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かなめん

かなめん

【ブリキの兎・後編】

こうしてブリキの兎は、牧場の一角に柵を作ってもらい、ひっそりと暮せるようになりました。

そんなある日。

「この兎!鉄で出来てる」

ある日、牧場に遊びに来た女の子が、ブリキの兎を見つけました。
そして柵の中に入り、ブリキの兎を抱きしめようとしたのです。

「僕を抱き締めると、ケガをするよ!」

ブリキの兎は、女の子に注意すると、柵の中を必死に逃げました。

「大丈夫!ケガしても!!」

そう言うと女の子は、ブリキの兎を捕まえて、優しく抱きしめました。
その時……



ツーーーッ



と、女の子の手から血が流れました。

「ごめん!!」

兎はあわてました。

『またケガさせてしまった』

ブリキの兎は怖くなりました。
また周りを、困らせてしまうと思ったからです。

「大丈夫。大丈夫だからね!」

と、女の子は言いました。
辺りが騒がしくなりました。
女の子の親たちが集まって来たからです。

『もう、この牧場を出よう。自分が悪いんだ』

と、ブリキの兎は思いました。

「大丈夫、大丈夫。あなたは、本当は違う姿なのよ!だから大丈夫」

女の子の手からは、血が垂れています。

「いいよ!離して!!」

ブリキの兎は叫びます。

「大丈夫、大丈夫」

それでも自分を抱きしめてくれる女の子に、ブリキの兎は泣きました。

油の涙を流しました。

そして思ったのです。



『誰かに抱き締められるって、こんなに安心するんだ』



と。

本当はブリキの兎も、誰かに抱き締めて欲しかったのです。
その時です。

「あっ!!」

ブリキの兎の体が、光り輝き出しました。
すると、ブリキの兎は耳の先から、柔らかな体へと変わっていきました。
どんどん変わるブリキの兎の体。
そして気づくと、普通の兎になっていたのです。

「ほら!大丈夫だったでしょ?」

と、女の子は言いました。

それからブリキの兎は牧場で、普通の兎として過ごしたそうです。
そして時々、女の子に抱きしめてもらいました。

おしまい
GRAVITY

あとひとつ

FUNKY MONKEY BABYS

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コメント

あらふぃふAta🍄

あらふぃふAta🍄

1 GRAVITY

泣けちゃったよ[大泣き]

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かなめん
かなめん
Ata!! ありがとー!! 嬉しい その 言葉!! (;つД`)
1 GRAVITY
——さらに返信を表示(3)
パンくず

パンくず

1 GRAVITY

( / _ ; )イイハナシダナー✨

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かなめん
かなめん
ええやろ? どやって 書いたか 分からんけど! ( ̄▽ ̄)
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じるる

じるる

1 GRAVITY

かなめんは絵本作家さんなの?😭

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かなめん
かなめん
だだの オッサン! (;゚Д゚) 昔から お話 好きなんだよね (*´∇`*)
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