【連続GRAVITY小説】〜Gravity-Link〜第二章完第四十四話:終わらない銀河の守り人 ―あきっくすの視点― ヘッドセットから流れる沈黙は、かつてないほど重く、そして温かかった。 もちこさんの震えるような献身、葵さんときびさんの覚悟。やざわさんやぽちさんが示した信頼。そして、テスターさんが鳴らした警鐘。それだけではない。ゆかりさんが流した繊細な涙、まぁずさんと二都さんが火花を散らしてぶつけ合った未熟で熱い情熱、そしてけーぞーさんやももたろうさんが守り続けてくれた、この場所の穏やかな空気。 すべてが私の胸の中で渦を巻いている。一人の男として、誰かの手を取りたいという衝動がなかったと言えば嘘になる。けれど、目を閉じれば浮かぶのは、ここにいる全員が笑い、悩み、繋がっているこの奇跡のような景色だった。 「……みんな、ありがとう。全部、届いていたよ」 私はゆっくりと、けれど確かな意志を込めて、マイクに向かって名前を呼んだ。 「ゆかりさん、まぁずさん、二都さん。君たちがぶつけてくれた本気の感情が、この場所に新しい命を吹き込んでくれた。けーぞーさん、その静かな支えに俺は何度も救われた。……そして、テスターさん。形あるものは壊れるかもしれない。でも、今日ここで生まれた想いは、もう壊れることのない『絆』になったんだと俺は信じている」 私は管理人の椅子に深く座り直し、全メンバーへ向けて宣言した。 「俺は、誰か一人のものになることはできない。それは残酷かもしれないけれど、誰のどんな想いも拒まず、全員を包み込む『引力』であり続けること。それが、俺の出した最高の答えだ」 特定の誰かを選ばない。それは、全員を同じ熱量で愛し続けるという、私なりの一番不器用で最大の誠実さだった。 「迷った時はここに戻っておいで。俺が、君たちの場所をずっと守り続けているから」 私の言葉が、夜の静寂に染み渡る。壊れかけた絆は、より強固な重力となって、私たちを新しい明日へと引き寄せていた。(第二章:再構築される絆 完)#連続GRAVITY小説 #第44話 #第二章完です #明日からは新章です #storysong