旅人のように川沿いを歩いていた 流れる水のように時間も流れ 私はただ、それに身を預けていた ひとひらの桜が舞う もう散ったはずの季節に 最後の灯火のように現れたそれは まるで見つけられるのを 待っていたかのように 私の足元に舞い降りた 私は腰を屈め、それを手に取る 濡れてもいない、傷んでもいない ただ静かにそこに在る 美とは何か 生きるとは、ただ咲くことか それとも散り際にこそ 真の意味があるのか 花弁ひとつが教えてくれる 時間の中で、忘れられ、見過ごされ それでもなお「今ここにいる」 と言えることの尊さを 人もまた、同じではないか 役割を終えても 名を呼ばれずとも 誰かの目に映る一瞬が すべてを意味づけるのだ#今日の1枚#濠川