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読書記録です
これからの「正義」の話をしよう
今を生き延びるための哲学
マイケル・サンデル 著
鬼澤忍 著
ハヤカワ文庫
難解な内容ですが、政治や経済についての哲学的な深い考え方にじっくりと触れることができる内容となっています。
正義とは何か
同じ考え方の人が多いことがいいことなのか
つまり、多数決や最大多数の最大幸福がいいのか
選択の自由を尊重することがいいのか
つまり、自分の信じていること、自分の良心に従うのがいいのか
その上で、著者は第三の選択
アリストテレスの説く政治の目的は良き生だというものを現代的に解釈して
美徳を涵養して、共通善を論理的に考える大切さを説いています
その選択肢が理にかなっているか、全員に良い事なのか、特に立場の弱い人にとって不利になっていないかということを考えることが正義なのではないかという考察しています
功利主義、リバタリアニズム、イマヌエル・カント、ジョン・ロールズ、アリストテレスなどのそれぞれの哲学の各論についての考察はとても勉強になります
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読書記録です
それをお金で買いますか
市場主義の限界
マイケル・サンデル 著
鬼澤忍 訳
ハヤカワ・ノンフィクション文庫
本書は2012年に単行本で出版されたものですが、市場主義の腐敗に警鐘を鳴らす内容は、10年経った今はより深刻化していると感じました。
本書において述べられている米国における市場主義の腐敗を日本が後追いしているので、まさに今の日本の社会問題について考えさせられる内容となっています。
現在、社会問題となっている転売ヤーは、道徳的・政治的な問題であり、不公正であり市場主義の腐敗であるということが、10年前に出版された本書において述べられています。
近年は公共施設の命名権を売ったり、公共施設において広告掲示板が置かれることが多くなりましたが、それについても公共施設の公共性を損なう恐れがあるのではないかと警鐘を鳴らしています。
例えば、自治体で発行している母子手帳などを広告欄を売って発行するというものがありますが、公共物における道徳的・市民的「善」が貶められるのではないかという恐れが考えられます。
本来であれば、予算の再配分、あるいは増税してでも、道徳的・市民的責任をみんなで分かちあうべきではないかということが本書のメッセージとして伝わってきました。
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読書記録です
実力も運のうち
能力主義は正義か?
マイケル・サンデル著
鬼澤忍 訳
努力して高い能力を身につけた者が、社会的成功とその報酬を手にする
こうした「能力主義」「功績主義」は一見、平等に見えるが、実はそうではない事を暴いたのが本書の内容となっています
「親ガチャ」が当人の「学力」と「人間力」を大きく規定していること
「やればできる」は一種の流行語になっていますが、「負け組」は「自助努力」が足りないと非難する掛け声の根拠となっています
「勝ち組」になっている人は実は、たまたま親が裕福だから、教育などに潤沢な投資を注がれて「高学歴」を手にしたに過ぎないということを、本書は暴いています
日本においてはそういう「勝ち組」がいる一方で、どうしようもない家庭の困窮から「トー横キッズ」に転落したり、「闇バイト」や「売春」に手を染めてしまう不幸な若者が量産されています
「学歴が低い」「能力が低い」「貧困」は決して自己責任ではないということを、社会全体で周知する必要があります
「正義」と「人間の尊厳」を取り戻す一つの案としては、金融による儲けに対する課税を強化することです
社会に対する貢献度が低い金融トレーダーが高収入なのは不正義だからです
低賃金労働者や労働できる能力が低い人に対して、中流の生活ができる収入を保証することも真剣に検討する必要があります
「金融のトレーダー」よりエッセンシャルワーカーの方が、社会に対する貢献度が高いので、不可解なほどの賃金格差も是正する必要があります
貧富の差の拡大、富裕層がより裕福になる、裕福な家庭に育った子は高学歴になる確率が高いなどは、資本主義の腐敗であるということを認識する必要があります
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読書記録です
ハーバード白熱教室講義録上・下 +東大特別授業
マイケル・サンデル 著
NHK「ハーバード白熱教室」制作チーム
小林正弥・杉田晶子 訳
『これからの「正義」の話をしよう』の内容をベースにして、大学生相手にディスカッションした講義のダイジェスト版です
白熱したディスカッションを味わえるのがいいです
最大多数の最大幸福を目指す功利主義
欠点は少数派が不利益を許容
個人の自由を最優先するリバタリアニズム
欠点は社会全体の格差を許容
コミュニティとしての美徳・共通善を最優先する
欠点は共通善の定義がコミュニティごとに異なるし、また曖昧である
ディスカッション形式のため、それぞれの正義の立場、どのような背景で主張しているのかが分かります
第8回 能力主義に正義はない?で述べられているジョン・ロールズの哲学
「恵まれた者は、恵まれない者の状況を改善するという条件でのみ、その幸運から便益を得ることが許される」
格差原理→最も恵まれない人々にとっても便益があるような不平等を正義と認める
→その格差は、最も恵まれない人にとっても便益があるような格差でなければならない
今の日本に最も必要な考え方だと思いました
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つて
その収入格差は20倍以上である。マイケル・サンデルだったらどう考えるかな!と、わたしは考える。
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武志
裕福な家庭に生まれ努力に打ち込めたのは『運』でしかない、今日の食事の心配がいらない先進国に生まれたのも幸運に過ぎない
人生は上手く行く方が少なく、個人の努力で何とかなることも少ない
これを解消するのは幸運に恵まれた勝者の務めたが、平不満を叫んでも、自己否定を繰り返しても将来は拓けない
個々の環境の中で、挫折と絶望を繰り返していてそれでも生きている大多数の人生だと、米🇺🇸政治哲学者は説いている
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