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13月
〈祈り〉とはどういうことかと食いつくインタビュアーに、灯花は「要するに切実さのことです」と簡潔に答えていた。
でも本当のところをいえば、それは〈祈り〉以外の言葉には置き換えられないものだったのだろう。
なんとなく、そう思った。
「君の話」三秋縋 p.180
最近、短い言葉と長い言葉について考えている。これまで僕は自らの思考を伝えるためには言葉を尽くすしかないと考えていて、思考を挟む余地を残した言葉を渡すということは相手の価値観、読解力、共感力によって意味が変化していまうという問題点にばかり目を向けていた。だから言葉を尽くさないことに対して怠慢や甘えといった印象を抱いていたけれど、しかしどうやっても言い表せないことが、書けば書くほど本質から遠ざかっていってしまうことも確かに存在するとそう思うようになった。
この本は二ヶ月前にも読んでいて、そのときは引っ掛からなかったこの文章を今の僕は拾えるようになっている。
思考にこだわりを持つのは大切だけれど、よいと思うものを積極的に組み込んでいかなくては停滞したことにすら気付けないまま終わってしまう。#言葉の探求

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