局、何もできないまま、俺は死ぬのか…。
レイヴの全身をひび割れが駆け抜けていく。
先から内側へとかけて。
それが心臓に到達したとき、彼は粉微塵になって二度と再生することはなかった。
ロストが魔術壁に阻まれるのをどうにかしようと障壁を何度も殴りつける様を見て、知能が低いことを確認したルーヴェリアが剣を構え直したとき、全身を包み込むような怖気が走った。
空間が浮き上がるような感覚が一瞬だけ、でも確実に今自分がいるこの場所は、自分の知る世界ではないと理解する。
結界に取り込まれたというより、世界から自分達だけ切り離されたような、大地も空も、陽炎のように揺らめいている。
ルーヴェリア「界域断絶……」
世界と世界を隔離して別の次元としてしまう、ある意味魔術の極地の一つだ。
見慣れない男がロストの向こう側に立っている。
青白い肌、落ち窪んだ瞳、痩せこけ骨ばった頬、伸びるに任せたのを適当に切ったような白髪…だが、外套に見覚えがある。
ルーヴェリア「まさか、ノクスか…?」
答えに至って一瞬唖然とした隙を突かれ、障壁を体当たりでぶち壊してきたロストの体が直撃する。
咄嗟の防御も間に合わず、世界と世界を断絶する壁に叩きつけられてしまった。
鎧がなければ内臓までやられていただろう衝撃が駆け巡ったかと思えば、自分の腹部を壁から突出してきた何かが貫いてきた。
痛みは若干感じるが、不老不死の呪いのおかげか致命傷になることはない。
そのおかげか本人の元からの性格なのか、現状を冷静に分析する。
この隔壁には意思があり、それはルーヴェリアに向けられた敵意で、操っているのはノクス本人。
壁に近付くのは得策ではないかもしれない。
隔壁を蹴って前進しながら剣を構え直し、この空間を支配しているノクスの元へ駆け寄ろうとするも、ロストが立ち塞がってそれを阻止する。
ルーヴェリア「こちらからどうにかしなくてはいけない、ということか」
肉薄してくる百足の尾を両断し、切れ目に刃を突き刺してロストの下半身を切り開いていく。
上半身の方に痛がる様子が見られず、自分の下半身を斬りながら向かってくるルーヴェリアに爪を振り下ろした。
やっとのことで通した剣を抜いて弾くわけにはいかないため、ガントレットで防いだ。
衝撃で地面の陽炎が一際大きく揺れる。
肩口の蜘蛛から糸が吐き出され、片腕に巻き付いたそれはとんでもない力でルーヴェリアを引っ張った。
身体能力向上の魔術をかけていなくとも人間離れした力を持つ彼女でさえ、抗うことができず引き摺られるのだ。
渋々剣から手を離して突き刺さったままの状態にしておき、腰のベルトから鞘を抜いて引っ張られるままに任せ近付くことを選んだ。
頭部の一つが炎の息を吐きかけてくるのを魔術で跳ね返しながら、胸元についた三つの骸骨のうち真ん中を狙って鞘を振り下ろす。
が、その鞘が骸骨に届くことはなかった。
世界が断絶されたおかげで、ルーヴェリアの魔力によって封じられていた冥界の門にも手が届くようになったノクスはお得意の死霊術が使えることを重畳に思っている。
ノクス「開け、天冥の門…」
この術のことで、レイヴとよく喧嘩していた。
死者の安らぎを邪魔するな、と。
だがノクスは知っている。
自分の術はあくまで生きていた世界に戻りたくはないかを問いかけ、その問いに頷いた者だけが門を通ってこちら側へ現れることを。
ノクス「未練たらたらであの世に留まるより、余程いいと思うけどな、僕は」
呼び出したいくつかの霊魂がロストの骸骨に吸い込まれていく。
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リツキ

リツキ

あっち系の話しよーよ。

精神や霊魂が実在する可能性やそれらが肉体や物質世界とどんな法則で影響しうるかについて。
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りょう

りょう

目に見えないものを信じますか?
理由はありますか?目に見えないものを信じますか? 理由はありますか?

