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トマト

Yori kun
君)ヨリさ〜ん、キスしたね〜、ナンデしたぁ〜?
ふざけたトーンで君が言う。
僕)んー。なんでだろう。
純粋に君が好きと言う気持ちが抑えられなかったと言う事。
それと僕は君の気持ちを知っていても行動で確認したかったのかもしれない。
君)ふーん、ソッカ!でもウレシカッタ!
僕)僕もだよ、僕は安心したんだ。
君の気持ちと行動で確信したからね。
君)なに、本当は会う前からキスするぞ!って考えてた?笑
君のイタズラな表情が手に取るようにわかった。
僕)それはないよ、会ってもらえるかも分からないで、僕は会いに行ってるわけだし。
本当にこんなことになるなんて考えてなかった。
だけど、僕がこのまえ君に薔薇を渡した日。
あの日は正直、キスをしそうになった。
けど、2人ともお酒を飲んでいたでしょ?
だから、最初のキスはお酒を飲んでない時!
それは密かに心の中で決めていたんだ。
君)そっか!それ、メチャいいですねー!
ねー、なんでワタシがヨリさんに毎日電話するかわかる?
電話はいつもワタシから。
僕)声聞きたいとか?
本当に何故が理解できなかった。
君)もちろんそれもある。
だからワタシはヨリさんの
声聞きたいとか〜
今何してるかな?ご飯食べたかな?今日は何してどんなことあったかな?
聞きたい、知りたい!思って電話するよ!
なのに、ヨリさんは電話に出ると、
「もしもし」後すぐに、「どうしたの?」とか「何かトラブルでもあったか?」とか聞くよ。
そうじゃないよ、ナニコレー!オカシイデショー!笑
何も無いけど知りたいから電話する!
コレ、愛情表現だよ〜
ナンデ、分からない!?
今からテレビ電話するよー
僕)確かに〜分かったよ〜
何も無いのに連絡来るなんて
暇電とか日本語レッスン代わりなのかとも考えたよ笑
僕は鈍感なの、他の国の文化は知らない、なんなら日本の事もよく分かってないけど、
僕は異性から好意を持たれていてもあまり気付けない事が多いよ。
君はいつもストレートに思ったことを言うのに、
なぜそこはストレートじゃないのか理解が出来ないよ笑
そう話してる間にテレビ電話に切り替わった。
そこには自宅でソファに座ったラフな格好をした笑顔の君が映り込む。
少しセクシーだ。
僕も君がみれて嬉しいのと照れくさいので笑ってしまう。
君は「はぁ〜い👋🏻」と手をふり嬉しそう。
君)確かにワタシの国ではストレートに言う人多い。けど、人によります。
僕)そりゃそうだ笑
日本人はシャイだと思われてるけど、それも人によるからね笑
君)フーン。そなんだ。
ヨリさん、週末、海を見たいな。
君の話はいきなり話しが変わる事が多い。
僕もだけどね。
僕)うん、いいよ!あ、違う!「いいね〜!」
この前、「良いよ!」と、「良いね!」のニュアンスが違うと指摘した僕が間違えた。
君)ナニコレ〜!!良いね〜!間違えて、ダメジャーン!と笑って君が言う。
週末になると僕はいつものように君を迎え行った。君はいつも時間通りには来ない。
これは国とか文化の違いのせいにはするのをやめて、そう言う人もいる。
そう飲み込んだ。
君)今日は満面の笑みで僕の車に手を振りながら向かってくる。
僕)今日は海だね、君に見せたい夕日があるからそこの海に行くよ!
あ、そうだ、君はプリンは食べれる?
君)うん、ワカタ!
ワタシはなんでも食べるよ!
と言っても君は顔がついてる魚は目が怖いからシラスは食べないと言ったり、匂いの強いものは食べなかったりするのを僕は知っているから念のため聞いた。
君)あまり食べる文化も習慣もないけどプリン食べれるよ!
僕)じゃ、夕日まではまだ時間あるから先にプリンの専門店が近くにあるからそこでプリンを食べよう。
君)良いね〜!
君は行きたいところとか、何が食べたいとか分からないと言うから君からデートの誘いはあってもプランの提案はないのだ。
だからプランは僕が考えて当日発表し、君に承諾を得るスタイル。
気に入らなければプラン2を提案し対応している。
だからいつもふた通り考える。
君の住む街から海までは1時間のドライブ。
君)ねー、ヨリさん、プレゼントがあるよ。
これ車につけて!
君が手渡してきたのはアヒルの首に長い紐が縛ってあって、アヒルの目は×になっているストラップ。
僕)なにこれ笑
思わず聞いてしまった。
僕)こんな首を吊ったような縁起の悪いストラップを車に付けろって、死んで欲しいのかと思ってる?
君)あははは!違うよ、そんなわけ無い!
コレをバックミラーにつけたらカワイでしょ?
これはお姉さんとか大切な人にだけあげた!
お姉さんはカバンに付けた。
僕)カワイ?かな?笑
苦笑いになっていた。
全然僕の好みじゃ無いし。
でも、大事な人だけにあげるものを、要らないとは言えなかった。
君)これは紫外線チェッカーです、アヒルの白い体が紫外線を浴びると真っ赤に変わるんだよ!
