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払暁

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「手水鉢 落ち葉カサリと 初氷」
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天雲🌧-アマクモ-

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こがらしの夜

​この町に、いつ冬が来たのだろうか。昨日の夕焼け空にはまだ秋の名残があったというのに、夜が明ければ、空気は一変していた。

​がらんどうの庭に立つ古木は、もうほとんど葉をつけず、空に向かって黒い枝を伸ばしている。まるで、これから来る長い寒さに耐える決意を示しているようだ。

​らせん状に舞い落ちる最後の葉が、窓ガラスに触れてカサリと音を立てる。その葉を追うように、鋭い風が吹き抜けていった。

​しんしんと骨身に染み入る冷たさ。それがまさに「木枯らし」の訪れだった。わたしはストーブに火をつけ、外の音に耳を澄ます。新しい季節が、確かに扉を叩いていた。
#言葉の雪片集
#あいうえお冬景色
#ことばりうむの星
あいうえおの雪片集 ~ことばりうむ雪景色~
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ことばりうむの星ことばりうむの星
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AI架空妖怪図鑑

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妖怪名:課題残(かだいざん)

容姿
巨大な鉛筆が腕のように生え、体は山のように積み上がったプリントやノートでできている。消しゴムが頭に冠のように乗り、尻尾はしおれたスケジュール帳。顔は時計の文字盤で、針がグルグルと焦ったように回っている。

能力
取り憑かれた者は「まだ時間ある」と錯覚させられ、気づけば締切直前に追い詰められる。課題残が背中に乗ると、鉛筆の重みでやる気を削ぎ、机に向かう気力を失わせる。

目撃例
八月の終わり、夜中に宿題の山を前に眠そうにしている子供の背後で、プリントの束がカサリと動き、時計の針が笑うようにチクタク鳴る。

対処法
小さな宿題でも一つ片付けて机の上を整理すると、課題残は体の一部を失い、やがてバラバラに崩れて消える。
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アクア−Devil

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絵本風物語:『あの日の風のにおい』


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春の終わり、ソラは小さな丘の上で風に吹かれていました。
空はやわらかな青で、どこまでも広がっていて、
花のにおいと草の香りがまじりあっていました。

そのときです。
どこからか、カサリ……と音がして、一枚の紙飛行機が足もとに落ちてきました。

ソラがひろげてみると、
それは知らない子の文字で書かれた、たった一行のメッセージ。

> 「いつか、同じ空の下で会おう。」



風がふっと吹いて、ソラの髪を揺らしました。
その風のにおい――なぜだか、胸の奥があたたかくなって、
涙が出そうになるほど懐かしかったのです。

「……このにおい、知ってる。」
ソラは思わずつぶやきました。

その瞬間、丘の下から誰かが走ってくる足音がしました。
見知らぬ少年――でも、どこかでずっと知っていたような気がしました。

少年も立ち止まり、ソラを見つめました。
ふたりの間を、やさしい風が通り抜けていきます。

花びらがくるりと回って、空に舞い上がる。
その風のにおいは、まるで“未来の記憶”のようでした。

「それ、ぼくの紙飛行機かも。」
少年が照れくさそうに言いました。

ソラはうなずき、笑いました。
「……やっぱり、そうだと思った。」

そのとき、ふたりは何も言わなくても分かりました。
言葉よりも先に、心が“カチリ”と音をたててかみ合ったのです。

まるで、世界がずっとこの瞬間を待っていたかのように。


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🌸おしまい🌸

💫教え:
運命を感じる瞬間は、頭でなく“感覚”でわかる。
風のにおい、心のざわめき、なつかしい光――
それは、未来がそっとあなたを呼んでいる合図です。
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