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ほむ
『海から来るもの』
それは深夜のことだった。
犬の吠える声で目を覚ますと周囲が生臭い、愛犬を落ち着かせようとその方へと向くと異常なものを見た。
黒いモヤのような、なんとも形容しがたいものが海から這いずり出てきて民家の近くにいる。
いや、出てきていない。
まだ体は海に浸かっており、まるで大きな蛇か縄だ。
それがゆっくりと動きながら家を覗こうとしている。
愛犬の異常に友達も起き、その怪異を見た友達が叫んだ。
「おい!!早く車出せ!!!!」
友人もハッとしたが、怪異もピタリと動きを止める。そしてゆっくりとこちらを向こうとした。
その顔を見てはいけない。
直感が働いた友人は友達が言ったように車のエンジンを掛ける。
途中で愛犬の何かを詰まらせたような鳴き声がしたが、友人は振り向けなかった。
愛犬の異常だが、振り向いてはいけないという強い考えが頭を支配していた。
しかし友達は犬の異常に振り向いてしまう。
友人は気がつくと「おいバカ!絶対に振り向くな!!」と怒鳴りつけて前を向かせた。
それから必死に車を走らせた。
何とか二人と一匹は生きて帰れたものの、友達はあの日のことを聞くと情緒不安定になり、要領を得ない言葉を言う。
愛犬は狂ったように鳴き叫び、赤の他人にも噛み付くようになってしまった。
可哀想だったが、こうなってしまっては仕方がなく、愛犬には眠ってもらうことにした。
それから、二度と海には行かないと決めたのだという。
如何でしたか?
お話はこれにて終いでございます。
文字数制限の都合によりほむさんの感想は次の投稿になります。
興味があれば、またお会いしましょうね。
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