共感で繋がるSNS

関連惑星

人気

関連検索ワード

新着

いぬち

いぬち

アニメ版とかでは髪とか目とか肌の色とか、あと眉毛が太ましくなる程度だったけれど舞台十二国記の陽子は割とがっつり背丈も伸びて武人王っぽくなりますのか(*‘ω‘ *)小野不由美主上も絶賛ということは狙ってのキャスティングなんだな
GRAVITY
GRAVITY6
し

#花彩命の庭 #初投稿 #タスク

『花彩命の庭』

— 色を失った姉と、色を拾い集める弟の季節 —

姉の真帆が突然仕事を辞め、部屋に閉じこもってしまったのは、
梅雨が明けて、夏の光が痛いほど強くなった頃だった。
弟の航平からすると、姉は誰よりも強くて明るい存在のはずだった。
なのに、その光がある日を境にふっと消えた。
電球が切れたように、音もなく。

姉は語らなかった。
何があったのか、なぜ仕事を辞めたのか、
なぜ朝に起きられなくなったのか。
ただ小さく、「何も色が見えなくなったの」とだけ呟いた。

“色”。

真帆は昔から、世界を色で表す癖があった。
人の気分を「向日葵色」とか「深い藍の午後みたい」とか言うし、
天気を「機嫌の悪い緑色」と形容したりもした。
航平にはよく分からなかったが、
姉にとって色は“心の温度”のようなものなのだと理解していた。

そんな姉が「色が見えない」と言う。
それは、心がどこかへ落ちてしまった証のように思えた。

医者に行くよう促しても、真帆は首を振った。
代わりに、昔話をひとつだけした。
「子どもの頃、庭で遊んだよね。
 あの家の裏にあった、やけにいろんな花が咲いてた場所」
航平は覚えていた。
――祖母の家の裏にあった、小さな花畑。
正式な庭というには雑草が多く、
“森の端に色が溜まった場所”みたいだった。
祖母はあそこを「花彩命の庭」と呼んでいた。

「ねえ航平、もう一度……行けるかな」
その声は、まるで助けを求める子どものように弱かった。

航平は、夏休みを使って姉を祖母の家へ連れて行くことにした。
車を走らせる間、真帆はほとんど窓の外ばかり見ていた。
表情は乏しい。
けれど故郷の看板が近づくにつれ、
ほんのかすかに、呼吸が深くなっているのが分かった。

祖母の家に着いたのは午後。
蝉の声が濃く降り注ぎ、空気に湿った温度がまとわりつく。
庭は手入れされないまま、草が背丈を伸ばしていた。
それでも、奥へ進むと――
かつての花畑が、半ば朽ちながらも形を残していた。

ひょろりと伸びた茎。
色褪せた花弁。
倒れた柵。
それなのに、不思議と空気だけは柔らかく澄んでいた。

真帆はしゃがみこみ、土を撫でた。
「ここ……こんなに小さかったんだ」
その声には、懐かしさと痛みが入り混じっていた。
「昔は、ぜんぶがきれいな色で満ちてた。
 朝露の音も、風の匂いも、ぜんぶ見えるみたいに感じてたのに。
 今は……何ひとつ、色にならない」

航平は返す言葉がなかった。
無力さばかりが胸に広がる。
でも、そのとき母が言っていた言葉を思い出した。
「真帆は、色で人を感じる子。
 だから色が見えなくなったら、世界が嘘みたいに感じるんだと思う」

航平は黙って、庭の端に立っていた。
ただ姉を見ていた。
すると――姉が声を漏らした。

「……航平。そこ、すこしだけ、色がある」

航平が立つ草の根本。
小さな花がひとつだけ、陽を浴びて揺れていた。
名前も分からない、雑草にも見える花。
だが、真帆にはその色が見えたらしい。
「淡い黄色……すごく薄いけど、確かに色がある」
その言葉だけで、航平は胸が熱くなった。

真帆はゆっくりと呼吸を整え、
花に触れるように指を伸ばした。
「ここ……“花彩命の庭”だったんだね。
 おばあちゃんが言ってた意味、今になって分かる。
 ここは、心が疲れた人の色を、そっと照らしてくれる場所だったんだ」

その日の午後、真帆は庭にずっと座っていた。
何もせず、何も言わず。
ただ風を感じ、土を撫で、花の音を聞いていた。

夕方、姉はぽつりと言った。
「航平、少しだけだけど……世界が色づき始めてる」

それは奇跡なんかじゃなかった。
ただ、姉の心がほんのわずかに“戻ってきた”という証だった。
色が戻るには時間がかかる。
でも、戻り始めたのなら、それでいい。
花彩命の庭は、たしかにまだ姉を照らしてくれていた。

