バンド仲間の怪談：引っ越し先の真実

【バンド仲間の相談⑥】
※怖い話です。

Rは、1か月前…
“ここに引っ越して来た時の事”を話し始めた。

R「実は、ここ“心理的瑕疵物件”なんだ…」

私は、『やっぱりか！』と声を上げた。

“S”が、「しんり…か？え？なにそれ」と言うので、『一般的には“事故物件”ってヤツ』と教えると、「すげぇ！さっきKが言ってたヤツじゃん！」と、驚いて居た。(コイツは、ほんとに…)

そんな“S”を放置して私は、“R”に訊ねた。

K『なんでそんな所、選んだの？』

R「家賃が圧倒的に安かったから…。
入居前に不動産屋さんにも、
ちゃんと説明も受けたし…
なんなら、“やめとけ”って言われたけど…
俺、別に“霊感”とか無いし…
“気にしないです”って言って、決めたんだ。

スタジオも近かったし、
バイト先にも近かったし…
視えない、感じない俺からしたら
格安で住める“優良物件”だと思ったんだ。」

“けど…”と言って、“R”は
自分の肩を両手で擦りながら、

R「ここに住み始めて、
１週間くらい経った頃なんだけど…
バイトが終わって、
“深夜1時頃”に帰って来たんだ。

で、いつも通り玄関の鍵を開けて、
部屋に入ったら…部屋の電気が点いてたんだ。

最初は“消し忘れただけ”だと思ってたんだけど
翌日も、その翌日も…同じくらいの時間に帰って来たら…部屋の電気が点いてて…

ある日、俺がバイト休みでバンド練習も無くて
日頃の疲れもあったから
丸1日、家で過ごそうと思って
どこにも出掛けない日があったんだ。

で、色々バンドの作業してたら夜になって…
多分、22時を過ぎた頃。
“寝よう”と思って、部屋の電気を消して寝たんだ。
で、それから暫くして
夜中にトイレに行きたくなって目を開けたら

また、電気点いてて…

でも、それよりも驚いたのが…

“全然知らない人達が寝てる俺の周りを囲んで、俺を、じっと見下ろしてた”

俺、“ソレ”見ちゃってから怖くて怖くて…

外に出たいんだけど、
頭の中に“行くな”って声が響いて…

窓も開けられないんだ…」

“S”が「だからカーテン閉めっぱなしなの？」と聞くと、“R”が“カーテン捲ってみたら分かる”と言うので、“S”が恐る恐る捲ると…

窓全体に、大人や子供の“手形”が着いていた。

全て、“外側”から。

続