カレル・チャペック著「白い病」は、まさに今の日本で起こっていることを描いています。------------全三幕からなる戯曲です。全編セリフだけでしかもドラマチックな展開で進んでいくのでとても読み易い(;^_^A戦争を目前に控えたある国に致死率の高い伝染病が蔓延します。治療方法を発見した医師のとる行動や、いかに・・・。-----------市井の罹患者はこう言います。「何の理由もなくこんな病気にかかるわけがない。神様が俺たちを罰しているんだ」1930年代当時の庶民の宗教観が描かれているのでしょうか。このあと、そんな庶民の愚かさが恐ろしい事態を引き起こしていきます・・・。-----------庶民の様子を表すかのように愚かな「父」と聡明な「母」が登場します。新聞を読みながら父は言います。「新聞はすぐに大騒ぎする。誰かが風邪で寝込もうものならすぐに「白い病」だと言う」半世紀前に書かれたものですが同じようなことをつい最近誰かが言っていたような気がしますが・・・。-----------#カレルチャペック #白い病 #読書 #海外文学