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《対抗戦について》
開催は不定期。
この星が動き出したとき、イベントは始まります。
チーム編成も、テーマも、ルールも
その時々で変化。
そしてここでは、
上手い・下手での優劣はつけません。
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それはイベント開始の合図🌌
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夜桜 蓮二郎
第17話
『準備開始』
文化祭まで残り三週間。
放課後。
お化け屋敷準備が本格的に始まった。
⸻
「まずは段ボールです!」
⸻
ひよりが教卓の前で宣言する。
⸻
「なんで?」
遥斗が聞く。
⸻
「お化け屋敷だからです!」
⸻
「説明になってない。」
⸻
教室に笑い声が広がる。
⸻
ひよりは気にせず黒板に大きく書く。
⸻
必要なもの
* 段ボール
* 黒い布
* お化け
* 雰囲気
⸻
「最後ふわふわしてるな。」
神崎がツッコむ。
⸻
「大事ですよ!」
⸻
その様子を見て、
クラスメイトたちは楽しそうに笑っていた。
⸻
「じゃあ買い出し班決めるか。」
遥斗が言う。
⸻
すると琴音が手を挙げた。
⸻
「私行けるよ。」
⸻
「助かる。」
⸻
しかし。
⸻
「もう一人欲しいな。」
⸻
遥斗が周囲を見る。
⸻
誰が行くか。
⸻
少しだけ静かになる。
⸻
その時。
⸻
「俺行くよ。」
⸻
石山だった。
⸻
一瞬。
⸻
琴音が驚いた顔をする。
⸻
「え?」
⸻
「荷物多そうだし。」
⸻
石山はいつも通り穏やかだった。
⸻
「助かる。」
琴音が笑う。
⸻
「じゃあお願い。」
遥斗が言う。
⸻
こうして。
⸻
買い出し班は
琴音と石山
になった。
⸻
その様子を見ていた神崎が、
隣の嵐山を肘でつつく。
⸻
「おい。」
⸻
「気付いた。」
⸻
「だよな。」
⸻
二人はニヤニヤしている。
⸻
「何だよ。」
遥斗が聞く。
⸻
「いや別に。」
⸻
「何かあるだろ。」
⸻
「鈍感。」
⸻
嵐山が言った。
⸻
「意味分からん。」
⸻
その頃。
⸻
帰り道。
⸻
琴音と石山は並んで歩いていた。
⸻
「ありがとね。」
⸻
「ん?」
⸻
「買い出し。」
⸻
石山は少し笑う。
⸻
「困ってそうだったから。」
⸻
「優しいなぁ。」
⸻
琴音は自然にそう言った。
⸻
だが。
⸻
石山は少しだけ視線を逸らす。
⸻
夕日が差し込む帰り道。
⸻
普段と同じ会話。
⸻
なのに。
⸻
石山にとっては少しだけ特別だった。
⸻
一方その頃。
⸻
教室では。
⸻
「月坂先輩!」
⸻
「なんだ。」
⸻
「段ボール三十個集めましょう!」
⸻
「多すぎる。」
⸻
「四十個!」
⸻
「増やすな。」
⸻
ひよりが暴走していた。
⸻
それを見ていた蒼井は、
思わず笑ってしまう。
⸻
文化祭準備。
⸻
それぞれの距離が、
少しずつ変わり始めていた。
⸻
第18話
『放課後の買い出し』
琴音と石山、初めての二人行動。
そして――
蒼井は、自分でも気付いていない感情と向き合い始める。

夜桜 蓮二郎
第16話
『出し物会議』
放課後。
