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まぁ
この後、すこーしだけジョギングを試みた
おれ、結構偉い👏

ㅤ
アクア−Devil
タイトル:**「ひねもの」の相続税**
大阪の古い商店街の奥、看板も半分剥げかけた「古美術 ひねもの堂」。
店主の泰三(たいぞう)は78歳。腰が曲がってはいるが、目はまだギラギラしている。
店の奥には埃まみれの桐箪笥、戦前の軍刀、謎の茶釜、誰が買うんだかわからない明治のブリキのおもちゃ……そんな「ひねもの」ばかりが所狭しと並んでいる。
ある日、泰三は長男の修司(しゅうじ)に電話をかけた。
「オレ、医者に余命半年って言われたわ。
だからもう店、畳むつもりや。
お前が継ぐか、全部売って現金にして分けるか、どっちか決めぇ」
修司は42歳。かつては父親の店を手伝っていたが、今は小さなIT会社でシステム保守の派遣社員をしている。
給料は安いが残業も少なく、なんとか暮らせている。
正直、骨董品なんか触りたくなかった。
「……父ちゃん、それ相続税かかるんちゃうの?」
「かかるわ。評価額で言うたら多分2億弱くらいになるらしい。
現金で払える額ちゃうから、物売って税金払って、残ったもんをお前が継ぐか、全部売って分け前もらうかやな」
修司は一瞬、頭の中で計算した。
2億の評価 → 相続税基礎控除後で1億ちょっと → 税率40%前後 → 税金4000万~5000万くらい?
「……父ちゃん、それ払うために店の在庫全部売っても足りひん可能性あるんちゃう?」
「せや。だからオレが死んだら、お前が『ひねもの』を全部現金化せなあかん。
でもな、売るのに3年かかるかもしれん。5年かかるかもしれん。
そんだけ時間かけたら、もうお前40代後半やで。
その歳から骨董の世界に本気で戻れるか?」
修司は黙った。
その夜から、修司の中で何かが壊れ始めた。
会社に行く電車の中でも、昼休みのコンビニ弁当を食べながらでも、頭の中は常に同じループ。
「あと何年働いても、5000万貯まらん。
父ちゃん死んだら一瞬で借金まみれになる可能性すらある。
だったら……もう働く意味、あるんか?」
翌週、修司は会社に有休を連続で申請した。
上司に「体調不良でしばらく休みます」と言った。
本当は「心が死にました」と言いたかった。
それから修司は、ほぼ毎日実家に通うようになった。
ただし、店を手伝うためではない。
店の2階の自室に布団を持ち込み、昼間はずっと寝転がって天井を見ていた。
夜になるとスマホでパチンコ動画を見たり、競馬の的中実況を眺めたり。
「どうせ相続税で全部持ってかれるなら、もう働かんでもええよな」という考えが、どんどん肥大していった。
泰三はそんな息子を見て、ため息をつきながらも何も言わなかった。
ただ、ある晩、ぽつりと言った。
「修司。お前がそんな風になったんは、わしのせいやな」
「……ちゃうよ。相続税のせいや」
泰三は苦笑いした。
「せやな。国の制度が、お前から働く気力を全部吸い取ってもうたんやな。
皮肉なもんや。
オレが一生懸命集めた『ひねもの』が、逆に息子の人生をひねくねてしもた」
半年後、泰三は静かに息を引き取った。
修司は結局、店を畳まずにいた。
在庫を少しずつ、ネットオークションとメルカリとヤフオクと、できるだけ高く売れる場所に分散して出品し続けた。
税理士に言われた「できるだけ長期間で売却した方が評価下がる可能性がある」という言葉だけを信じて。
でも心はもう、完全に折れていた。
店のシャッターを半分だけ開けて、
埃っぽい店内で寝袋にくるまりながら、
修司は時々つぶやく。
「これ全部売れたら……俺、何のために生きてるんやろな」
ひねもの堂の看板は、
今も商店街の奥で、
かすかに揺れている。
(了)


まさ

ひろこ
ぱんちょ

ふまー

まっく
ごめんね………
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