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嫁いできて3年、町の役員の繋がりは出来たけど友達なんてものは全く出来なくて、ママ友もめんどくさくてまじで話せる人がいないから、ここで嬉しいことも愚痴も気ままに投稿してて、そんな時に軽くコメントくれる人の有り難みがすごい。

日本語めちゃくちゃだけど、めんどくせーコメント以外はまじで嬉しい。ありがとう。
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#グラで短編小説書いてみたい
#アナ小説第14話



雷火珠の淡い光が、足元の影を長く引き延ばしていた。
崖下は思っていたよりも静かだ。風はあるのに、葉擦れの音が少ない。
 俺は警戒を強めながら周囲を見回し、ある一点で足を止めた。

 散乱する枝葉。それも尋常な数ではない。頭上の木々を雷火球で照らすと、枝という枝が明らかに
 上から押しつぶされたような折れ方をしていた―――

「 レイミナ嬢、君は……この上から落ちてきたってことはないかい?」

「 えっ!?この上からですか!」

 俺の後ろをついてきていたレイミナ嬢が素っ頓狂な声をあげて、上空を見上げる。

「うーん...やっぱり私が気づいた時には、地面の上でしたから。落ちてきたのか、もしそうだとしても、どうやって落ちたのか…さっぱり分かりません」

 雷火球の光量では木々の梢がどうなっているかまでは判別できない。

「 そういえば、気づいた時は身体中痛かったですけど…硬い地面で寝てたからだとばなり…それ以上にこの場所から離れなきゃってことしか考えてませんでした」

「 そうか……。仕方ない、この上を確認するしかなさそうだな。確かこっちの方角に崖上に登る道があったはずだ。」

 俺はレイミナ嬢に向き直り、少し森の中を歩くことになる旨を伝えた。

(はぁ、屋敷の中は安全だと高を括って剣を持っていなかったことが悔やまれるな…)

 腰にあるのは護身用の短剣のみ。俺は内心で己の迂闊さを呪いつつ、努めて冷静な声を出す。

「 申し訳ないが、夜の森は何が出てもおかしくない。俺の側を離れないように少し急ぎ足を頼む。」

「 もちろんです。それに私、ドレスではなく乗馬スタイルですし、大丈夫です。」

「 スタイル…?は分からんが、確かに乗馬服を会った時から着てたな。気づいた時からなのか?」

 乾いた草を踏みしめる音が静寂に響く。昼間はあれほど騒がしかった鳥たちの声さえ聞こえない静かな森を、俺たちは話しながら歩いて行く。

「 そうですよ。気づいたらこの格好で、この女性になってましたから。」

「 …そうか。レイミナ嬢は…、その、レイミナ嬢になる前は何をしていたんだ?」

「 ニホンって言う国でOLしてました。あっOLってのは、普通に働いていたってことです。」

「 レイミナ嬢の居たところは、女性が“普通”に働くことができるところなんだな。」

「 ここは普通には働けないんですか?ヨナさんとか侍女のお仕事してると思うんですが…」

「 貴族の女性は基本働かないかな…。ヨナは貴族出身だが、元々俺とブルーノと一緒に剣を握っていたんだ。俺が男爵位を賜った時に、有難いことに一緒に来てくれたんだ。」

「 そうなんですね! じゃあヨナさん今も強いんだ!!日本にいた頃、読んでた物語もそんな感じでした!かっこいい!……そういえば、グレイヴさんは元は平民だったんですよね?」

「 あぁ」そうなんだ。と短く肯定しようとしたその時だった。

 ―――ガサガサッ。

 遠くの茂みが、生き物の気配で動いた。

 俺は反射的にレイミナ嬢を背に庇う。掌の上の雷火球に魔力を込め、球状の形を縦一直線の閃光へと変化させる。伸ばして照らした。簡易的は光の刃だ。

 音のする方へ切っ先向け、闇を切り裂くように照らし出す。

「 ……う、ま?」

 俺の背中からひょっこりと顔を出したレイミナ嬢が、間の抜けた声をあげた。

 その声に反応するかのようにカポカポと蹄の音が近づいてくる。

 確かにそれは馬だった。しかも背には立派な鞍が着いている。

(誰かが乗っていた馬…一体誰が…)