文化祭実行委員の最初の仕事。
それは――
クラスの出し物を決めることだった。
⸻
「じゃあ意見ある人ー。」
ひよりが元気よく前に立つ。
⸻
しーん。
⸻
誰も手を挙げない。
⸻
「えっ。」
⸻
ひよりが固まる。
⸻
「月坂先輩。」
⸻
「なんだ。」
⸻
「誰も喋りません。」
⸻
「見れば分かる。」
⸻
教室から笑い声が漏れる。
⸻
「何かやりたいことないのか?」
遥斗が聞く。
⸻
すると。
⸻
「喫茶店。」
⸻
「展示。」
⸻
「映画。」
⸻
ぽつぽつと意見が出始める。
⸻
黒板に書いていくひより。
⸻
だが。
⸻
まとまらない。
⸻
「全部やりたい!」
⸻
「無理だろ。」
⸻
「じゃあ全部入り!」
⸻
「もっと無理だ。」
⸻
再び笑い声。
⸻
そんな中。
⸻
ひよりが突然手を挙げた。
⸻
「はい!」
⸻
嫌な予感。
⸻
遥斗はそう思った。
⸻
「お化け屋敷です!」
⸻
教室がざわつく。
⸻
「面白そう。」
⸻
「確かに。」
⸻
「やりたい。」
⸻
意外と反応がいい。
⸻
ひよりは得意げな顔をした。
⸻
「どうですか!」
⸻
「なんでそんな自信満々なんだ。」
⸻
「勢いです!」
⸻
「またそれか。」
⸻
神崎が吹き出した。
⸻
すると。
⸻
「でも。」
⸻
蒼井が口を開いた。
⸻
珍しく自分からだった。
⸻
「準備大変じゃない?」
⸻
教室が静かになる。
⸻
確かにその通りだった。
⸻
大道具。
装飾。
衣装。
⸻
やることは多い。
⸻
「それは……。」
⸻
ひよりが言葉に詰まる。
⸻
しかし。
⸻
「面白そうではある。」
⸻
嵐山だった。
⸻
「お。」
⸻
「文化祭っぽいしな。」
⸻
すると神崎も頷く。
⸻
「俺も賛成。」
⸻
「神崎くんは脅かす側やりたいだけでしょ。」
琴音が言う。
⸻
「バレたか。」
⸻
教室が笑う。
⸻
その空気を見ながら、
遥斗は少し考える。
⸻
確かに大変だ。
⸻
でも。
⸻
みんなの反応は悪くない。
⸻
「じゃあ多数決するか。」
⸻
遥斗が言う。
⸻
クラスメイトたちが頷く。
⸻
そして。
⸻
結果は――
⸻
お化け屋敷。
⸻
圧倒的多数だった。
⸻
「やったー!!」
⸻
ひよりが飛び跳ねる。
⸻
「お前が一番喜んでるな。」
⸻
「提案者ですから!」
⸻
その時。
⸻
「じゃあ実行委員。」
⸻
担任が言った。
⸻
「責任持って頼むぞ。」
⸻
ひよりが固まる。
⸻
遥斗も固まる。
⸻
「……。」
⸻
「……。」
⸻
二人は顔を見合わせた。
⸻
「頑張りましょう!」
⸻
「今さら元気出すな。」
⸻
教室中が笑った。
⸻
帰り道。
⸻
校門へ向かう途中。
⸻
「月坂先輩。」
⸻
「ん?」
⸻
「文化祭、成功すると思いますか?」
⸻
ひよりが聞く。
⸻
遥斗は少し考える。
⸻
そして。
⸻
「たぶんな。」
⸻
「たぶんですか?」
⸻
「みんな楽しそうだったから。」
⸻
ひよりは少し驚く。
⸻
そして。
⸻
「やっぱり月坂先輩って優しいですね。」
⸻
「そうか?」
⸻
「はい。」
⸻
そう言って笑った。
⸻
その様子を、
少し離れた場所から見ている人がいた。
⸻
蒼井澪だった。
⸻
二人は普通に話しているだけ。
⸻
それなのに。
⸻
なぜか胸の奥が少しだけざわつく。
⸻
その理由を、
蒼井はまだ知らなかった。
