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ろびのわーる

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『秋が来るとき』

2025年/フランス/103分
ジャンル:ヒューマンドラマ/サスペンス
監督:フランソワ・オゾン
キャスト:エレーヌ・ヴァンサン/ジョジアーヌ・バラスコ/リュディヴィーヌ・サニエ/ピエール・ロタン

【あらすじ】
80歳のミシェルは、自然豊かなブルゴーニュで余生を過ごしていた。ある秋の日、休暇で帰ってきた娘ヴァレリーと孫にキノコ料理を振るまうが、その料理をきっかけに家族それぞれの過去が明らかに……。

【見どころ】
① ブルゴーニュの秋の風景。
② 孫が好きすぎるミシェル。
③ 娘ヴァレリーとの確執。
④ 親友の息子ヴァンサンとの関係。
⑤ ミシェルの苦い過去。
⑥ オゾン監督の記憶を基にした作品。
⑦ ベテラン女優の繊細な演技。

【感想】
孫が大好きすぎるミシェルがとても可愛らしい。おばあちゃんでも女を捨ててない感じが素敵だった。

そんなミシェルには苦しんだ過去があって、それがあるから他人を赦すことができる。ミシェルの「良かれと思うことが大事」というセリフが刺さった。ほんとそうだと思う。

友人の息子ヴァンサンも、ミシェルの存在と赦しに救われたことだろう。もしかしたら本当の母親以上にミシェルを大切に思っていたかもしれない。

失ったものもあるけど、残ったものもある。自分が世界から消えるとき、何を残せるだろうか。悲しんでくれる人はいるだろうか。


…と書いてみたけど、ここまでは表向きの感想。ここから先は個人的なひねくれた感想を綴ってみようと思う。(どうか温かい目で見てください)

まず、これはあのフランソワ・オゾン監督の作品だということ。単なるヒューマンドラマなわけがないのだ。
一見、ハートウォーミングに装われているけど、それはあくまでも表向き。ところどころに人間関係のひび割れがあって、その隙間からサスペンスとミステリーがぽたぽたと滴り落ちる。

決定的な証拠では無いけど、状況証拠のようなものをちらつかせてくる…なんていやらしいんだフランソワ。そんなことをしたら僕の中の名探偵が目覚めてしまうではないか。

やっぱりオゾン作品は面白い。前作は「私がやりました」というタイトルだったけど、それが今作の振りにもなっている気がする。

小市民の顔をして劇場を後にする。しかし内心はパズルのピースを眺めながらほくそ笑んでいた。

#映画 #映画館 #ヒューマンドラマ
#秋が来るとき #フランソワオゾン
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ろびのわーる

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『17歳』

2013年/フランス/94分
ジャンル:ヒューマン・ドラマ
監督:フランソワ・オゾン
キャスト:マリーヌ・ヴァクト/ジェラルディン・ペラス/フレデリック・ピエロ/ヨハン・レイセン

【あらすじ】
名門高校に通う17歳のイザベルは夏のバカンスで知り合った青年を相手に初体験を迎える。実生活に戻った彼女はSNSを通じて知り合った不特定多数の男たちと密会を重ねるように……。

【見どころ】
① 17歳の危うさ。
② 心理描写。
③ イザベルの美しさ。
④ 現代社会の闇。
⑤ 母親との関係の変化。

【感想】
普通に観たらフランス映画にありがちなセクシー映画だけど、フランソワ・オゾン監督なのでそんなわけが無い。
これは謎めいた少女の内面を探る極上のミステリー映画なのだ。

冒頭のイザベルは至って普通の少女だったのに、バカンスから帰って来ると人が変わってしまったかよう…原因は間違いなくバカンスでのアレだ。

大して好きでもない彼氏と“初めて”を経験したイザベル。そのときもう1人のイザベルがそれをじっと無表情で見つめていた。
あの瞬間、イザベルの中の大切な何かが分離してしまったのは間違いない。


以下、ネタバレあり。


それ以降イザベルは何事にも冷めた感じになり、不特定多数の男と淡々と行為を繰り返すようになる。その様子はまるで「目標をセンターに入れてスイッチ」のときの碇シンジのようだった。

不特定多数の男の中でジョルジュだけが違っていた。他の男は自分の欲望と快楽のために女を貪っていただけだった。
ジョルジュには大切にしている家族がちゃんといて、それなりに愛情も注いでいた。
そしてイザベルのこともきっと愛していたのだろう。

だから彼の死でイザベルは目が覚めることができた。自分が求めていたものがわかったから。大切なものはいつも失って初めて気づくのだ。

描かれているのは体の関係だけど、内面の動きばかりを追ってしまう。所詮、肉体なんて現実なんて仮想現実でしかない。
求めているのは魂の共鳴。それが感じられなければ生きている意味など無い。

ぜんぜんロマンティックじゃないけど、めちゃくちゃロマンを感じる作品だった。

#映画 #UNEXT #ミステリー
#17歳 #フランソワオゾン
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ろびのわーる

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『エンジェル』

2007年/イギリス・ベルギー・フランス/119分
ジャンル:ドラマ/ロマンス
監督:フランソワ・オゾン

【あらすじ】
20世紀初頭のイギリス。食料品店の娘エンジェルは、幼い頃から上流階級の生活を夢見てきた。彼女はその豊かな想像力と文才を生かし、若くして作家デビューを果たす。瞬く間に富と名声を手に入れ、夢を実現したかに見えたエンジェルだったが……。

【見どころ】
① エンジェルの生き様。
② エンジェルの美しさ。
③ 成功と挫折。
④ 皮肉たっぷりな描写。
⑤ ラストのセリフ。

【感想】
美人でピュアで才能もあるエンジェル。なのに1ミリも好きになれない。人の話を聞かず、自分の世界の中だけで生きているような典型的な天才肌。

忠告を無視してダメ男に惹かれてしまう。脳内では志村現象が。もちろん結果は言うまでもなく、しかもぜんぜん笑えなかった。

人の話を聞かないというのは、才能でもあるし欠点でもある。芸術家や研究者ならいいけど、人と接することにはあまり向かない。僕もどちらかと言えばそっち寄りな気がする。

エンジェルを好きにさせないように誘導する見せ方がオゾンらしい。感動も感情移入も全くしなかったけど、観て損した気はしなかった。

この作品は客観的に観てしまいがち。でもエンジェル本人はどう感じていたんだろう。もしかしたらドラマティックでロマンティックな人生だったかもしれない。

ラストの一言を言いたいがために作られたような作品。皮肉ってこういうこと。

#映画 #UNEXT #恋愛映画
#エンジェル #フランソワオゾン
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『2重螺旋の恋人』
原因不明の腹痛に悩まされ、精神分析を受けることになったクロエ。彼女は、そこで主治医となったポールと恋に落ち、一緒に暮らし始める。そんなある日、ポールの双子の兄弟ルイが彼女の前に現われるが…。

サスペンス?ミステリーホラー?
フランス的な恋愛ものかと思って観はじめたらぜーんぜん違った!

刺激的な描写、
予測不能な展開、
そして衝撃の結末…

もしかしたらスッキリしないかもだけど、いろんな解釈ができる。
観た人と語りたくなる作品。

オゾン監督ってこんなこともできるんだね。

#映画 #UNEXT #フランス映画
#2重螺旋の恋人 #フランソワオゾン
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