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関津祐

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茸山アンテナ立てに来て迷う

田島健一

茸山(きのこやま):きのこの生える山。秋の季語
迷(まよ)う

スマホの基地局のアンテナを立てに来たら。キノコによる謎の電波で惑わされた、なんてわけないけれど。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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銀杏散る思ひ出したるやうに散る

岩田由美

銀杏散(いちょうち)る:秋の季語
思ひ(い)

ずいぶん散らずにいると思っていたら、急に一気に散りはじめました。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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園児らに花野途方もなく広し

飯田龍太

園児(えんじ):幼稚園などにかよっている小さい子
花野(はなの):草花の咲いている秋の野原。秋の季語

この子達は、どこまでもつづく花野を、忘れないでしょうね。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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何もせで一日ありぬ爽やかに

高浜虚子

せで:しないで
爽(さわ)やか:秋の季語

なにもしないですごす一日だった、それは爽やかだった、と。心のゆとりが素敵です。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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転びても花びらのごと七五三

今井千鶴子

転(ころ)びても:ころんでも
〜のごと:〜のよう
七五三:冬の季語

三歳の女の子でしょうか。ころぶときにも、立ち上がるときにも、袖が広がって。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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水切りは銀河を走る小石かな

稲葉巧馬

水切(みずき)り:水面に石を投げ、石が水の上を飛びはねていくのを楽しむ遊び
銀河(ぎんが):秋の季語

日常と大きな世界とがとけ合います。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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鰯の群れ通り過ぎゆく食はれつつ

トオイダイスケ

鰯(いわし):秋の季語
群(む)れ
食はれ(くわれ)

ダイビングでしょうか。ほかの魚に食われつつ、ひとつの生命のような群れが、自分の前を通りすぎてゆきます。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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裏返るさびしさ海月くり返す

能村登四郎

海月(クラゲ):夏の季語

裏返るのがさびしい、と。なんて感性でしょう。くり返すうちに海と月までさびしく見えてきます。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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星が流れると誰かの目にかはる

鴇田智哉

流れ星:秋の季語

どういうことなんでしょうか···でも惹きつけられます。流れ星なら、この不可思議も納得できます。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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ことことと前掻く馬や朝寒み

森鴎外

掻(か)く
朝寒(あささむ)み:明け方のうすら寒いこと。秋の季語

前足で地面をかいています。足が冷たいのをまぎらわしているのかもしれません。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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蹴ちらしてまばゆき銀杏落葉かな

鈴木花蓑

蹴(け)
銀杏落葉(いちょうおちば):落ちたイチョウの葉。冬の季語

黄色の葉っぱたちが宙を舞い、冬の日に光るようです。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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校庭の柵にぬけみち冬あたたか

上田五千石

校庭(こうてい)  柵(さく)
冬暖(ふゆあたた)か:冬のさなかにあたたかいこと。冬の季語

ここからこっそり帰ったりするんですね。小学校ならなお、わくわく楽しく。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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頬杖の風邪かしら淋しいだけかしら

池田澄子

頬杖(ほおづえ)
風邪(かぜ):せき、はなみず、熱など。冬の季語
淋(さび)しい

なんとなく体がだるくて、と。
うまく良さを言えないのですが、切なくて、でも軽やかで、うっとりする気分にもなります。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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パイプ椅子に同僚眠る夜食かな

神戸鳥取

椅子(いす)
同僚(どうりょう):職場で地位や役目が同じ人
夜食(やしょく):夜遅く取る軽い食事。秋の季語

職場での風景ですね。お互い疲れながらも、少し休憩してこの後またがんばります。

#俳句 #haiku #季語 #kigo
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どんぐりの影ものびたる土の上

深見けん二

どんぐり:秋の季語
影(かげ)
のびたる:のびた

あの小さいどんぐりにも影があって、しかも伸びているとは、しみじみ秋の夕方ですねぇ。

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