⸻
第17話
『準備開始』
お化け屋敷の準備がスタート。
しかし――
ひよりのアイデアが次々と暴走し始める。

夜桜 蓮二郎
第15話
『文化祭実行委員』
スポーツ大会が終わって数日。
教室にはいつもの日常が戻っていた。
⸻
「眠い。」
⸻
朝一番。
遥斗は机に突っ伏していた。
⸻
「それしか言えないの?」
琴音が呆れたように言う。
⸻
「朝だからな。」
⸻
「意味分からない。」
⸻
その時。
⸻
ガラッ。
⸻
担任が教室へ入ってきた。
⸻
「ホームルーム始めるぞ。」
⸻
生徒たちが席に着く。
⸻
担任は出席簿を閉じると、
思い出したように言った。
⸻
「そうだ。」
⸻
嫌な予感。
⸻
「文化祭実行委員がまだ決まってない。」
⸻
教室が静かになる。
⸻
誰も目を合わせない。
⸻
「誰かやりたい人いるか?」
⸻
沈黙。
⸻
いない。
⸻
担任はため息をついた。
⸻
「じゃあ推薦で決めるぞ。」
⸻
その瞬間。
⸻
「橘ひより!」
⸻
誰かが叫んだ。
⸻
「えっ!?」
⸻
ひよりが立ち上がる。
⸻
「なんでですか!?」
⸻
教室から笑い声。
⸻
「元気だから。」
⸻
「理由雑じゃないですか!?」
⸻
しかし。
⸻
「じゃあ女子は橘で。」
⸻
担任があっさり決定する。
⸻
「そんなぁ……。」
⸻
ひよりは机に突っ伏した。
⸻
そして問題は男子。
⸻
「男子どうする?」
⸻
再び沈黙。
⸻
すると。
⸻
「月坂。」
⸻
神崎だった。
⸻
「おい。」
⸻
「月坂だな。」
嵐山も乗っかる。
⸻
「お前までか。」
⸻
さらに。
⸻
「月坂でいいと思う。」
琴音。
⸻
「裏切ったな。」
⸻
教室中が笑う。
⸻
そして。
⸻
「決まりだな。」
⸻
黒板に名前が書かれる。
⸻
月坂遥斗
橘ひより
⸻
「よろしくお願いします!」
⸻
ひよりが勢いよく頭を下げる。
⸻
「よろしく……。」
⸻
遥斗はすでに疲れていた。
⸻
「月坂先輩!」
⸻
「なんだ。」
⸻
「文化祭成功させましょう!」
⸻
「まだ何も決まってない。」
⸻
「気合いです!」
⸻
「絶対違う。」
⸻
神崎が吹き出した。
⸻
昼休み。
⸻
いつもの屋上。
⸻
遥斗は文化祭の資料を眺めていた。
⸻
「実行委員か。」
⸻
「大変そう。」
琴音が言う。
⸻
「絶対大変です!」
ひよりが元気よく答える。
⸻
「お前も実行委員だろ。」
⸻
「そうでした!」
⸻
「大丈夫か。」
⸻
みんなが笑う。
⸻
その輪から少し離れた場所で、
蒼井は静かにその様子を見ていた。
⸻
ひよりは楽しそうだった。
⸻
遥斗も、
なんだかんだで楽しそうに話している。
⸻
その光景を見ていると、
少しだけ胸の奥がざわつく。
⸻
理由は分からない。
⸻
でも。
⸻
「……変なの。」
⸻
蒼井は小さく呟いた。
⸻
誰にも聞こえない声だった。
⸻
放課後。
⸻
実行委員の初会議。
⸻
ひよりは資料を抱えながら、
遥斗の隣に座る。
⸻
「月坂先輩!」
⸻
「なんだ。」
⸻
「文化祭、一緒に頑張りましょうね!」
⸻
満面の笑み。
⸻
遥斗は苦笑した。
⸻
「そうだな。」
⸻
その様子を、
教室の外から偶然見ていた蒼井は、
なぜか目を逸らした。
⸻
文化祭まであと一ヶ月。
⸻
そして、
まだ誰も気付いていない。
⸻