君がなんで楽しそうに話してるのか理解できないままだ。
僕)わかった、バックミラーにつけてみるよ。
実際につけてみると可愛くも無いしオシャレでも無い。
なんならフロントガラスがUVカットなので、
アヒルは少しも赤くなることは無かった。
君)アレー?赤くならないね?なんで?
こんなに晴れてるのに!
僕)フロントガラスがUVカットだからじゃない?
君)ええ!すごいじゃん!
このガラス優秀ね!
そう言って君は来週変更すると言ってた長く伸びたネイルの爪でカチカチカチっとフロントガラスを叩いて笑った!
僕)多分だけど、どの車もそうだよ笑
しかも僕の車は25年前の古い車だから、今の車はもっと良いガラスで当たり前にこうなってるはずだよ。
君)えー、知らなかった!
僕)とりあえず紫外線のチェックはできなくても、車のフロントガラスが優秀なのはチェックできたね笑
君)ソデスネーー!
って少し笑っていたけど、残念そうだった。
トンネルを抜けると一気に海が広がった景色になる。
君)わぁー!!
海だー!良いねぇー!
急に子供のような声を上げた。
僕)キラキラしてキレイですねー!
って小さい子供に言うように揶揄う。
もうすぐ着くよ!
最初の目的のプリンの専門店に到着し、2人で店内に入った。
君も1人で注文はできるが、いつもまとめて僕が注文する。
君は栗のプリンで、僕はオーソドックスのプリンを頼んだ。
客席もあるが、今の時間帯はテイクアウトのみだったからプリンを買って目的の海の前で2人で食べた。
君は栗のプリンを一口食べたら、嬉しそうに美味しいー!と少し大きめの声で僕を見た。
僕)良かったね。僕の方は食べてみたけど普通だ笑
専門店だからプリンは普通のプリンが美味しいと思っていたので、変に栗やさつまいもやチョコなどで味付けされているものを、あえて避けたのに失敗した。
君)栗は美味しいよ、ほら!
そう言って君はスプーンで栗をすくい僕の口に運んできた。本当に美味しい。
僕のも食べてと、今度は僕が君の口に僕のプリンを持って行く。
君)本当だ!ヨリさんの普通だね!笑
2人でプリンを、吐き出すのを我慢しながら笑った。
よく笑う2人。
やってることはもはやカップルだなぁなんて思ってると、顔がずっとニヤニヤしていた。
君は僕の口に運んだ栗のプリンが美味しくて僕がニヤニヤしてると思っただろう。
もちろん実際に美味しかったのは事実だ。
少しビーチを手を繋いで散歩した。
何気ない事の幸せを知り、特別な事は求めない。
こんなことがずっと続けば良いと思った。
君はどう思っているのだろうか。
ビーチでは犬を連れて散歩してる人、もう暑くはないのに波を、身体で受け止めて遊んでる子供、裸のような水着の外国人。
君はすれ違う犬、全てに手を振りカワイネー!と挨拶をしていた。
日が落ち始め美しく海が夕陽の色に染まる。
僕たちは、近くのベンチに座り美しくオレンジに輝く海を眺めていた。
君)本当キレイね!
僕)うん、ほんとだね。
同じ景色を一緒に見れる事も嬉しい。
けど、君の方がキレイだよ。
冗談ぽく、笑って言ったので、
君)ナニソレー、、オカシイじゃーーん!
君が求めてた回答と違ったようだった。
それもおかしくて僕はまた笑う。
夕日は少しづつ雲に隠れて見えなくなった。
僕)あぁ、雲に隠れちゃったね、
君)うん、でもキレイなのは見れたから大丈夫!
僕)そうだね、
君)夕方とか夕日は本当はワタシ悲しい感じがあるよ。だからあまり好きじゃなかった!
だけどもう違うよ。
僕)その気持ちはわかる。
なんか、とても良い時間だ。
ねぇ、君は幸せか?
突然の問いに、迷いもなく君は答える。
君)ワタシ日本に来てからずっと幸せ!
でも今はヨリさんがいるから、もっと幸せ!
僕の想像の上を遥かに超えた回答にびっくりした。
僕)君が幸せなら僕はもっと幸せだ。
君)今ワタシは友達も大事!だけど、友達との時間よりヨリさんと会うことが1番大事な時間!
幸せか?と聞いただけでこんなに話してくれるとは思わなかった。
嬉しすぎて君に抱きつきたいくらいだったけど
笑顔で「嬉しいな。」
そう返すのが精一杯だった。
僕たちが海をみてベンチに座っている背中側には海沿いの道路。
道路の信号が青に変わり車が走り出す音がした。
君は僕の握っていた手を解いたので、
僕は君を見る。
雲の隙間からオレンジから赤に変わった夕日の光が彼女を照らしていた。
君は僕をみて、
顎を少しあげて口を差し出すように
ゆっくりと目を閉じた。。
僕にはありあまる。
ロマンスが有り余る。
少し贅沢をし過ぎたみたいだ。
この先が不安なほどに。
#音楽をソッと置いておく人 #ひとりごと #妄想

ロマンスがありあまる
