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まる
婚活パーティーで友人がカップリングした。
邪魔な私は空気を読んで個室に身を隠す。
さて、私が隠れた個室。
男性と絶対に出くわさなくて、長時間いても気づかれない個室… 想像がつくだろうか。
「ウィーン… ジャァアーー…」
女子トイレである。
婚活パーティーを終えた私は、女子トイレの個室でひとり立っていた。
…思えば『便器』とは、なんと美しいのだろう。
汚い排泄物を流す物であるはずなのに、普通の状態の便器を見てもあまり嫌悪感が沸かない気がする。デザインが良いのだろう。
特にホテルや清潔感のある会場のトイレは気高さすら感じる。純白。綺麗だ。
パーティーで疲れた私は、することがなくて便器を観察していた。
トイレの外では友人が男と楽しく談笑をし、トイレの内では私が便器と寂しく独白をするのである。
口に出して便器と会話していないだけ、私はまだまだ常人の域にいる。便器よ、綺麗だ。
トイレの鏡を前にして、1人ふむふむと考える。
実は今回の婚活パーティーにひとつの不安があった。
『友人がカップリングして、私がカップリングしなかった場合… 私は友人に嫉妬するのだろうか?』ということを考えていた。
今回のパーティーが原因で、我々の友情にヒビが入ってりしないだろうかと地味に心配していた。
実際にそれを心配して友達同士でパーティーに行けない人もいるんじゃなかろうか。
友情の形はそれぞれだから一概には言えないけれど… 私達の場合、答えはNOだと思った。
だって全部の男性と喋ったうえ、自分自身の気持ちで『この人と私は合わない』と判断したからだ。
私に合う人と、友人に合う人は違う。
友人に嫉妬したからと言って、私がその男と結婚したいかと言われればそれは違うから。
自分の問題とは別世界なんだと思えた。
トイレから顔を出すと、友人らの姿が無くなっていた。
おそらく外に向かっているのだろうと判断し、トイレから飛び出した。
キョロキョロしながらカサカサと、不審な動きをしながら友人を探す。
そしてエントランスに立つ二人を見つける。
まだまだ楽しそうに話していた。
邪魔をしてはいけない。
彼らの視界に入ってはいけない。
そう思った私はまた別の個室に飛び込んでいた。
2階の女子トイレから、1階の女子トイレに移動しただけだった。
コメント
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め.そ.

えるち

宇佐島

山人鳥

つっこ
隣のおばはんマジで視界の邪魔しかしてこなくて過去一不快だったかも

てんさ
まだツアー途中だから出ないのかな?
もったいない( ´•ω•` )
#櫻坂46_5thTOUR_東京ドーム

りゅ💫

蒸しパ
もうそろそろ2番と4番のカップルで遊ぶのをやめてくれれば…

ふにゃ

温泉酒@

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くるみ
2箇所の個室、おつかれさまです[穏やか] まるで、もしもちびまるこちゃんとたまちゃんが一緒に婚活パーティーにいったなら…なテンションで[大笑い]読ませてもらっています。 さて、これから、そして翌日。 どうなるんだろう[ほっとする]
あるぷ
文才もすごい!!
たけ
まるさんのを読みたくてグラビティに来ている自分に気がついた。 文章力がすごくて引き込まれます。 読んでいるというより追体験している感じ。
かりんとう
トイレのくだりの文章好きです😂
Jura
読んでると、脳内で鮮明に場面が想像出来るから 本当に面白いです まるさんの 言葉の使い方がすごく好き(*´ω`*) いつも夢中にさせてくれて、ありがとうございます♪