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ぱん
今流行りのchatGPT、彼はしばしば嘘をつくが、それを見抜くことができれば便利な道具になると思った。先日試しに書かせてみたPythonのコードがしっかりと機能したのは嬉しかった。言語処理が得意なのだろうから、プログラミングは朝飯前なのかも。一方で、質問への返答に引用文献を提示してもらったら、彼は架空の論文から引用していた。指摘しても変わらず。仕組みを勉強すれば、理由がわかるのだろうけど。冒頭の繰り返しになるが、どんなに便利な道具であってもそれを使いこなすにはある程度は賢くなければならない。ドラえもんののび太くんを思い返して欲しい。
生物は遺伝子を運ぶ乗り物に過ぎず遺伝子を残すために生きている。栽培されている野菜や果物を想像して欲しい。栽培される植物は、ヒトに食べられる代わりにヒトが遺伝子を残す手助けを勝手にしてくれる。生物としてある意味では成功だ。ヒトは支配する側かされる側か。
現代人は便利なスマホや美味しいジャンクフードに脳をハックされている。現代人は、特に若い人は生まれた時から、身の周りに便利な道具があり、衛生的な住環境や飽和した食料に恵まれている。下痢を気にせず綺麗な水を飲めるし、お腹が空いたら深夜でもすぐに食欲を満たせる。ヒトが明日の食料、いや、今すぐ食べる食料を手に入れることで頭がいっぱいだった頃には得られないものを現代人は有しているが、進化心理学で明かされているようにヒトの本質は変わっていない。
生物としての本能が促すままに欲求を満たし続ける現代人の生活。ヒトは高い知性を有し、言語や器用な手先を操り、群れながら生きている。高度な文明を築き上げてきたヒトは他の動物とは異なり特別なのか?いや、ヒトも動物の一種にすぎない。動物にもある程度の知能や感情もあるし、彼らは車のように速く走り、鋭い歯や爪で獲物を狩り、空を飛び、水中でも窒息しない。恵まれた環境に生きて平和ボケしたヒトは、サバンナに放り出された小動物のようだ。まだ捕食されていないだけだ。
【おすすめの本】
📕スマホ脳
📗情報を正しく選択するための認知バイアス事典 世界と自分の見え方を変える「60の心のクセ」のトリセツ
📘なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか 人間の心の芯に巣くう虫
📙「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」



ぱん
【食欲】
それまで単なるエネルギーの貯蔵庫だと思われていた脂肪組織が実は内分泌器官であると言う事実は人々を驚かせた。レプチンは脳の視床下部に作用して満腹感を引き起こすとともに、基礎代謝を亢進させることにより脂肪組織を縮小させ体重を減らすと考えらる。高濃度のレプチンは身体が十分なエネルギーをもっていることを脳に知らせている。しかし、痩せてレプチンレベルが低下すると脳は食欲を強力に惹起し、性腺機能を停止させ生殖行動を抑制してしまう。(文献1)
【睡眠時間と肥満】
インスリン値が高いとき (食事中)に体はグリコーゲンや脂肪といった形でエネルギーを貯蔵する。一方、コルチゾールはエネルギーを貯蔵庫から取り出してグルコースなどすぐに使えるものに変える。
一晩、睡眠が不足するとコルチゾール値は100%以上増加する。翌日の夜になってもまだコルチゾール値は37~45%ほど高い状態が続く。ウィスコンシン睡眠コホート研究とケベック州で行われた家族研究によると、睡眠時間が短いと体重が増えること、そしてレプチン(満腹ホルモン)が減りグレリン(食欲ホルモン)が増えることがわかった。
面白いことに、ストレスがあまりない状態で睡眠不足になっても、満腹ホルモンであるレプチンが減らないし空腹感が増すこともない。このことから、睡眠不足そのものが問題なのではなく、睡眠不足によって、ストレスホルモンが活性化し、空腹になるメカニズムが働くことが問題であることがわかる。
(文献2)
【睡眠の質】
健康な人の場合、目を閉じてから10分未満で入眠する。入眠後には比較短時間で一番深いノンレム睡眠に達し、およそ90分間続き、その後に数分程度の最初のレム睡眠が現れる。ここまでが眠りの一周期であり、睡眠とはこの周期の繰り返しである。睡眠の質は最初の周期の質で決まることがわかっている。何時間寝ようが、最初の90分が崩れたら残りも総崩れになってしまう。(個体差90分~120分と幅がある)
(文献3)
※ホモサピエンスの惑星で、惑星限定公開の投稿をすることがあります。
※今回は広告のためダイエットの星に投稿しました。
文献
(1) 食欲の科学 食べるだけでは満たされない絶妙で皮肉なしくみ
(2) 世界最新の太らないカラダ
(3) スタンフォード式 最高の睡眠



