記憶に残ってるのは、先生にみんな怒られて、教室出たら、初雪

【読書備忘録】『悪意』東野圭吾

有名作家・日高邦彦が自宅で殺害される。
第一発見者は、彼の旧友であり、加賀恭一郎の教師時代の先輩でもある、作家になる夢を捨てきれない野々口修と、日高の再婚相手・理恵。

だが、事件は早々に解決する。
犯人は野々口。
動機とされたのは“嫉妬”

売れない作家志望と、成功した旧友の作家。
積み重なった劣等感と歪んだ感情の末の犯行。
警察である加賀も、読者も、
犯人が周到に散りばめた心理的トリックに誘導され、犯人が望む通りに物語が転がっていく。

しかし加賀は、その最中に違和感を覚えはじめる。
供述、数々の手記、周囲の証言。
ひとつひとつは整っている。
だが、整いすぎている。

その仕掛けは、物語の冒頭で提示される「猫殺し」から始まっていた。
一見、ただの嫌悪感を煽るだけのエピソードが、心理的トリックとして最後に回収される構造には、思わず声が出る。

……にゃ、ニャンだって！？

やがて明らかになるのは、
この事件が「殺しのトリック」ではなく、犯人が周到に張り巡らせた心理的落とし穴と、人を社会的に殺すための壮大な物語だったという真実。

タイトルに隠された『悪意』とは、「なぜ殺されたか」ではない。
「どうすれば相手を“最低の人間”として死なせられるか」
を徹底的に描いた物語。

犯行よりも、動機よりも、
人の評価・記憶・物語を操作する悪意こそが、この作品の完成度を決めている

ふと悪意って、何も殴ったり盗んだりしなくても伝相手に伝わるんだなって思う。
ただ静かに相手の“以前”を下げればいいんだ。

「最近すごくオシャレになったね」
＝え？今までダサかったの！？

「前より仕事できるようになったね」
＝前は戦力外通知、You're fired!

全部“善意の皮”を被った悪意。
笑顔で渡される、棘入りの飴。

先日、業務報告を上司に出して、色々フィードバックを反映して無事完成。
そして満面の笑みで、「Much better! Great job!」よくなったよ！素晴らしい！って

翌日、最初に出した報告書と見比べたら、残ってたのは最初の“we” だけ。"we"が"We"になっただけ。ほう、でかくなったなwe...

消えたのは文章だけじゃない、プライドと僕が産み出したかわいい子供（文章）たちは静かに成仏していた。

1年ぶりに帰ってきた娘が整形したって聞いて夫婦どちらにもあまりにも似てない美しさだからDNA検査したら別人だったって話思い出した

一重瞼のブサイク顔のweちゃんさようなら