この文化祭が、
それぞれの気持ちを少しずつ変えていくことに。
⸻
第16話
『出し物会議』
クラスの出し物を決める会議が始まる。
しかし――
ひよりの一言が、クラスを大混乱に陥れる。

夜桜 蓮二郎
第14話
『放課後の写真』
スポーツ大会から数日後。
教室はいつも以上に騒がしかった。
⸻
「写真きたぞー!」
⸻
誰かの声で教室が盛り上がる。
⸻
生徒たちは次々と写真の袋を受け取っていた。
⸻
「うわ。」
⸻
遥斗も自分の袋を開く。
⸻
「何枚あるんだこれ。」
⸻
「結構多いね。」
⸻
隣から蒼井が覗き込む。
⸻
「見る?」
⸻
「見る。」
⸻
二人は机を寄せた。
⸻
最初の写真。
⸻
綱引き。
⸻
神崎が変な顔をしている。
⸻
「なんだこの顔。」
⸻
「必死だったんだろ。」
⸻
二人は笑った。
⸻
次の写真。
⸻
玉入れ。
⸻
ひよりが思いっきり違う方向へ投げている。
⸻
「これ先生じゃん。」
⸻
「本当だ。」
⸻
蒼井が吹き出した。
⸻
さらに次。
⸻
借り物競走。
⸻
なぜか一位で帰ってくる南。
⸻
「南って何者なんだろうな。」
⸻
「分からない。」
⸻
二人は同時に言った。
⸻
また笑う。
⸻
その時だった。
⸻
一枚の写真が目に入る。
⸻
リレー。
⸻
蒼井から遥斗へ。
⸻
バトンを渡す瞬間。
⸻
ちょうど写真に収められていた。
⸻
二人とも真剣な表情。
⸻
全力で前を向いている。
⸻
しばらく。
⸻
どちらも何も言わなかった。
⸻
「綺麗に撮れてるね。」
⸻
先に口を開いたのは蒼井だった。
⸻
「そうだな。」
⸻
遥斗も頷く。
⸻
すると。
⸻
「おーい。」
⸻
神崎がやって来る。
⸻
「なに見てんの?」
⸻
写真を覗き込む。
⸻
そして。
⸻
「うわ。」
⸻
「なんだよ。」
⸻
「めっちゃ青春じゃん。」
⸻
「どこが。」
⸻
「ここ。」
⸻
神崎はリレーの写真を指差した。
⸻
「はいはい。」
⸻
遥斗は軽く流した。
⸻
だが。
⸻
蒼井は少しだけ視線を逸らしていた。
⸻
神崎はそれを見逃さなかった。
⸻
「へぇ。」
⸻
意味深な笑み。
⸻
「神崎。」
⸻
「なんでもないです。」
⸻
即座に引き下がる。
⸻
放課後。
⸻
遥斗は一人で教室に残っていた。
⸻
忘れ物を取りに来ただけ。
⸻
そのはずだった。
⸻
「月坂。」
⸻
聞き慣れた声。
⸻
振り返る。
⸻
蒼井だった。
⸻
「蒼井?」
⸻
「まだいたんだ。」
⸻
「忘れ物。」
⸻
「私も。」
⸻
偶然。
⸻
本当に偶然だった。
⸻
二人は並んで教室を出る。
⸻
夕日が廊下を赤く染めていた。
⸻
しばらく歩く。
⸻
不思議と嫌な沈黙ではない。
⸻
すると。
⸻
「写真。」
⸻
蒼井が言った。
⸻
「ん?」
⸻
「リレーのやつ。」
⸻
遥斗は思い出す。
⸻
「ああ。」
⸻
蒼井は少しだけ微笑んだ。
⸻
「私、あの写真好きかも。」
⸻
遥斗は少し驚く。
⸻
「そうなのか。」
⸻
「うん。」
⸻
短い返事。
⸻
だけど。
⸻
その声はどこか嬉しそうだった。
⸻
昇降口に着く。
⸻
靴を履き替える。
⸻
外は夕焼け。
⸻
「じゃあまた明日。」
⸻
蒼井が言う。
⸻
「おう。」
⸻
遥斗も手を振る。
⸻
蒼井は数歩歩いてから、
ふと振り返った。
⸻
「月坂。」
⸻