回答数 320>>

大きな宇宙の中では、何か人間には理解出来ない大きな意識や意味があるのだと思う。

霊魂や宗教だとかのレベルとは違うと思う。真面目に答えちゃったけど。


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天月 兎

天月 兎

サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十一話 後編

自分の後に続いていた筈の軍の気配が微かにも掴み取れない。
レイヴ「化け物…」
わなわなと震える声で呟くと、彼女は嘲りを含んだ声で一蹴した。
ルーヴェリア「魔族よりはまともだ」
剣の切先をレイヴとノクスに交互に向けて言い放つ。
ルーヴェリア「どちらが先に死にたい?」
ノクスは必死に思考を巡らせた。
先ほどから死霊術を扱うため何度か閉じられた冥界への門への接触を試みているが、ルーヴェリアの魔力に阻まれて触れることすら敵わない。
この地にはもう、屍人に出来る魔物も人の死骸も無くなってしまった。
かくなる上は、己が身を…。
その時だった。
中空に巨大な赤いゲートが開く。
横を見やれば、大量に血液を流しゲートを作り出しているレイヴの姿があった。
ノクス「何をするつもりだレイヴ!」
レイヴ「俺の残りの血液じゃこの化け物をどうにかするなんて無理だ。お前も死霊術が封じられれば、最終手段を使うしかなくなるだろう。だが、俺達には奴の造ったあれが残ってる」
ノクスは首を横に振った。
計画ではそれはまだ出さないもので、当初の予定を大幅に変更することになる。
それに、そんなに大量の血を流せば、流石のレイヴとて普通に戦うよりも多大な負担がかかる。
ノクス「やめるんだ!まだその時じゃない!僕もお前と同じ気持ちだけど、そんなことしたって…!」
レイヴ「同じなわけがないだろ!!」
言葉を遮った声は怒号に似ていた。
レイヴ「俺は許せないんだ…魂の救済は神の特権だ……神だけがそれを成し、神だけがそれを与えられる、唯一無二の神の力なんだ!それを此奴はやってみせた。神を愚弄した!神への冒涜だ!神への叛逆であり大罪だ!」
もはや誰の言葉にも耳を傾けないと言わんばかりである。
ルーヴェリアはゲートから凄まじい魔力を有する何かが出て来ようとしているのを感じながら、レイヴの言葉に違和感を抱いた。
魔族のくせに、神を信仰し崇拝していると?
よりによって、天から追放された堕天使が?
レイヴ「俺の居場所は彼の方の隣だ…だけどな、それでも俺は神を愛する心を捨てられないんだ!神を貶められて黙っていられないんだよぉ!!」
言い終えると同時にゲートは完成し、そこから一体の魔物が現れた。
何と言えばいいのだろうか。
とりあえず人の形に似た巨大な何か、ではある。
頭は六つ、そのうち二つはいつか見た魔界の宰相のものだった。後の四つは全く見たことのないもので、内一つは犬とも猫ともとれるような獣の姿だ。
胴体は人に当て嵌めるならば、両肩が黒い蜘蛛のそれがついていて、そこから幾重にも連なる木の根のようなもので腕が伸び、手先は熊の手のように鋭い爪を模している。
胸元には髑髏が三つ、薄気味悪い笑みを浮かべていた。その顎下あたりから無数の蛇が伸び、こちらを睨みつけるものもあれば腹部を構成しているようにも見える。
腰は胴と離れて形成されていて、汚物にまみれた沼色を思わせる色合いの巨大な百足が蜷局を巻いている。
本来ならば節足が出ているだろう箇所はなんと人間の手のようなものが畝っていて、率直な感想として気持ち悪いが真っ先に来るような見た目だ。
また、この魔物の全身から時折深い紫色の霧が噴き出しているのも確認した。
恐らく毒霧だろう。
魔界に生きる魔物達の集合体、キメラと呼ぶのならまだ可愛いかもしれないが、ここまでのものは最早何と呼べばいいのかわからない。
確実に言えるのは、これをのさばらせてはいけないということだった。
レイヴ「ロスト、その人間を、喰い殺せ」
ロストと呼ばれた魔物がルーヴェリアの方を向く。
咄嗟に大きく身を引いたルーヴェリアが見たのは、自分が立っていた地面が大きく抉れていることだけ。
瞬きの間には目前にそれが居る。
ルーヴェリア(速い…)
空を蹴って飛び上がり、首を狙って剣を振るうが、その体を凄まじい衝撃が襲って横に跳ね飛ばされる。
ロストは、上半身と下半身でそれぞれ意思を持ち、別々に行動することが出来るようだ。
上半身の一部を狙っても、下半身が邪魔をしてくる。
それに加えて、魔術が一切効かない。
地面に転がる直前に火焔、氷霜、神聖等の魔法矢を放ったが、直撃間際で弾かれるというより掻き消されてしまうのを見た。
衝撃緩和の魔術で体への負担を軽減し、体勢を立て直しつつ剣を構え直す。
これで刃すら通さない硬さを備えていたら、どう戦おうか頭を悩ませることになるだろう。
レイヴ「殺せなくても…一度ロストに喰われれば永遠に噛み砕かれ続けることになる…例えどんなことをしようとも…ロストには…勝てない…」
ふっと笑ってその場に座り込む。
血が足りないからだ。
ノクス「一先ず戦線離脱だ、戦況なら僕の遠見で確認できる。彼の方のところに戻るよ」
レイヴは首を横に振った。
ノクス「は…?」
レイヴ「彼の方の計画を捻じ曲げた責任を、俺は取らないといけない……ロストと共闘すれば、俺もまだ戦える」
ノクス「失血でフラッフラな状態でどう戦うんだよ!万が一ロストがやられても、生きてればあのクソ女に一矢報いる機会がくる!」
自分だって捨て身の覚悟で戦おうと思っていたのだから、説得できる立場にはないが。
それでも仲間は見捨てておけない。
お前が死ぬのは今じゃない筈だと、そう伝えるがレイヴは一歩も引くつもりはないようだった。
再び槍を作り上げ、立ち上がって、一歩踏み出す。
視線の先では剣と爪を交差させながら一進一退を繰り返す化け物同士の戦いが繰り広げられていた。
レイヴ「俺はある意味で謀叛人だ…彼の方が許しても、俺は俺を許せない。だから」