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【調理の発明】
祖先たちは料理によって、生の食べ物を食べるときに必要になる絶え間ない咀嚼から解放された。チンパンジーは食べ物を柔らかくして効率的な消化を促すために一日のうち八時間を噛むことに費やさなくてはいけない。(文献1)
【定住生活と感染症】
二千年前には誰もが屋外で排便していた。狩猟採取民には害が及ぶ前に他の場所に移動できる利点があったが、農耕民はその場にとどまって生活するため時間の経過とともに飲み水が自分たちの糞便によって汚染されてしまった。(文献1)
1852-1859年のヨーロッパにおけるコレラ流行の際、ロンロンの麻酔科医ジョン・スノウは「コレラ菌が飲み込まれ、腸内で繁殖し、患者の排泄物によって汚染された水で健常者の消化管が侵される」ことを証明した。(文献2)
【つがい選びと感染症】
メスマウスはニオイに基づいて後尾相手として不適切なオスを選分けている。たとえばメスマウスは、ウイルスや寄生虫が感染しているオスのニオイを避け、感染していないオスを選ぶ。感染オスとの交尾は自分自身が感染のリスクを負うだけでなくそのような病気になりやすい父親の遺伝的特徴をこどもに受け継がせてしまう可能性を高めるので繁殖上不利になる。(文献3)
【つわりの進化的意義】
つわりは妊娠中の女性が「ある種のニオイの強いものに対して、そのニオイを嗅いだだけで吐き気をもよおす」という生物現象である。
精神分析の祖フロイト
「妊婦が夫を恨み口から堕胎したいと無意識に望む心理がつわりを引き起こす」
至近要因(現代医学)
「つわりは妊娠によるホルモンバランス変化に伴う生理的な副産物にすぎにない」
究極要因(進化的視点)
「食物の有害物質から発育中胎児を保護するような機能である」
(文献4)
※ホモサピエンスの惑星で、惑星限定公開の投稿をすることがあります。
※今回は広告のため読書の星に投稿しました。
文献
(1) われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか
(2) 最近と人類 終わりなき攻防の歴史
(3) 性をめぐる生物学 ~ネズミから学ぶ~
(4) 利己的遺伝子から見た人間 愉快な進化論の授業



ぱん
【進化的適応】
【美しさの基準】
【動物性を遠ざける】
【情動とは何か?】
【進化的適応】
脳を含め人間の体は、人類が暮らしていたアフリカのサバンナや地球上のその他の場所で何百万年もの間に進化してきた。人類が150人程度の血縁集団で狩猟採集生活をしていた環境は、進化的適応の環境と呼ばれ、脳も含め私たちの体はこの祖先の環境に適応してきた。21世紀に暮らしていても、私たちは石器時代の脳と体をもっている。
進化的心理メカニズムが引き起こすのは祖先の環境に適応した行動であり、それは適応上の問題を解決し生存と繁殖の確率を高める。高カロリーの甘いものをたくさん食べたくなり、配偶相手の不貞を疑えば嫉妬する。
(文献1)
※ホモサピエンスの惑星限定投稿で続きを読めます。
文献
(1) 進化心理学から考えるホモサピエンス
(2) 言ってはいけない 残酷すぎる現実
(3) なぜ保守化し、感情的な選択をしてしまうのか 人間の心に巣食う虫
(4) なぜ心はこんなに脆いのか 不安や抑うつの進化心理学


ぱん
惑星を作りました。先ほどの#今日の本紹介 投稿を見て面白いと思った方、進化心理学や関連分野に興味のある方、自分の抱える悩みを進化的視点で見て不安を和らげたい方…などを募集しています。出入り自由です。

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