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タイガー
私が実際に体験したお話しです。
高校2年の夏、その日は花火大会だった。
当時彼女がいた私は花火大会は彼女と行く約束をしていた。
夜まで時間があったので、溜まり場になっているN君の部屋で過ごす事にした。
Nの部屋に行くと見知らぬ女の子がいた。
聞くと別の高校の1つ下の子で、Nの友達らしい。
背は低く、細身で、ショートカットのボーイッシュな可愛らしい子だった。
Nの部屋で30分程過ごした後でNは「ごめん!家族で出掛けなきゃいけなくて...。ちょっとこの子を連れてタイガーの家に行ってくれない?夕方には迎えに行くから」。
突然のお願いにびっくりしつつ、でもこんな可愛い子とおしゃべり出来るなら良いかと、高2の私はひとつ返事で家に連れて行った。
私の部屋に着いて、他愛もない話しをしたり、音楽を聴いたりしているうちにその子は唐突に「彼女いるんですか?」と聞いてきた。
「えっ...うんいるよ」と言いかけた時、その子はぐーっと顔を近付けて、息がかかりそうな距離で
「私、タイガーさんの事、好きになっちゃいました」
と言ってそのままキスをしようとしてきた。
正直、高2の私はそのまま受け入れて最後までいってしまいたいくらいの状況だった。
一回くらい...と思った時、ふと彼女の顔が浮かんだ。
今夜、きっと花火大会を楽しみにしているに違いない。
浴衣も着るって言ってたな。
「全てが済んだ後」に何食わぬ顔で彼女に会えるだろうか。
「ちょ、ちょっと待って!」
「彼女がいるから、やっぱりダメだ」
「そっか...そうですよね。すいません。忘れてください」
そう言って笑った。
夕方にNがその子を迎えに来て無事(?)お別れした。
夜は浴衣を着た彼女(とても可愛かった)と花火大会や夜店巡りをして楽しんだ。
夏休みももうすぐ終わりだ。
学校が始まり、日焼けで真っ黒になったクラスメイト達が思い出話しに花を咲かせている。
登校してきたNが真っ先に私の席にやってきた。
そして声のボリュームを落としてこう言った。
「あの花火大会の日にいた子、覚えてる?」
「あぁ、あの可愛い子でしょ?」
「そうそう!」
「いや、あの子ね、あの時妊娠してたんだって。学校も辞めちゃうらしいよ」
「えっ...!そ、そうなんだ」
踏みとどまった私。
グッジョブ過ぎる。
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