私たちは目に見えない力を空想し、それに対する恐れを抱くことがある。もしその空想が公に許されている言説から想像したものならば、それは「宗教(religion)」となり、許されていなければ「迷信(superstition)」となる。もしそのような目に見えない力が、私たちが想像するがままに存在するならば、それを「真なる宗教」と呼んでもよかろう。しかし問題は、私たちにそれを確かめる手段はないということである。いずれにせよ、宗教と迷信を感情論において扱い、恐れに還元している点にホッブズの特徴がある。