 俺は警戒を解かずにゆっくりと近づく馬を観察した。栗毛のやや小柄の体躯。手入れの行き届いた毛並みは、野生の馬ではないことを示していた。

「 おいで」

 不意にレイミナ嬢が俺の後ろから声を掛けた。

「 レイミナ嬢、まだ危険かもしれないんだぞ」

「 でも、見てください。この子、怯えてます。」

 確かに近づいてきた馬の目は不安げに揺れていた。俺は溜息を一つつき、雷火球の光を和らげて威嚇を解く。

「 よしよし、もう大丈夫だよ」

 と声を掛けながら馬の首筋を撫でてあげていたレイミナ嬢の胸に、馬はぐいっと頭を押し付けていた。まるで縋るように…

 馬の体は熱を帯び、荒い鼻息を漏らしていた。もしかしたら、主人を探してずっと森を彷徨っていたのかもしれない。

「 ……ブルル」

 小さく鳴いて、レイミナ嬢の肩口に顔を擦り付けている。―――やっと見つけた。

 言葉は泣くとも馬の仕草は雄弁にそう語っていた。

「 随分と懐かれたな」

「 ふふっそうですね。可愛いです」

 慈しむように馬の首を撫でる彼女を見て、俺の仲で一つの推測が確信に変わる。

「 レイミナ嬢が乗っていた馬なんじゃないか?その乗馬服に、この懐きよう。全ての説明がつく。」

「 えっ!…うーん…やっぱり覚えてないや。ごめんね。」

 彼女は申し訳なさそうに馬に謝りながら、鼻面を撫でた。馬は嬉しそうにしっぽを振って応える。

 俺は馬の目を見て問いかけた。

「 君にはレイミナ嬢を乗せて欲しいのだが、頼めるか?」

 すると馬は、まるで言葉を理解したように“どうぞ”と言うように頭を下げてくれやはり、相当に躾られた賢い馬だ。

 レイミナ嬢はありがとう、興奮した様子で馬の首に抱きついていた。

 俺はその隙に鞍の様子を確認すると、鞍の後ろ側に皮袋が括り付けられているのを発見した。

 開けて見ると、地図、リボンでまとめられた手紙、木箱に入った薬瓶があった。

「 レイミナ嬢、来てくれ!このリボンは君が持っている腕輪と同じ模様じゃないか?」

「 あ!ホントですね!!やっぱり、私を乗せてくれてた子なんだ!」

 荷物も鞍もそのまま――そして馬自身も無傷。奇跡的な幸運だ。

「 少し確認したいことがある。レイミナ嬢、乗ってくれ」

「 あ、はい。グレイヴさんは?」

「 この子はノクスより小柄だから、二人乗りはさすがに可哀想だからな」

 俺はレイミナ嬢を乗せた馬の手綱を引き、目的地であった崖の上を目指して歩き出した。



 ★☆★☆★



 崖の上までは、そう時間はかからなかった。

「 やっぱり……。レイミナ嬢はここから落ちたようだな。」

 崖の縁から下を覗き込む。

 斜面に生えた木々が上からなぎ倒されるように折れていた。枝がクッションになり、何重にも折り重なる葉が衝撃を殺したのだろう。よく……無事だったな。

 隣を見ると、同じように崖を覗き込んだレイミナ嬢が顔面蒼白になっていた。

 現実を目の当たりにして、自分が無事だったのが奇跡に近いと思ったのだろう。崖は即死するほどの高さではないが、正気で飛び込める高さでもない……。

「 帰ろう。確認も終わったし、手がかりもレイミナ嬢の馬と皮袋の中身と十分に手に入った」

「 は、はい。そうですね…」

 彼女の声が微かに震えている。無理もない。
 俺は努めて明るく、話題を変えることにした。

「 ヨナ達も心配しているだろう。何も言わずに突然に消えたのだから…」

 言いかけて、俺はハッと今更ながら屋敷はやばい状態になってるのではと気づき、さーっと潮が引くように、顔面から血の気が失せていくのを感じていた…。

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