街のイルミネーションが名残惜しそうに光っている。カレンダーはまだ22日、でも空気には確かな年の暮れの匂いがある。仕事を片づけながら、隣の席の誰かが小さくため息をついた。あと数日で、少しだけ静かになるのだと思うと、不思議と心が落ち着いた。外は寒いのに、手のひらのコーヒーだけはやけにあたたかかった。