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プラカードのために（大阪　国立国際美術館）

社会の中で行き場のない声をすくいあげ、表現するための「大衆のエネルギーを受け止められるだけのプラカード」の誕生によって社会を変えるという構想。芸術家・田部光子が1961年に唱えた「たった一枚のプラカード」という構想を起点とし、現代の芸術家の作品を通じて、社会の中で覆い隠されてきた様々なモノや人の抵抗や反逆の表現を見ていく展示。

最初の感想は「田部、何を言っているんだ…」だったけど、展示がすごく面白かった！！

田部光子《プラカードのために》（1961年　2枚目）
襖を支持体にしたコラージュ作品。作家自身のキスマークや荒々しく破られたチラシ、乱雑に配置されたマネキンの頭髪から分かるように、かなり身体性を強調した作品。

田部光子《Sign language》（1996/2010年　3枚目）
人種や母語に関係なく、他者とコミュニケーションを可能にする言語としての手話の可能性を問う作品。その時々の情勢によって、真ん中のリンゴと枠組みのコラージュが変更されて来たらしい…

笹岡由梨子《Working Animals》（2025年　4枚目）

リサイクルの素材で再生された、まるでサイボーグのような動物ののぬいぐるみたちが合唱しながら、鑑賞者である人間に労働の意味を問いかけるインスタレーション。

こんにちは！今日から君は僕のお父さんなんだ
無視するな掃除しろ飯をくれあー
愛しておくれ愛しておくれよ
教えてくれや労働　教えてくれや労働　教えてくれや労働

この歌をひたすら繰り返すぬいぐるみたち。鑑賞者に動物を支配してきた人間の歴史を突きつける。と同時に、「無視するな掃除しろ飯をくれ」と呼びかけられることで、人間に動物をケアするという強制的な立場が背負わされる。雇用者／労働者、ケアする側／される側という一方向的な関係を暴く、かなり暴力的な作品。

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