秋の夜長のゴーリー祭〜今年の新刊まだですかSP〜鉄分強壮薬タイトルから内容が分からないシリーズの1冊。なんか挑戦的なイラストの見せ方してるよね?どこかをズームして…でも今この場面をズームしてる訳では無いから、昔の絵画とかで見られた1枚の絵の中で時間の流れを見せる技法のゴーリーさんverなのかも?陰鬱な空気と対照的にどこか呑気そうに見える登場人物…社交を避けるもの達は〜の所にちっちゃく見える白い人物とか…がほんわかして好き。あと唐突に降ってくる小物達がいつもよりシュールさを増してていいなって思った(こなみ)。華々しき鼻血副詞が主題となったアルファベットブック。1枚1枚その前後が気になるイラスト&テキストでページをめくる手が止まりまくる。察するに トランクのなか。なんて短いのになかなかゾッとできていいなと思った。あとぞんざいに供されたプディングね、こっちは面白い系やけど…ウェイトレスさんのどこみてんねんって顔とおじさんの豆鉄砲食らったような顔がツボ。そういや秘密裡に〜のおじさん、何となくおぞましい二人のハロルドに見えたんだけど…まさかねー?ウィローデールの手漕ぎ車何となく優雅に〜と憑かれた〜を合わせた感じがして好き。あと話がわかりやすいね。旅に出た3人が出会う奇妙な事件や誰かの人生の一場面…でそこにちょっとした奇妙さはあるんだけどまだ現実離れしてない感じなのに突然のこのオチ!急にサスペンス。一応物語のサブ要素として誘拐事件?に関わりあってたし酢製造所での不審な影もあるから伏線みたいなのはあったのか?(そもそもゴーリーさんの本に伏線なんて考え自体ナンセンスな気もするけど!)失踪前に何があったのか気になるよ〜!それに対してブラックドールはどこかに無事帰還しているし…ここもミステリーだね。であとがきでも触れられていたbarney Oldfield〜を見たけどモチーフが要所要所に見えてこれも面白かった。動きがコミカルで分かりやすいってのもあるし。失敬な召喚韻文が印象的なタイプの本。(訳の仕方もあるんだろうけどね!)悪魔が何とも…可愛いやら情けないやら、というかレディが悪の素質ありすぎるね。偶然魅入られた感じなのにまさかこんなにメチャクチャをするとは思わなかったんだろうな…笑。青い煮凝り普通に読んだので成功して華やかな世界に身を置くヒロインと対比してそのヒロインの為に?惨めで鬱々とした生活をする男…この歪が大きくなって起きた悲劇という感じがしました。日本刊行の時系列で言うと金箔のコウモリ以来の憂鬱になる本。しかしゴーリーさん的には冗談をふんだんに込めたらしいのでそんなに重たいものじゃないのか…?表紙からしてサロメっぽいけど別段悪女感はなかったし(逆に男もヨハネっぽくはない)、この辺りからネタがぎっしり詰め込まれている可能性もあるのかな…分かったら今以上に面白いんやろなぁ…まぁこの世のひとりとしてそれを楽しめない訳ですが…。