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いい学校出ても、有名企業に入ってもさ

家族との接し方わかんなくて家庭が崩れて
メンタルも崩して働けなくなって、家事育児もできなくなって

こんな人生じゃ困ったもんだよ

大事なこと学校じゃ全然教えてくんないじゃんよー
受験の勝ち方知ってても、毎日の暮らしにはさほど役に立たない

サッカー部でわいわいやる能力の方が、人生やるには向いてるんじゃね

エピローグ

俺は、少し眠っていたようだ。
大阪へ向かう飛行機の中で、君と一緒にいる夢を見ていた気がする。
温かくて、心地よくて、幸せな夢だった。

でも目が覚めた瞬間、現実に引き戻される。
「君と一緒にいられる世界は、もうどこにもない」
そう気づいたとき、胸がぎゅっと締めつけられた。
――それは、残酷な夢だった。

髪を染めたいと言っていた君。
ピアスの穴も、もう完全にできて、どんなピアスでも自由につけられる。
これから君は、どんなピアスを選び、誰と笑ってそれを身につけるんだろう。
そのピアスを選んであげるのは、もう俺じゃない。

犬たちをカットする技術も、きっと日々上達している。
ポカミスしてオーナーに叱られ、しょんぼりしていた君も、
今では少しずつ、頼られる存在になっているのだろう。

「しーくん、今日のカットすごく上手にできたんだよ！」
「今ではお店のこと、何でも一人でできるんだよ！」
――そんな報告が、いつか来る気がしていた。

「また一緒に行こうね」って約束した、つるとんたん。
太陽のトマト麺、何度も通ったかっぱ寿司。
いつか行こうねと言ってたUSJ、大阪万博、新エリアができたらまた行こうねと笑い合ったディズニーシー。
叶えられなかった約束ばかりが、思い出の中で色を変えていく。

「またビリヤードしたいな」って言ってたのに、連れていけなかったね。
君が歌う「未来予想図II」を、もっと聴きたかった。
そして――隣で一緒に、歌いたかった。
卓球のスタンプカードも、最後まで埋められなかった。

5年前、君が教えてくれたOfficial髭男dism。
何も考えずに聴いていた「Pretender」が、
今では俺の胸を締めつける。

君の運命の人は僕じゃない
辛いけど否めない
でも離れ難いのさ
君のいない事実に cry…

楽しそうな若いカップルを見るたびに思う。
「本当は君は、こういう年の近い彼氏と楽しみたかったんじゃないか」
「俺は、やっぱりズレた存在だったんじゃないか」

別れて3週間。
今でも、毎日涙が止まらない。
それは、復縁を望んでいるからじゃない。
4年半も心を通わせたのに、君の“これから”の隣にいる相手として、俺は選ばれなかったこと。
その事実に、まだ心が追いついていないだけなんだ。

「最近こんな楽しいことがあったよ」
「今日はちょっとしんどかったな」
「君は元気にやってる？」
そんな、他愛もないやり取りさえ、もうできない。

一生会えなくたって構わない。
毎日の連絡なんていらない。
でも、数年に一度だけ――ふと連絡を取り合えるような、
そんな遠い友達でいられたら、って願ってた。

けれど今は、警察の通告によって、君への接触は禁止されている。
思い出が詰まった飯田にも行けず、連絡も許されない。

もし破れば、また君が警察に相談するかもしれない。
そうなれば、きっと俺の名前はニュースで報じられてしまうだろう。

卓球だけじゃない。
もう二度と、君と言葉のラリーもできない。

全部、あの別れ際のLINEがきっかけだった。
君を怖がらせるような言葉を、投げてしまった。
たった1時間で、4年半のすべてが崩れてしまった。

俺は、どこで間違えたんだろう。
別れが必要なことは、ちゃんと理解していた。
だからこそ――どうすればお互いが前を向けるか、
どうすれば、思い出を温かいまま残せるか。
それだけを考えて、最後の1ヶ月を過ごしていた。

俺も、限界だった。
でも、君はきっと、もっと前に限界を超えていたんだね。

ごめんね。
こんな別れ方にしてしまって。

ちょうど1年前の今日――
君と初めて、夢のような時間を過ごした日。

ディズニーシーの光と音、風の匂い、
肌寒い夜に寄り添いながら見た水上パレード。

あの日交わした「また来年も行こうね」という言葉が、
こんなにも切なく、遠いものになるなんて思っていなかった。

叶わなかった約束は、
それでも確かにあのときふたりの間に存在していて――
今でも、胸の奥で静かに輝いている。

俺の想いよ――この詩とともに、
どうか君に届いてくれ。
もし奇跡的に届いたなら、
君の記憶の片隅に「心の友」として、そっと置いてもらえたら嬉しい。

LINEのブロックを、そっと解除して。
友達リストに、俺の名前が表示されるだけでいい。
俺から連絡をすることはない。

でも――
君が本当に困ったとき。
大きなお金が必要になったとき。
誰にも相談できず、一人で抱えきれない夜がきたとき。

「助けて」って言ってくれるなら、
俺はきっと、迷わず飛んでいく。

さて、あと何年、俺はこの想いと戦っていくんだろう。
頑張れ、俺の心。
どうか、折れないで。

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