俺が俺を罰するんだ。
お前は後退して彼の方を守れ。

そう言い残して、レイヴはルーヴェリアとロストの戦いに割って入っていった。
ノクス「……転移と遠見くらいしか出来ない僕に、何が出来るって言うんだよ」
呟いた言葉はもう届かない。
もしも彼が崇拝する神がいると言うのなら、縋りつきたい気分だ。
どうか仲間を助けてくれ、奇跡を起こしてくれと。
こんな気分になったのは、久々だ。
ノクス「ごめんよレイヴ、僕は退けない」
もう失うのはごめんなんだ。
ノクスは自分の頭を外し、両手で力一杯押し潰して粉砕した。
闇色の外套が溢れ出た魔力によって翻り、体は魔力によって焼き尽くされていく。
ルーヴェリアの逃げ場を無くすように、魔力は空間と空間を裂いて次元を切り離し、外界と隔絶された領域に自分ごと閉じ込める。
死霊術はその地に残る霊魂を操るだけでなく、死者の棲家へ干渉することを得意とする。
この術を極めると、人間の住む世界、魔族の住む世界、神の住む世界、死者の住む世界、凡ゆる世界に干渉し操ることが出来るようになるのだ。
勿論、対価もそれ相応に必要になる。
ノクス「人間の姿になるまで魔力削がれたけど、まあこの程度なら補佐くらいは出来るよね」
お前が死ぬ気でそいつを殺すって言うんなら、僕だってやってやるさ。
今にも死にそうなほど痩けた頬、青白い肌、ストレスで白くなったざんばらの髪を揺らして、骨ばった腕を伸ばした青年は口の端を吊り上げた。
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GRAVITY3
天月 兎

