ホッブズにおいては、人間は力において差異はあるとしても平等である。しかし、あらゆる人の力が等しければ、その力によって目的を達成する可能性も等しい。そのため、もし二人の人がいて、同じものを欲しいと思っているが、それが一つしかなく、分け合うことも出来ないという場合、その二人は対立する。この時、その二人は等しくそのものを手に入れる資格がある。二人の力は等しいからである。そこで、そのものがどうしても欲しい場合(自分の命を守るためであるか、それほど必要なものでもないかは問わない)、法律や道徳による束縛が存在しないとすれば、互いに相手を消してしまうことが着実な方法となる。先に手に入れたところで、後から奪われるかもしれないからだ。こうして、力の平等から相互への恐怖が生じる。