臨死体験の話意識の落ちる間際考えていたことどうしてこんなに辛いのか、自分には非がありこれが現実なのか、だとしたら何が間違っていたのだろうか、いや、僕は何も間違ってなどいない最初から間違っていなかったんだと思ったその後感じたのは光の中の世界何も見えない優しいあかりの中で三、四人の女性の声がした気づいたことは赤子のように大柄な男に抱き抱えられていたことナニカを囁かれ頭頂を撫でられた現実に戻ったらしく、ひとの声と医師らしき人がCKの値の説明をしていたのが朦朧とした意識の中で聞き取れた僕は生あるものに対する裏切りをしたあるいはここが地獄であるかもしれないこれが過去の失敗という罪でこれからも罰を受け続けるのだろうか僕が希っていた理想、実現できたら少しはマシな気分になるだろうかこれが僕の呪いこれが現実Judas (the one of betrayers)