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サフラン色の栄光──不滅より終焉を贈るまで
第三十一話 前編

蒼炎の一閃が数度と軌跡を描けば、鬱陶しい翼人共は燃え滓となって塵芥のように消滅していく。
殺した人間だけではなく、魔族まで。
死体であれば何でも屍人化し理性を失ってしまうのだから、やはりノクスの力は厄介だ。
以前の戦闘では地面から屍人が現れたのを見た。
奴の能力がどこまで広範囲に届くのかは分からないが、かつての戦いで仲間たちの遺体を回収せず、火炎魔術だと時間がかかってしまうこともあり、その場で腐敗させてしまうことを選んだが……あれが仇となるとは思わなかった。
なりふり構わず突っ込んでくる元翼人達に紛れ、ある程度鋭い攻撃も飛んできた。
レイヴによるものだろう。
血液で構築されたあらゆる武器が、時々隙をついたつもりで背後に斬撃を浴びせてくる。
昔はまだマシな攻撃をしてきたものだが、歳をとって衰えたのか、力を抑制しているのか。
随分とまぁ生ぬるい攻撃をしてくるものだ。
かれこれ十数分だろうか。
10万といた軍勢は半分以下になり、肉壁が薄くなればなるほど、ルーヴェリアの幾重にも連なった斬撃がノクスやレイヴに届くようになっていく。
ノクスは屍人を地面から生やすことで盾とし、レイヴは己の生み出した剣で弾く。
七将2人は違和感を覚えていた。
かつてのルーヴェリアは自分達に一撃で致命傷を負わせる程の魔術を行使していたが、今彼女が使用しているのはあくまで対屍人用の焔の魔術のみ。
魔力の消費を抑えるにしても、もう少し極端な魔術を使っても良い筈だ。
自分達よりも魔力量が上ならば、尚のこと。
だが、そんなことはどうでもいい。
この女は同胞のかけた呪いのせいで殺すことができない。
自分たちの目的を果たすためには、出来る限り長い時間この場に留めておかなくてはならないのだ。
レイヴが一歩身を引いて足に力を込め、次の瞬間ルーヴェリアの頭上に飛び出した。
舞い散る羽根が鋭い刃となってルーヴェリアに降り注ぐ。同時に己の血液で造り出した武器を分解し、血色の槍に変えて距離を詰める。
肉弾戦に持ち込んだレイヴを見て、ノクスも死霊術を繰り出した。
彼の骸骨の指がルーヴェリアの足元を指すと、彼女の足元からかつてこの地で息絶えた兵士達の手が伸び、身動きを封じにかかる。
ルーヴェリアは地面に白銀の魔法円を展開すると、地上から天空へ向けて光矢を放ち羽根を相殺。突進してくるレイヴの槍は剣の腹を当てて弾いた。
それだけで吹っ飛んでいくレイヴの体。
羽ばたきでなんとか体勢を立て直すも、戦場が一望できる位置まで来てしまった。
足元に絡みつく死霊の腕に関しては。
ノクス「…まさかそこから一歩も動かないつもり…?」
ルーヴェリア「どうせお前らは私をどうにかしなければならない。屍人は敵にならないうえ、肉薄してきたとしても見ての通りだ。ここから動く必要がどこにある?」
もう仲間の屍人達も殆どいない。
がっちりと巻き付いて離れない死霊の腕を振り解くでもなく、あの女はただ剣を振るい、背後の敵は火焔の魔術で焼き尽くしていくのだ。
ノクス「これならどうかな!」
今度はいつかの戦いで見た屍人の巨人を喚び出した。
一歩踏み出せば煉瓦造りの家屋でさえ崩壊するほどの地震を起こすような巨体。その身体は大量の腐敗した屍一人一人で構築されており、それらが蠢いている。ある意味屍人の集合体と呼べるだろう。
