こんばんは。読書しました。西郷従道-維新革命を追求した最強の「弟」西郷従道の伝記は初めて読んだので勉強になりました。兄である西郷隆盛とその盟友だった大久保利通のもとで尊皇攘夷の志士として活動した青春時代。兄・隆盛の引き立てによって明治政府に参画し、欧州視察でフランスの軍制を学ぶ。征韓論問題で兄・隆盛が下野したときは、行動をともにせず、洋行によって得た知識を国家建設に役立てるために政府で働くことを選んだ。台湾出兵の時は派遣軍トップとして暴走気味に台湾を制圧し、その後始末として大久保利通が清と交渉した。また、台湾出兵を強行した際、出兵に反対する長州閥の木戸孝允が参議を辞任している。兄・隆盛が西南戦争を起こしたときは、兄と決別して尊皇の精神に自らを捧げ、陸軍卿代理として後方支援業務にまわり兄と敵対した。西南戦争終結後は「賊将の弟」として責任をとるために謹慎したところは兄弟愛を感じるエピソードです。天皇に請われ復職すると、海軍大臣を長期間務め、山本権兵衛や齋藤実を抜擢し、有能な部下に任せて責任は自分で負うという調整型のリーダーとして政府中枢を担った。首相待望論があったものの「賊将の弟」と固辞し続けたという本書の評価がありますが、演説下手で裏方気質なところがあるので、あくまでも自分は「調整役」に徹して、権力欲に溺れるところがなかったので、首相の座は固辞したのかもしれません。これほどの人物が中学や高校の日本史の教科書に載っていないのは、残念なことです。#読書 #読書感想文 #明治 #元勲 #元老