【夢で見た男の話③】｜金木犀の投稿-GRAVITY(グラビティ) SNS

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投稿

金木犀

2025/10/27

【夢で見た男の話③】
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眠りに就くと、私は“再び”コンビニからの帰り道に立っていた。

道には、街灯。道路には1〜2台の車。
深夜特有の静けさが広がる光景。

まるで《現実のリプレイをさせられているかの様なこの状況》が、
《夢の中で起こっている事》だと気付くのに、
そう時間は掛からなかったけれど

私は恐怖と不安のあまり
暫く、どうして良いか分からずに
その場に立ち尽くしていた。

すると、後方から聞き覚えのある「タタッ・・・」という足音が聴こえた。

身体がビクッとなり
目を見開らいたまま、振り返ると

一瞬で目の前が〖真っ黒な闇〗に覆われた。

先程まであった街灯の明かりも、
車のヘッドライトも、

視界から全て、無くなっていた。

しかし・・・なんとなく
その闇には“違和感”があった。

目の前に広がる空間というよりは、
“至近距離にある壁”の様な感じがして
私は恐る恐る、目の前にある闇に触れてみた。
(今思えば、夢の中だから出来た事)

触るとそれは、“ Tシャツ生地 ”の様な感触がした。

しかも、生地の奥には“温かさ”も感じた。

私はその感触に驚き、
後ろに飛び跳ねるように“ソレ”から距離を取ると

闇の正体の全体像を捉える事が出来た。

それは、“ 人 ” だった。

つまり、振り返った私の目の前にピッタリと

その“人”が、くっ付いていたという事だ。

そして、段々と暗闇に慣れてきていた目を凝らして
よく見てみると

その人物は

我が家の隣に住む

«老夫婦の息子(当時40代)»だった。

私が『え？』と、気の抜けた声を出すと同時に

«男»は、

「コﾝな夜中ﾆ外出るト危ナぃﾖ」

と、壊れたスピーカーから流れてくる
籠ったような・・・
男性の声が何重にも重ねられたような・・・
不気味としか言い様の無い声を発してきた。

けれど・・・その口は、動いていなかった。

そして、徐ろに«男»は私の方へ腕を伸ばして来た。

私は叫び声を上げ、
その手を振り切り、夢の中で家まで全力で走った。

焦り過ぎて縺れる足を何とか前に出しながら、
息も絶え絶えに自宅に辿り着き、

飛び込むように玄関のドアを開いて
バタンと勢いよく閉め、ガチャン！と強く鍵を掛けた。

そして私は震えながら、
『起きたい！もう起きたい！夢はもう終わり！早く起きたい！』と何度も叫んだ。

そして、いつの間にか気付くと夢から醒めていて
私は、自室のベッドの中に居た。

起きた時
私の身体は、全身にビッショリと汗をかいていた。

続