ルーヴェリアの四方を囲うように現れたそれらは両手を高く上げて押し潰さんとばかりに勢い良く振り下ろした。
目前に迫る無数の死体の中には、見知った鎧がいくつもある。
その中に、自分と縁の濃い者の死骸があるのを見た。
淡い銀色に、先だけ青みがかった髪色。
そうか、そういえば彼女の墓場は此処だった。
ルーヴェリア「……安心してください、コルセリカ団長」
貴女の生きた証は、此処にある。
空いている方の手で、首元を飾るチョーカーに触れた。
ルーヴェリア「冥界の門は開かれた」
足に絡みつく腕を、巨人達の身体を、虚空から現れた暗黒色の鎖が拘束し締め上げる。
潰しにかかってきた手も、鎖が触れた瞬間寸でのところで動きを止めた。
ノクスとレイヴの息を呑む音が聞こえる。
ルーヴェリア「戦い、果て、尚この地に留まりし数多の守護者達よ」
詠唱が進むごとに、更に鎖が出現し、巻き付き、彼女の元から引き剥がしていく。
ルーヴェリア「永遠なる安息を得よ、静穏の眠りを得よ、英霊の御霊を冥界に召し天へと昇華せん」
鎖の色が暗黒色から眩く輝く金色へと転化した。天空に両開きの巨大な白い扉が出現し、ゆっくりと開かれる。
虚空から伸びていた鎖の先がその扉へと吸い込まれていき、縛られた死霊らが引き摺り込まれていく。
彼らに抵抗の意思はなかった。
寧ろ、この時を待っていたとばかりに門へと向かっているようにも見える。
それだけでは済ませない。
ルーヴェリアを中心に、足元からどこまでも続くかのように光の輪が波紋を広げる。
ルーヴェリア「響き渡り、染み渡れ。地の深く、底に眠る者達に行き渡らせよ」
光の波紋が通った地面の深くから、薄青い霊魂達が次々と浮かび上がる。
その数は千か、万か、億かも分からない。
ルーヴェリア「苦痛に満ちた終わりを迎えた魂に、久遠の安らぎを齎さん」
霊魂達が空へと昇っていく。
逆さに降る雨のように、舞い上がる花びらのように。
鎖は導き手となり、魂は天に召され消えていく。
最後の霊魂が安らぎに触れた時、天空の門は静かに閉じながら透過して消えていった。
神聖を帯びた昇天の魔法と、神の御技と読んでも過言ではない浄化魔法。
幻想的な大魔法の景色ではあるが、これは魔力を大量に消費することで無理矢理顕現させたもの。彼女はそれに特化した力は持ち合わせていないので、通常の倍は魔力を消耗しているだろう。
かなり力技である。
それでも魔力量に余裕があることを鑑みるに、魔族側からみてもルーヴェリアは化け物と呼ばざるを得ない。
自由になった体を、硬直しているノクスとレイヴに向けた。
ルーヴェリア「さて、この地には死霊も屍人ももう居ない。次はどんな手を使って私を足止めするつもりだ?」
ヘルムで見えなくてもその表情は分かる。
薄く笑っているのが。
ルーヴェリア「ああそうだ、魔術を行使した時に此方へ向かう魔族の軍を感知した。お前が率いていたものだノクス」
嫌な予感が背筋を凍らせる。
まさか、あの術を使いながら…。
ルーヴェリア「残念なことに灰も残さず消し飛んだ。援軍は望めないな?」
ノクス「冗談はそれくらいにしてもらおうかな、10万はいたと思うけど?魔力も大して消費していないようだし、はったりも大概にして欲しいなぁ」
軽口を叩いてはいるが、彼女の言葉が事実であることをひしひしと感じる。
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