投稿

🎼二枚舌の笛吹🎼
ちなみに日に3本しか走らない
#GRAVITY写真部 #鉄橋

関連する投稿をみつける

、、Ava
今日からはじめました!皆さん仲良くしてください!初投稿で一番好きな写真をシェアします!

ハーロック
「自分が悪いわけやない
帰ってこん大人が悪いんや
それを、言うてええ」
「……ほんとに?」
「ほんまや」
男は、部屋の汚れた壁を指さした
「ここまで耐えた自分は、もう十分や
次は、“自分を守る番”や」
男は、紙にゆっくり文字を書いた
・隣の部屋のドアをノックする
・一階の管理人室に行く
・コンビニで「お腹すいてる」って言う
・交番で名前を言う
「これな、“迷惑”ちゃうで
"自分の仕事”や」
男の子は、紙を握りしめた
「でも……怒られない?」
「怒る人も、おるかもしれん」
男は、そこで少しだけ言葉を選んだ
「でもな、怒らん人も、ちゃんとおる」
男は立ち上がった
「世界はな、全部が冷たいわけやない
ただ、自分の近くに“あったかい人”が
今までおらんかっただけや」
男の子は、勇気を振り絞って聞いた
「……じゃあ、おじさんは?」
男は、少しだけ笑った
「すまんなぁ
ワシは、道を示すだけや」
次の日の朝
男の子は、紙を握ったままアパートの外に出た
足はふらついた
怖くて、泣きそうだった
でも、隣の部屋の前で、立ち止まった
――ノックしていい
――助けてって言っていい
男にもらった紙切れが、男の子に勇気を与えた
ドアを、三回、叩いた
しばらくして、女性が顔を出した
「……どうしたの?」
男の子は、声を震わせながら言った
「……ごはん、食べてなくて……お母さん
帰ってこなくて……」
女性の顔が、さっと変わった
「ちょっと待ってて」
彼女は部屋に入り、毛布を持って戻ってきた
男の子の肩に、そっとかける
「大丈夫だよ、今から一緒に行こうね」
その声は、静かで、強かった
交番でも、怒鳴られることはなかった
お巡りさんは、しゃがんで目線を合わせてくれた
「よく来たな、怖かっただろ」
その優しい一言で、男の子は
声を上げて泣いた
……数年後
少年は、まだ全部を忘れたわけじゃない
夜になると、不安になることもある
でも、知っている
――助けてって言っていい
――世界には、信じていい人が、いる
あの日、隣の部屋の女性が毛布をかけてくれたこと
交番の人が、名前を覚えてくれたこと
施設の職員が、毎朝「おはよう」と言ってくれたこと
それらが、少年の中で、芯になっていた
強くて、優しい男になるとは
誰も助けなくていい人になることじゃない
助けを受け取れて
そして、次は自分が誰かに手を差し出せる人になることだ
あの夜、黒い服の男が置いていった紙は
今も、少年の心の中に、折りたたまれて残っている
――自分を守る番や
少年は、今日も真っ直ぐに前を向いていた
#希望 #自作小説


ネロ¨̮⃝™️
今日は一面白い空
雨も降って一段と寒いよ
暖かくして過ごしてね


ブンゴ
今日の空です。
晴れてきました。


ハーロック
夕方なのか夜なのか、もうわからなかった
カーテンは破れ、外の光は薄く
埃に濁って部屋に落ちている
小さなアパート
床にはゴミ袋、空き缶、濡れた新聞
甘いような、腐ったような匂いがこびりついていた
十歳の男の子は、部屋の隅で膝を抱えていた
声を出す力も、立ち上がる力も
もう残っていない
お腹が空いた
でもそれは、昨日や一昨日の「空腹」とは違った
ぎゅう、と内側から体が縮むような
痛みのない苦しさ
両親は二週間、帰ってきていない
最初は「すぐ戻る」と言っていた
その言葉を信じて、ドアの音がするたびに顔を上げていた
でも、もう顔を上げる力もない
一一助けて、って言っていいのかな
一一ぼくが悪い子だから、帰ってこないのかな
そんな考えが、ぐるぐる回る
「このまま……死ぬのかな」
幼い頭で、そう思った瞬間
「まだ決めるには、早すぎるな」
低い声がした
男の子は、びくりと肩を震わせた
ドアは閉まっている
でも、部屋の入り口に
黒い服の男が立っていた
「……だれ?」
声は、かすれていた
「ワシは通りすがりや
腹、減っとるやろ」
男は、床にしゃがみ、紙袋をそっと置いた
中から、湯気は出ていないが
でも、いい匂いがした
お弁当と、小さなペットボトルのお茶
男の子は、動けないまま
それを見つめた
「……食べて、いいの?」
「聞くってことは、まだちゃんと生きようとしとる証拠や」
男は、袋を少しだけ近づけた
「一気に食うなや、ゆっくりや
胃がびっくりするからな」
男の子は、震える手で箸を取った
ご飯を一口、口に入れた瞬間、涙があふれた
味がした
ちゃんと、味がした
美味しかった
しばらく、部屋には、男の子の咀嚼の音だけがあった
男はその間、何も言わなかった
食べ終わるころ、男の子は小さな声で言った
「……ぼく、どうしたらいい?」
その問いは、食べ物よりもずっと重かった
男は、真正面から答えなかった
代わりに、こう言った
「自分、今までな、“助けてもらう”ってこと、ほとんどなかったやろ」
男の子は、黙って頷いた
「助けてもらえんかった子ほどな、“助けて”って言うのが一番怖いんやで」
男は続けた
「でもな、それは“弱い”からとちゃう
"ずっと一人で頑張ってきた”からや」
男の子の胸が、きゅっとなった
#希望 #自作小説

もっとみる 
話題の投稿をみつける

がんで

ワッハ

愛知の

しがい

てなり
#annkw

らびと

小津。

リオ@筋
寝れない

愛知の

ミヤジ
もっとみる 
関連検索ワード

