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憂国の列島改造論

第三章：生活防衛圏という思想

〜大災害・不況・戦争から暮らしを守るために〜

202X年現在、日本列島の至るところで「異常」が常態化している。
巨大地震の予測、気候変動による異常気象、物価高、医療崩壊、物流の寸断、外交リスクの高まり──どれもが予兆ではなく、すでに現実だ。

そして、これらの問題に対し、中央政府がすべてに対応できるという幻想は、とっくに崩れている。

だからこそ、我々は考え直さなければならない。
「この町に食料は届くのか？」
「この地域で医療を受けられるのか？」
「この川が氾濫しても助けが来るのか？」
「この暮らしは、守られるのか？」

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■ 「国家防衛」ではなく、「生活防衛」

いま求められているのは、戦車でもミサイルでもない。
それぞれの町が、自らの暮らしを守る力＝生活防衛圏を持つことである。

生活防衛圏とは、簡単にいえばこうだ：

一つの地域（市町村またはブロック単位）が、
「食料・医療・教育・エネルギー・避難インフラ」を自給的に確保し、
有事・災害時に自立的に持ちこたえられるよう備える体制。

これは、藤井聡教授が提唱した「国土強靱化」の地域版であり、かつての江戸時代における藩単位の自治と自活の知恵にも通じる思想だ。

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■ なぜ「防衛圏」が必要なのか？
1. 中央集権は、同時多発危機に対応できない
　→ 巨大地震とパンデミックと食料危機が同時に起きたとき、東京では手が回らない。
2. 地方インフラはすでに限界
　→ 災害直後、道路が寸断されると国の支援が数日遅れることは珍しくない。
3. 国際情勢の不安定化
　→ 食料・医薬品・資源の輸入が滞れば、都市圏からまずパニックになる。
4. 「防衛」は軍事だけでない
　→ 暮らしを維持するという意味で、食と医の防衛こそ最大の課題。

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■ 生活防衛圏の構成要素（例）
分野必要機能具体的施策例
食料地産地消・備蓄・農業再生農業高専設置、農戦特区、公共備蓄施設
医療災害医療・地域医師確保病院船配備、地方医大支援、常備薬倉庫
エネルギー地産地消・災害用電源小規模水力・バイオマス発電導入
教育実学中心・防災教育・自立支援高専教育、ボランティア訓練
インフラ多重アクセス・避難拠点国営JRの復活、地方空港整備
情報独自通信網・緊急放送システム地域ラジオ、アナログ非常通信の保全

■ 「生活防衛圏」が列島改造の起点になる

この思想は、単なる地方分散政策ではない。
日本列島全体をネットワーク型の「強靱な生命体」とするための設計図だ。
いわば、東京が倒れても、東北・山陰・九州・北海道それぞれが立ち上がれるように。

「一極集中」から「多極強靱」へ。
それが、生活防衛圏による列島改造の核心である。

表の部分が見えづらくて、申し訳ない。

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