「ん?」
⸻
「今度は写真じゃなくて、
一緒に何か思い出作れたらいいね。」
⸻
そう言って笑う。
⸻
遥斗は一瞬固まった。
⸻
だが。
⸻
「そうだな。」
⸻
自然とそう答えていた。
⸻
夕日が二人の影を長く伸ばす。
⸻
そして。
⸻
新しい思い出は、
もう始まりかけていた。
⸻
第15話
『文化祭実行委員』
ある日、担任が言い放つ。
「文化祭実行委員、まだ決まってない。」

夜桜 蓮二郎
第13話
『バトン』
「行けぇぇぇ!!」
歓声がグラウンドに響く。
⸻
第一走者。
神崎龍也。
⸻
スタート直後から全力だった。
⸻
「速っ!」
「神崎すげぇ!」
⸻
クラスから歓声が上がる。
⸻
神崎は懸命に腕を振る。
⸻
そして。
⸻
バトンゾーン。
⸻
「蒼井!!」
⸻
パシッ。
⸻
綺麗な受け渡し。
⸻
第二走者。
蒼井澪。
⸻
一気に加速する。
⸻
「速い!」
⸻
観客席がざわつく。
⸻
遥斗も思わず目を見開いた。
⸻
「すげぇ……。」
⸻
中学時代から運動神経が良いとは聞いていた。
⸻
だが。
⸻
実際に走る姿を見るのは初めてだった。
⸻
風を切るように走る。
⸻
無駄のないフォーム。
⸻
真っ直ぐ前だけを見る瞳。
⸻
その姿はとても綺麗だった。
⸻
「蒼井ー!!」
⸻
琴音が大声で応援する。
⸻
ひよりも負けじと叫ぶ。
⸻
「頑張れー!!」
⸻
南も静かに拍手していた。
⸻
そして。
⸻
バトンゾーン。
⸻
澪が振り返る。
⸻
「月坂!!」
⸻
その声と同時に。
⸻
バトンが差し出される。
⸻
遥斗は走り出した。
⸻
パシッ。
⸻
第三走者。
月坂遥斗。
⸻
「行けぇぇぇ!!」
⸻
クラスの声援が背中を押す。
⸻
遥斗は全力で走った。
⸻
前だけを見る。
⸻
ただひたすら。
⸻
その時だった。
⸻
「遥斗ー!!」
⸻
聞き覚えのある声。
⸻
蒼井だった。
⸻
振り返ることはできない。
⸻
でも聞こえた。
⸻
確かに。
⸻
『遥斗』
⸻
名前で呼ばれた。
⸻
初めてだった。
⸻
一瞬だけ心臓が跳ねる。
⸻
だが。
⸻
今は走る。
⸻
全力で。
⸻
ゴールへ向かって。
⸻
そして。
⸻
アンカーへ。
⸻
「嵐山!!」
⸻
バトンを渡す。
⸻
「任せろ!」
⸻
嵐山徹が飛び出した。
⸻
最後の勝負。
⸻
相手クラスのアンカーも速い。
⸻
差はほとんどない。
⸻
会場全体が盛り上がる。
⸻
「行けー!!」
⸻
「嵐山ぁぁぁ!!」
⸻
神崎が叫ぶ。
⸻
遥斗も叫ぶ。
⸻
澪も。
⸻
琴音も。
⸻
ひよりも。
⸻
南も。
⸻
みんなが見守る。
⸻
そして。
⸻
ゴール。
⸻
結果は――
⸻
一位。
⸻
一瞬。
⸻
静寂。
⸻
次の瞬間。
⸻
「やったぁぁぁぁ!!」
⸻
クラスが爆発した。
⸻
神崎が飛び跳ねる。
⸻
嵐山がガッツポーズをする。
⸻
琴音が笑う。
⸻
ひよりが騒ぐ。
⸻
南も珍しく嬉しそうだった。
⸻
遥斗は息を切らしながら空を見上げる。
⸻
すると。
⸻
「月坂。」
⸻
隣に澪が立っていた。
⸻
汗をかきながら。
⸻
それでも嬉しそうに笑っている。
⸻
「勝ったね。」
⸻
「勝ったな。」
⸻
二人は顔を見合わせる。
⸻
そして。
⸻
自然と笑った。
⸻
その瞬間。
⸻
神崎が遠くから叫ぶ。
⸻
「おーい!!
