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ハシオキ龍之介
#レコードジャケット #JAZZレコード
☆『チャーリー・パーカー』
昨年の2月下旬に刊行されたノーベル文学賞ノミネートのご常連 村上春樹が自分のレコードコレクションの中からデビッド・ストーン・マーティンがジャケットを手掛けたクレフ、ノーグラン、ヴァーブ時代のレコードジャケットに短文エッセイを添えた『デビッド・ストーン・マーティンの素晴らしい世界』を大阪梅田のタワレコで見付けて即買いした。こういうのがいつかは出ないかのぅ…と夢想していたら、まさかの村上春樹が刊行するとは。彼は元来ジャズ好きだから、別段不思議でもないのだが『ポートレート・イン・ジャズ』という本を以前にも出していたし、その表紙には我が敬愛のビックス・バイダーベックの有名なポートレートをイラスト化したものが載っていて、本屋で見掛けてやはり即買いしたことを昨日の事の様に思い出す。村上春樹が神田神保町の中古レコ屋に出没する件は、若杉実の『東京レコ屋ストーリー』に詳しい。
さて、デビッドの設えたレコードジャケットはその数を圧倒している。レコードの内容はイマイチでもジャケットだけでも十分鑑賞に耐えられるそんな稀少性が嬉しい。デビッドがクレフ、ノーグラン、ヴァーブレーベルのスーパーヴァイザーだったノーマン・グランツと意気投合してレコードそのものの商品価値を高めたことは、その後の12インチ時代のレコジャケ百花繚乱振りを見ればいかに彼らの仕事が先見の明があったかが分かる。
村上春樹によると当時の大手レコード会社コロムビア、ビクター、デッカのレコードを見ればジャケットには全くもって関心が無いかのようだという。まあ、レコードのメインは音楽なのだからジャケットにまで拘る必要は無かったわけで、当時の広報部辺りの言い訳が、聞こえてきそうな気がする。又、デビッドの描く絵も多分に前衛的だったから大手レコード会社がおいそれと取り上げるような代物でないのも納得的ではある。
村上春樹によると、ノーマンはデビッドには殆ど注文などせず好きな様に描かせたという。この辺もインディーズレーベルの自由度のなせる技であったという。
レコードジャケットといえば、かのアンディ・ウォーホルもデビッドほどではないにしろ、レコードジャケットを手掛けている。今は亡き神田神保町のTONYレコードの創業者西島経雄さんはアンディ・ウォーホルのイラストの見分け方は、指の爪形に特徴があるのだという。
デビッドにしろアンディにしろその後、贋作と言える類似画が山のように出回るので、TONYさんのような真贋を見分ける目が必要なのは確かである。
というわけで、これからこの村上春樹のイラストエッセイからと、ここでは取り上げられていない私が所有している幾許かのデビッド作品と不足分は拾い画で補っていこうと思う。以後のDSMの素晴らしい世界に御期待下さいまし🙇♂️🍵☕️
続
※ 1.JATPのパンフと得意気なノーマングランツ
2. デビッドストーンマーティン
3. チャーリーパーカーのアルバム
『The Magnificent』 '51



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