帰り道、航平はふと思った。
――庭は消えていない。
人の中に、その人が忘れているだけで、
ちゃんと“色の源”は残っているのだと。

車の助手席で、真帆は眠っていた。
久しぶりに、静かで穏やかな寝息だった。

花彩命の庭は、いつだって遠くにはない。
心が疲れたときにだけ、静かに呼ばれる。
そんな場所なのだと、航平は初めて理解した。
GRAVITY
GRAVITY5
紫苑/しおん🐈‍⬛

紫苑/しおん🐈‍⬛

『花彩命の庭にて — 紫苑と迷う子の物語』(全6章)
◆終章〖庭が閉じる前に〗

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ふいに、遠くで鳥の声がした。

空気が、少しだけ明るくなる。
藍色と墨色がまじっていた空に、
微かな光の線が差し込み始める。

「……朝?」

少女が顔を上げると、庭全体が、柔らかく光っていた。
夜明け前だけ存在するというこの庭は、
もうすぐ、入口を閉じようとしているのだろう。

その時だった。
庭のいちばん奥ーー先程まで一輪しか咲いていなかった場所に、
少女の背丈ほどもある大きな紫苑の花が咲いているのが見えた。

風もないのに、ゆっくり揺れている。
花びらの端に、誰かの涙がまだ残っているような、透明な光。

少女はふらふらと歩み寄った。
顔を近づけると、土の匂いと、どこか懐かしい毛並みの匂いがした。

振り返ろうとして、少女は気づく。

ーー黒猫が、いない。

さっきまで膝の上にいたはずなのに。
花々のあいだを自由に歩いていたはずなのに。

どこにも、姿が見えない。

「……行っちゃったの?」

胸がきゅっと締めつけられる。
けれど次の瞬間、頬に柔らかいものが触れた。

細い布の感触。

少女が手を伸ばすと、空中でふわりと揺れていた紫のリボンが、
そっとその手の中に落ちてきた。

さっきほどけたはずのリボン。
結び目はもうない。
けれど、真ん中あたりに、あの言葉の欠片の温度だけが残っている。

ーー私は私の最大の味方。

少女は、リボンを自分の手首に巻いた。
少しきつめに、でも苦しくないように。
ほどけてしまわないよう、指先でゆっくりと結び目をつくる。

それは、自分自身と結び直すリボンになった。

庭の入口の方から、光が強く差し込んでくる。
花々の輪郭が、少しずつ淡くなっていく。

少女は、最後にもう一度だけ振り返った。
紫苑の花の海。
その向こうで、黒い影が一瞬だけ揺れた気がする。

耳元で、かすかな音がした。

ーーまた迷ったら、おいで。

#花彩命の庭 #紫苑
GRAVITY

紫苑

Saucy Dog

花彩命の庭の星花彩命の庭の星
GRAVITY
GRAVITY12
こちた

こちた

いちたちびジュの背丈になっててかわいい(*´˘`*)久しぶりのまいジャニだぁ❣️❣️
GRAVITY
GRAVITY8
あこ

あこ

未熟児で生まれた我が子…

いつの間にか、同じ背丈に💦

来年は完全に身長越されるなぁ[やば][笑]
GRAVITY1
GRAVITY20
しろちゃん

しろちゃん

今日は営業さんと展示場にクリスマスツリーを出したよ!
背丈以上のツリーで飾り付けもしてみたよ🎄
久しぶりにクリスマスツリーの飾り付けして楽しかった🤣🌈
お客さん気づいて来てくれるといいなあ
営業さんの話のネタになるといいなあ
GRAVITY
GRAVITY7
結杏

結杏

Kさんに激似のイケメンが目の前にいてドキッとした。背丈も雰囲気も似てる
GRAVITY
GRAVITY2
ꨄ︎結凪ꨄ🫧ྀི

ꨄ︎結凪ꨄ🫧ྀི

#花彩命の庭
花々の輝きに導かれるように、あなたは細い光の道を歩き出す。
空気はやさしく甘い香りをまとい、星の粒のような光がふわりと舞う。
歩くほどに、世界は深い青から金色へとゆっくり移り変わっていく。

✨ 道の先の光の中に立っていたのは──

そこにいるのは “人” というには儚く、
かといって “精霊” と呼ぶにはどこか温かさを持った存在。

背丈はあなたと同じくらい。
衣は光で編まれたように淡く揺らめき、
髪は花びらが風にそよぐようにさらりと流れていた。

瞳の奥には 四季の色 が見え、
まるで世界の移ろいをそのまま抱いているよう。

名前はない。
ただ、この庭では “あかりの守(もり)” と呼ばれている。

、、、、、、
GRAVITY
GRAVITY16
もっとみる

おすすめのクリエーター