優勝チーム写真撮るぞー!!」
⸻
「今行く!」
⸻
遥斗が返事をする。
⸻
だが。
⸻
走り出す前。
⸻
澪が小さく言った。
⸻
「また一緒に勝ちたいな。」
⸻
風で消えそうな声。
⸻
でも。
⸻
遥斗にはちゃんと聞こえていた。
⸻
「そうだな。」
⸻
短く答える。
⸻
澪は少しだけ嬉しそうに笑った。
⸻
こうしてスポーツ大会は幕を閉じた。
⸻
だが。
⸻
遥斗たちの日常はまだ続く。
⸻
そして。
⸻
この日の思い出は、
確かに二人の距離を少しだけ縮めていた。
⸻
第14話
『放課後の写真』
スポーツ大会の写真が配られる日。
何気ない一枚の写真が、
遥斗と澪の関係を少しだけ動かし始める――。

夜桜 蓮二郎
第12話
『スポーツ大会開幕』
快晴。
スポーツ大会当日。
グラウンドには朝から大勢の生徒が集まっていた。
色とりどりのハチマキ。
響く放送。
盛り上がる歓声。
いつもの学校とはまるで別世界だった。
⸻
「眠い。」
開会式の最中。
遥斗が呟く。
⸻
「朝からそれ?」
神崎が呆れる。
⸻
「朝だからだろ。」
⸻
「意味分からん。」
⸻
その横では嵐山が笑っていた。
⸻
「月坂は通常運転だな。」
⸻
「嵐山もな。」
⸻
男子たちが話している少し離れた場所。
蒼井はクラスメイトと話しながらも、
時々遥斗の方を見ていた。
⸻
「蒼井?」
琴音が声をかける。
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「ん?」
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「リレー緊張してる?」
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澪は少し考えた。
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「ちょっとだけ。」
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それは珍しいことだった。
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琴音は小さく笑う。
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「でも月坂いるじゃん。」
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「関係ないよ。」
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即答。
だが、
少しだけ頬が赤かった。
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午前中。
競技は順調に進んでいく。
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神崎は綱引きで全力を出しすぎて転ぶ。
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ひよりは玉入れでなぜかカゴではなく先生に投げる。
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南は借り物競走に出場し、
なぜか一位で帰ってくる。
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「どうやったの?」
琴音が聞く。
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「秘密。」
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南は少しだけ笑った。
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そして昼休み。
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グラウンドの端。
木陰に座る遥斗の前に、
蒼井がやって来た。
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「隣いい?」
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「どうぞ。」
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自然に座る澪。
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しばらく風の音だけが聞こえる。
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遠くでは競技の準備が進んでいる。
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「いよいよだな。」
遥斗が言う。
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「うん。」
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午後の目玉競技。
クラス対抗リレー。
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二人とも出場する。
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「勝てそう?」
澪が聞く。
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「嵐山いるし。」
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「確かに。」
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二人は笑った。
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少しだけ沈黙。
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そして。
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「月坂。」
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「ん?」
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「頑張ろうね。」
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澪が言う。
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その笑顔を見た瞬間。
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遥斗の胸が少しだけ高鳴った。
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「おう。」
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それしか言えなかった。
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午後。
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ついにリレーの時間。
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各クラスの代表が集まる。
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スタート走者。
神崎龍也。
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第二走者。
蒼井澪。
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第三走者。
月坂遥斗。
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アンカー。
嵐山徹。
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「優勝するぞ!」
神崎が拳を上げる。
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「任せろ。」
嵐山が笑う。
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「転ばないでね。」
澪。
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「それ俺に言ってる?」
遥斗。
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「うん。」
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「信用ないな。」
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全員が笑った。
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そして。
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ピストルの音が鳴る。
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パンッ!!
