私のところに入院してきた肺がんの患者がいましたこの方は気功などに取り組んで明るく頑張っていたんですが病状が悪くなっていくにつれだんだんと暗い表情になっていきましたところがこの方は私と同じ埼玉の川越出身でしてね回診に行く度に故郷の昔話をするようにしたら表情がどんどん明るくなっていったんですそうしてある日回診に行くとベッドの上にきちっと正座して私を待っていたんですよどうしたのか聞いたら"先生にひと言ご挨拶したくて お待ちしておりました 人生の最期にこんなに いい医療を受けられるとは 思ってもいませんでした 本当にありがとうございました"とお辞儀をしてくれて次の日に旅立って逝かれたんですですからこちらも患者さんに対していい加減な気持ちでは向き合えない作家で畏友の青木新門さんが納棺夫日記に"死に直面して不安におののく人を 癒やすことができる人は その患者さんより一歩でも二歩でも 死に近いところに 立つことができる人である"と書いているのですが私もそれを受けて毎朝起きると"きょうが最後だ! しっかり生きよう!"とまず覚悟を固めて一日を始めるようにしたんです#帯津良一#致知