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価値観がただのこだわり、我儘という
単調な言葉一つで片付けられてしまうことが
酷く悲しい。これは未熟であるという
前提を置いた上でやはり、人に理解される
というのは難しいのだろうな、否定されて
しまうのだろうな、と強く感じるものだ。

人は、その人であるために様々な工夫を
して生きている。ある人は推しを眺めて、
またある人は一人部屋に閉じこもって、
他にも好きなことや、全力を尽くすこと、
論理的な思考であることを自分の核として。
私は、その核をずっと明確に持つことは
未だできずにいる。もちろん少しずつ、
形作ってはいるとは思うが。
そんな中で、核の代わりとして、自身の価値観
に基づいて行動をしているものがある。
それが「人に干渉されない」ということ
である。

私にとって安心できる場所というのは
極端に少ない。もはや存在しないと言って
差し支えないだろう。けれどそれは仕方の
ないことだと理解しているため、ただ過ごす
ことは大きな問題の中の一つでしかない。
だが、それをリセット、または整理する
という役も必要になってくるわけで、私は
そこに関して、誰にも干渉されず自分の
安全な基地として行動として納得のできる
ものを作ってきた。当然、何にも
伝えたことはない。

しかし、人に興味のある人間であればあるほど
そういったものには気づき、何か言葉を注ごう
とはしているもので。
世の中ではそのようなものを「心配」という。
心配は美徳である。それを心からできる人間は
まさしく善人であり、いい人である。事実、
いいこと、である。
私はそのいい人の「いいこと」と価値観が
対立した、というのが今回の発端だ。

基準を効率的や愛情など、多くの人々が信じ
私自身も価値があるというのを理解している
その要素に注ぎ込むのはなんらおかしなこと
であるとは思わない。否定されるのも、まあ
わかる。禁止されていることも理解する。

ただ、これを変えることはできないという
ものは残念ながら私の中ではある。
心配という「いいこと」を私にする必要は
ない。その「いいこと」で価値観を変える
ということになるのであれば、それは社会的
効率的に見てよくても、何もいい事
ではない。決して、心配する人のいいこと
＝対象のいいに繋がる　とはならないのである

苦しみは、一人で抱えられないから誰かと
共有するものである。だかしかし、話す人を
選ばない人は少ないと思う。ましてや悩む
人間であるならば。
どんな人間でも生きるために必死の足掻きと
して方法を考える。生き延びる方法を。
たとえ生きたくなかったとしてもだ。
他者の迷惑にならないために、価値観を否定
してでもそうあるために、人は考える。

私は酷く、「いいこと」が嫌いだ。
いいことは、許される。救うわけでもない
割に、必死に生きるため食いしばった馬力を
制限し、それによってより苦しんだ人間の
生き方を「いいことではない」「わがまま」
と判断する。

表面的な理由でしか知見を得られないのなら
いいことを道具に使うことはひどく残酷だな
と私は思う。いいことは崩れない。いいことは
正しい。いいことは免罪符。否定できる
ものではない。誰が使ってもそうなる。
だからこそこの凶器たり得るものを頭ごなし
に使っている人間が、私は苦手だ。

救ってほしいわけがないが、たとえば
私の価値観を理解したとして、救えないと
分かっていながら否定するというのは
それこそ無責任、とはならないのだろうか。
私は根本的に一つ、見つけた事がある。
人は結果的には自分によって救われる
のだ、と。結局そうであると思うのである。
人が何を言うのも、止めることはできない。
だってそれはその人の価値観だから。
生き方だから。
だからこそ思う。私が否定できないと
感じるものを、平気で何の理由もなく否定
している人々が、大嫌いだと。

尊重が何を指しているのかはわからない。
けれど、どうしても、許せない。
他者の人生をなぜ他者の方法で生きさせない
のだろうか。そのうち、生きていることの
理由なんてわからなくなった。
酷く苦しく、絶望した。

なにも彼らは悪いことをしていない。
それは正しく愛の形で「しあわせ」である
はずだ。ただ、酷く胸が冷たい。
いい、って一体なんだろう。そのいいが
わたしを救ってくれないなら、やっぱり
温かさにはなり得なくて。
どうして、どうしてなんだろうなあほんと。
幸せなんて、どこにあるのかなあ。
一人でいる方が幸せだったのかなあ。
親を愛せなくて、生きててごめんなさい。

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