共感で繋がるSNS

人気

ひろ✨

ひろ✨

誰か教えて。分からん。
量子ゲートは、量子コンピュータにおける基本的な演算単位であり、量子ビット(qubit) の状態を操作する役割を持ちます。古典コンピュータの論理ゲート(NOT, AND, ORなど)がビットの0/1状態を決定的に変化させるのに対し、量子ゲートは量子ビットの重ね合わせ(superposition) 状態やもつれ(entanglement) 状態を、特定のユニタリ行列を適用することで変化させます。
ユニタリ行列としての表現
量子ゲートは、ユニタリ行列 U として数学的に記述されます。ユニタリ行列とは、そのエルミート共役(転置して複素共役を取ったもの)が逆行列に等しい行列 U^\dagger U = UU^\dagger = I です。この性質により、量子状態の全体的な確率振幅のノルム(大きさ)が保存されます。量子力学では、量子状態はケット記法 | \psi \rangle で表されるベクトルであり、量子ゲートの操作は行列とベクトルの積として表現されます。
例えば、量子ビットの状態を | \psi \rangle = \alpha |0\rangle + \beta |1\rangle とすると、量子ゲート U を適用した後の状態は | \psi' \rangle = U | \psi \rangle となります。
代表的な1量子ビットゲート
1. パウリゲート (Pauli Gates)
* Pauli-X (NOTゲート): \sigma_x = \begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}
* 古典的なNOTゲートに対応し、 |0\rangle \leftrightarrow |1\rangle の状態を反転させます。
* Pauli-Y: \sigma_y = \begin{pmatrix} 0 & -i \\ i & 0 \end{pmatrix}
* 状態の位相と振幅を同時に変更します。
* Pauli-Z: \sigma_z = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & -1 \end{pmatrix}
* |1\rangle の状態に -\pi の位相を付与します。
これらのゲートは、量子ビットの状態をブロッホ球上で特定の軸周りに回転させる操作として視覚化できます。Pauli-XはX軸周りの回転、Pauli-ZはZ軸周りの回転に相当します。
2. ハダマールゲート (Hadamard Gate)
* H = \frac{1}{\sqrt{2}}\begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 1 & -1 \end{pmatrix}
* 最も重要なゲートの一つで、基底状態 |0\rangle や |1\rangle を重ね合わせ状態に変換します。
* H|0\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}(|0\rangle + |1\rangle)
* H|1\rangle = \frac{1}{\sqrt{2}}(|0\rangle - |1\rangle)
* 古典的な状態を量子的な重ね合わせ状態に移行させるための鍵となります。
代表的な多量子ビットゲート
1. CNOTゲート (Controlled-NOT Gate)
* 2つの量子ビット(制御キュービットと標的キュービット)に作用します。
* 制御キュービットが |1\rangle の状態の場合にのみ、標的キュービットにNOT演算(Pauli-X)を適用します。
* CNOT = \begin{pmatrix} 1 & 0 & 0 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & 0 \\ 0 & 0 & 0 & 1 \\ 0 & 0 & 1 & 0 \end{pmatrix}
* このゲートは、2つの量子ビット間に量子もつれを作り出すための基本的なツールです。例えば、H|00\rangle にCNOTゲートを適用すると、ベル状態と呼ばれる最大もつれ状態 \frac{1}{\sqrt{2}}(|00\rangle + |11\rangle) が生成されます。
2. Toffoliゲート (CCNOT Gate)
* 3つの量子ビット(2つの制御キュービットと1つの標的キュービット)に作用します。
* 2つの制御キュービットがともに |1\rangle の場合にのみ、標的キュービットにNOT演算を適用します。
* 古典的なAND演算とNOT演算を組み合わせることで、古典的なユニバーサルゲート(任意の論理回路を構築できるゲート)として知られています。量子論理回路においても重要な役割を果たします。
量子ゲートセットとユニバーサル性
古典コンピュータと同様に、量子コンピュータでも少数のゲートを組み合わせることで、任意のユニタリ行列を近似的に構成できることが知られています。このようなゲートの集合をユニバーサルな量子ゲートセットと呼びます。
例えば、ハダマールゲートと位相ゲート(Z軸周りの回転ゲート)を組み合わせることで、任意の1量子ビット回転を表現できます。さらにこれらにCNOTゲートを加えることで、任意の多量子ビット演算(任意のユニタリ行列)を近似的に実現できます。
量子ゲートは、量子アルゴリズムを設計し、量子回路を構築するための**「基本命令」** と言えます。量子プログラミングは、これらのゲートを特定の順序で適用し、最終的な計算結果を得るプロセスです。
哲学哲学
GRAVITY
GRAVITY

関連検索ワード

おすすめのクリエーター