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かな(日本語勉強中)

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『向いている仕事』

ある夜、年上の旧友と食事をした。彼はまだ二十代で、すでに企業の代表を務めている。食事の帰り、私は車中でこんな問いを投げかけた――
「自分に向いている仕事って、何だろう?」

すると彼は、少しも迷わずこう答えた。「何も考えず、自然に成果が出て、楽に稼げる仕事に決まってる」と。そして、自分はそういう仕事に就いているのだと淡々と語った。仕事そのものを好きなわけではないが、入社以来、誰よりも優秀な成績を当たり前のように収めてきた。努力は必要なかったし、他人の無能さにすら辟易しているのだと。とはいえ、そうした本音をそのまま口にすると嫌われるから、「まぁ苦労もあったけどね」といった無難な言葉を添えておくのだという。

その語りを聞きながら、私はふと考えた。彼にとって“努力”とは、すでに意識の外にあるものなのかもしれない。もしかすると、何かを学ぶ過程すら苦労だとは感じないほど、自分に適した環境にいたのだろう。

一方で、私には「努力している」という自覚がある。何かに向かっている自分を、客観的に見つめながら動いている。その道が好きであることに疑いはないが、常に「これは私にとって向いているのか?」という問いが頭のどこかにある。そして、こうも思うのだ――本当の才能に恵まれた人々は、たいてい「楽しいからやっているだけ」と笑って言うのだと。

とはいえ、私が選んだ道にも楽しさはある。そこにはまだ救いがあるのかもしれない。しかし、時折私は立ち止まってしまう。「もっと深く考えなければ」と思ってしまう。それが、私自身の思慮深さゆえの足枷となる瞬間が、確かにある。

「今、楽しいことを、ただ楽しいからやる」。それが最も自然で最も正直な生き方だと、頭ではわかっている。けれど、私はつい考えてしまうのだ。――この選択は、正しいのか?と。
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