ミア・コウト『夢遊の大地』、とてもおもしろかった。幾人もの夢をひとつの鍋に入れ、ゆっくりとかき混ぜながら少しずつ味見をしていくような、ストーリーの筋はところどころよくわからなくなるのだけれど、しかしそこには終始、耳を澄ませ聴きたくなる物語の声が響いていて、夢中で最後まで読んだ。
ミア・コウト『夢遊の大地』を読みはじめる。アフリカ文学って(という大きな主語はあるいは適当でないのかもしれないけれど)、比喩だったり文章のリズムだったり世界の捉え方が、欧米や日本の文学といったいわゆる馴染み深いそれらにない独特さと、なぜか懐かしさもあって、読んでいるだけで楽しい。