研日昔から他の人に見えないものが見えていた。そいつらの名前を知ったのは五歳の時テレビでやってた心霊番組を見て指をさしたら父親が研磨はお化けが見えるのか!と笑って言われた。その日から地獄の日々が始まった。奴らは自分が認識されていると知ってから俺に付き纏う様になっていった。普通の霊はこうするだけで満足して何処かへ消えていくけれど悪霊の場合は違う。軽めの悪霊なら金縛り等命に関わる事はしてこない。だけど重めのやつは問答無用で首を絞めてくるし、俺の体を乗っ取っていつの間にか崖一歩手前だった事もある。ポルターガイストを起こして心中しよ?と連呼しながら物を投げ付けて来たり様々な方法で俺を殺しにかかってくる。見えている。ただそれだけで。けれどそんな幽霊達が俺に関わらない時間がある。それはゲームをしている時とバレーをしている時だ。そのふたつをしている時は目の前の画面しか見ていないし目の前のボールを追うことで忙しい。だからアイツらも俺が見えていると気付かない。その事に気が付いてからやっと俺の生活は安定して、霊を避ける方法を知っていった。けれど霊達は俺が成長すればする程過激な連中が増えていって、悪霊に出会う頻度が一年に一回から半年に一回。一ヶ月に一回。高校二年に上がる頃には一週間に一回。どんどんスパンが短くなっていった。理由も分からず増える悪霊から目を逸らす為に下を向いて歩くのが癖になって、その所為で迷子になる事も多くなった。今日も同じだ。初めてくる遠征先の駅に肉の爛れた男が立っていてそれから逃げたいが為に必死に歩いた。けれど男は俺に気付いたらしくぺたべたぺたべた決して早くもないが遅くもないペースで俺の後ろに迫っていてそれでも何でもないフリをしないといけないからただ歩く。どこに行けば良いかも分からない。けれどもうすぐ後ろに男は迫っている。まだ何もしてこないのは多分半信半疑だからだ俺が見えているかどうか、小さな公園の入り口付近に荷物を置いてゲーム機を取り出す。ぺたべた赤黒く爛れた皮膚がゲーム機のすぐ前に現れる。ドロリとした何かが靴についた気がしてもゲーム機からは決して目を離さない。離してはいけない。まろび出た眼球の裏側が視界の端に写ったとしても、呼吸を整えなければならない。気付かれる。気付かれる。気付かれる。「何してんのー?」降ってきた声に弾かれる様に顔を上げる。しまった、と思うより先に驚いた。目の前にいた筈の男が焼ける様に灰になって消えていったからだ。間抜けな声を出して振り返る。なんだ誰だどうして。そんな思考が巡る中でそれでも思ったのは太陽みたいだ。なんて自分らしくも無い喩えだった。▼その時に出会ったのが日向翔陽。名前を聞いて自分の小っ恥ずかしい喩えはどうやら当たっていたようで純粋に驚いた。その次に驚いたのは自分に付いてきていた幽霊達が綺麗さっぱり居なくなっていることだ。生まれてこのかた幽霊がいない景色なんて見た事が無かったからか鮮烈なオレンジが網膜に焼き付いて離れなかった。名残惜しさを心に残しつつもTシャツの胸元に印刷されたkarasunoの文字を見てから別れる事にした。それから烏野への道中一度も幽霊を見ることが無く、勿論校内にも見当たらなかった。てとこまで書いてどーしよっかなぁってなってるんで誰かこの後の展開アドバイスくださぁい