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◆絵本風物語：
「リスくんとひかりのデスク」――長文版
（テーマ：機能的なデスク整理のステップとポイント）

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森の奥の奥。
高い木々がささやき合う場所に、小さな赤い扉の家がありました。
そこに住んでいるのは、いつも明るいけれど少しだけ散らかし屋のリスのルルです。

ルルの部屋には、木の実のスタンプ、森の仲間からもらったメモ、
どこかで拾った石、半分だけ使った紙束…
たくさんのものがデスクに積み重なり、
山のようになっていました。

「ええっと…昨日書いたメモはどこだっけ？
　あっ、ペンが見つからない！…ひゃっ、木の実が転がっていった！」

朝からバタバタ、大騒ぎ。
けれどルルはもう気づいていました。
“このままじゃだめだ。ちゃんと整理しなきゃ…”
そんな思いが胸にうずまいていたのです。

そのときでした。
窓の外から、ふわりとあたたかい風が吹き込みました。
オレンジ色の光がすべりこむように部屋に広がると、
そこには小さな羽の生えた妖精が立っていました。

「こんにちは、ルル。
　私は“整理の妖精” ヒカリ。
　あなたのデスク、ちょっとだけ魔法をかけるお手伝いに来たのよ」

ルルは目をぱちぱちさせながら、コクリとうなずきました。
こうして――“機能的なデスク” をつくる大冒険が始まったのです。

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◆１：最初の魔法は「全部出す」

「まずはね、デスクの上のものをいったん全部外に出すのよ。
　これは、心の霧を晴らす魔法なの」

ヒカリさんがそっと手をふると、
デスクの上のものたちが青白い光に包まれ、
ふわりと宙に浮き上がりました。

それはまるで、たくさんの小舟が空に旅立つみたいでした。

ルルは思わず口をぽかーんと開けて叫びます。
「ぼ、ぼくのデスクって…こんなにものがあったの！？」

紙の束が山になり、色とりどりの葉っぱメモが散らばり、
謎の石や木の実がカラコロと音を立てています。

「全部出すとね、全体が見えて、心まで整理できるのよ」
ヒカリさんの声はやさしくて、ルルは不思議と安心を覚えました。

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◆２：ものたちと“心でお話”する時間

デスクから降ろされたものたちは、床の上に大きな円を描くように並びました。
ヒカリさんはルルの肩に手を置き、言いました。

「さあ、ルル。
　一つ一つ手に取って、心に聞いてみて。
　“いまの自分に必要？” “また使う？” “ときめく？”
　心はね、とても正直なのよ」

ルルは木の実スタンプを手に取りました。
「これはよく使う！残す！」
声に迷いはありません。

つぎは去年の落ち葉メモ。
色はくすみ、もう文字も薄くなっていました。

「これは…ありがと。でも、もう使わないかな」

ルルはそっと微笑んで手放しました。
心がすうっと軽くなるのを感じます。

変な形の石を拾い上げて悩みます。
「これ…好きだけど、何に使うんだろう？」
するとヒカリさんは優しく言いました。

「悩んだものは ‘保留の箱’ に入れていいのよ。
　焦らなくて大丈夫」

こうしてルルは、必要・不要・保留の３つに分けていきました。
“選ぶ”ことは、心の整理でもあるのです。

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◆３：見える化するための“小さなお家づくり”

「次はね、置き場所を決めるの」
ヒカリさんはぱちんと指を鳴らしました。

するとデスクの上に、小さな家のようなケースがぽんぽんと現れました。
屋根のようなフタがついたもの、引き出しのような箱、
透明の家に、木の家。

「ここはペンの家。
　こっちはメモの家。
　スタンプは特別な ‘木の実ハウス’ にしましょう」

ルルはワクワクして仕分けを始めます。
「これなら迷子にならないね！」

ヒカリさんはうれしそうに言いました。
「ものはね、定位置があるだけで、探す時間がゼロになるのよ」

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◆４：動きが“最短”になる黄金の位置

「ルル、よく使うものは“手が自然に伸びる場所”に置くのよ」

ヒカリさんが言うと、ルルの前に柔らかな光の円がふわっと広がりました。
「ここが ‘ゴールデン位置’ よ」

ルルは驚きました。
そこに置いたペンやメモには、
まるでひっつき虫のように手が自然に伸びるのです。

「ほんとだ…早い！」
ルルの尻尾が勢いよくふりふり揺れました。

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◆５：“最後の１分”の魔法

夕暮れが森に落ちてきたころ、ヒカリさんが言いました。

「ルル、整理で一番たいせつなのは、終わりの１分なの。
　今日使ったものを、元の家に帰してあげるだけでいい」

ルルは少し考えました。
「１分なら…毎日できそうだ！」

その言葉にヒカリさんは満足そうに笑いました。

「ルル、その１分を続ければ、
　デスクはあなたの仕事や創作の“味方”になってくれるわ」

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◆翌朝――ひかりに満ちたデスク

次の朝。
ルルはいつもより少し早く目を覚ましました。
デスクへ向かうと、そこは昨日と同じくすっきりとしていて、
まるで朝日を歓迎しているかのように輝いていました。

「すごい…気持ちいい！」
ルルは胸がふわふわと温かくなりました。

ペンの家、メモの家、木の実スタンプの家。
どれもきちんと所定の場所に並んでいます。
探しものはゼロ。
手は動きやすく、心は軽やか。
ルルは思いました。

“これが、僕の新しいスタートなんだ”

その言葉を聞いたかのように、
風がそっとデスクをなで、光がふわっとゆれました。
ヒカリさんの気配が、どこかで微笑んでいる気がします。

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◆おしまい

ルルが教えてくれたように、
機能的なデスクは
「全部出す → 選ぶ → 置き場所 → 動線 → １分習慣」
この５つの魔法で生まれます。

あなたのデスクにも、ヒカリさんの小さな光がそっと届きますように。

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