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神崎が飛び出した。
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歓声が響く。
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クラス全員が叫ぶ。
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「行けー!!」
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スポーツ大会最大の見せ場。
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遥斗と澪、
そして仲間たちの戦いが始まった。
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第13話
『バトン』
神崎から澪へ。
澪から遥斗へ。
託された想いとバトン。

夜桜 蓮二郎
第11話『蒼井の昼休み』
五月の終わり。
昼休みの屋上には、いつものメンバーが集まっていた。
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「来週スポーツ大会だな。」
神崎がパンをかじりながら言った。
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「あー。」
遥斗が空を見上げる。
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「面倒。」
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「お前絶対そう言うと思った。」
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琴音が笑う。
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ひよりも頷いた。
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「月坂先輩、運動できそうなのに。」
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「できなくはない。」
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「なんだその言い方。」
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神崎がツッコむ。
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すると。
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「月坂は足速い。」
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南がぽつりと言った。
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全員が南を見る。
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「なんで知ってるんだ?」
遥斗が聞く。
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「体育。」
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「あ。」
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確かに同じ授業だった。
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「見てたの?」
琴音が聞く。
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「たまたま。」
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南はそう言って視線を逸らした。
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その反応に、
ひよりがニヤニヤし始める。
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「怪しいですねー。」
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「怪しくない。」
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即答だった。
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みんなが笑う。
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その時。
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ガチャ。
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屋上の扉が開いた。
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「やっぱりここか。」
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蒼井澪だった。
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一瞬だけ空気が止まる。
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「蒼井?」
遥斗が驚く。
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「来ちゃダメ?」
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「いや、別に。」
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澪は小さく笑う。
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そして。
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遥斗の隣に座った。
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神崎が遥斗を見る。
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遥斗は神崎を見る。
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神崎はニヤッと笑った。
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遥斗は無視した。
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「スポーツ大会の話してたの?」
澪が聞く。
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「そう。」
琴音が答える。
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「蒼井は何出るんだ?」
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「リレー。」
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「速そう。」
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「普通。」
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そう言いながらも、
琴音は知っている。
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蒼井は速い。
中学の頃から有名だった。
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「負けたら泣く?」
神崎。
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「泣かない。」
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「じゃあ俺が勝つ。」
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「無理。」
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即答。
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屋上に笑いが広がった。
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その頃。
教室では。
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学級委員がスポーツ大会の出場表を作っていた。
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そして。
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「これで決定ね。」
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その紙には、
ある競技のメンバーが書かれていた。
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クラス対抗リレー
* 月坂遥斗
* 蒼井澪
* 神崎龍也
* 嵐山徹
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まだ誰も知らない。
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この競技が、
スポーツ大会最大の見せ場になることを。
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第12話
『スポーツ大会開幕』
クラスの誇りをかけた戦いが始まる。
そして遥斗と澪は、
初めて同じ目標へ向かって走る――。
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