「……やばい、寝すぎた」目を開けると、部屋は薄暗かった。カーテンの隙間から、青みがかった光がじんわりと染み込んでいる。寝ぼけた頭で時計を探す。5時22分。「……もう夜か」昼過ぎにベッドに横になったはずだ。気がつけば、空はすっかり暗くなっていたらしい。水が飲みたくなって、ふらふらとキッチンへ向かう。シンクに手をつき、蛇口をひねる。冷たい水が喉を通ると、少しだけ頭が冴えてきた。「どれくらい寝たんだろ……」窓の外に目を向ける。街灯がぽつりぽつりと灯り、静かな通りが広がっている。誰もいない。車も走っていない。まるで、世界が止まったみたいに静かだった。静けさが、じわじわと胸を締めつける。カーテンを引いて、外を覗いた。道路はひっそりと濡れていた。雨が降ったのかもしれない。視線を上に向けると、電線にスズメがとまっていた。その可愛いシルエットが、じっとこちらを見下ろしている。「……夜とはいえ不気味だな」不安がどこかでざわつき始める。部屋に戻ろうとした、その時だった。——コツ、コツ、コツ遠くから、靴の音が聞こえた。「……?」誰かが歩いてくる。音は次第に近づいてきて、やがて2人、3人と複数の足音が重なり始めた。その途端——「おはよー!」家族の声が聞こえた[びっくり]#理解すると怖い話 #お昼寝の春 #恐怖体験 #妄想日記 #おやすみGRAVITY