『六本木クロッシング2025展:時間は過ぎ去る わたしたちは永遠』森美術館が、3年に一度日本の現代アートシーンにフォーカスする展覧会。今回は、「時間」をテーマにアーティスト全21組が出品。「段ボールやパッケージの切れ端で作られた地下鉄の出入口」が見たかったので、寒空の六本木に。展示会場に入ると、さっき通過してきたはずの六本木駅の入り口や、裏路地の風景が広がっていた。でもそれは、ちょっと歪んでいたり、傾いていたり、ヨレていたりもする。まるで都会の喧騒に疲れ切っているかのような、おかしな夢の世界に迷い込んでしまったような、とても不思議な感覚になる。しゃがんで作品を近くから観察すると、所々でパッケージの文字やラベルの塗り残しがあることで「あぁ、作り物なんだな」と思い出させてくれる。立ち上がって改めて作品を眺めていると、だんだん作品とフロアの境目が曖昧に感じてくる。もしかしたら、このフロア自体も段ボールで出来ているのかもしれない。もしかしたら、六本木ヒルズも、この53階も全て段ボールで出来ていかもしれない。段ボールの歯車たちがボコンボコンと組み合いながら、段ボールのエレベーターを上げ下げしているところを想像しつつ、ビルを後にする。現実の六本木駅の地下入り口に触れてみると、冷たく硬く、すすの匂いがした。ゼネコンが作るよりも、ズガ・コーサクさんとクリ・エイトさんが作る世界の方がずっと楽しそうだけど、段ボールが足りるかな…と思いながら六本木を後にした。