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まる
③
「さあ、言いたまえ」
ドッシリと椅子に座った社長。
75歳から「まる君は社長の正面に座るべきだろう」と言われ、なぜか私が社長の前に座らされる。
え?
「さあ、言いたまえ」
社長ではなく、75歳がそう言った。
確かに、隣に座った75歳がそう、言った。
え?
目の前にはいかにも「論破してやる」という目の社長。
私の横で急かすように「言いたまえ」と言う75歳。
『えっと… あの… お盆休みが…』
横にいる75歳の顔色を見ながら、小さく言う私。
良くも悪くも、言いたいことは全て手元の資料に書かれている。
腹を括った私は、
手元の資料を配って言った。
『お盆休みが… 少ない… と、思います……』
2分後。
「経営者じゃないくせに、休みばっかり言うんじゃない!!!」
「そうだそうだ!! 金も休みも欲しいなんて聞いていたら会社は崩壊するんだがね!!!」
『は… はぃ…』
「重大な話だと言うから時間を割いて話を聞いてやろうと思ったのに、その程度のことか!!」
「全くですな!! 会社というものを分かっとらん!!!」
『すみません… すみません…』
目の前の社長に怒鳴られ、
助けてくれるはずの75歳からは追い打ちをかけられていた。
なぜか、目の前の社長がブチ切れ、
そして横に座る75歳もブチ切れている。
75歳… お前ぇ…
裏切ったなぁァァアアアアアア!!!!!
翌日。
疲労困憊の私に反して、ケロッとした顔をする社長と75歳。
何にも気にしていないような顔をする75歳に嫌気がさす。
すると「最近なぁ」と75歳は続けた。
「最近なぁ、妻が俺に「あんたボケたわね」って言うんだよなぁ…」
・・・。
もしかして、この「三者面談」…
お盆を挟んで、期間が空いていたせいで「自分が何を主張しようとしていたのか忘れた」ってことじゃないよね?
三者面談の日程だけは手帳に書いていたけれど、
面談内容は覚えていなかったから、とっさに私へ「言ってみなさい」って、誤魔化して投げたわけじゃないよね!?
「まる君。
お盆休みなんて、終わったものを今さらウジウジ言うものじゃないぞ。
子供じゃないんだから」
75歳はそう言って、今日も私に軽く説教をした。
(おわり)
コメント
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ひよこ
・猫舌
・小学生からの弁当で冷めたご飯に慣れてる
・伸びた麺類とか湿気た煎餅平気
という強烈コンボで無理なく成り立っててありがてぇなと思う

雑炊

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じーま
アンコールなし、あのお二人らしいなぁと私は好意的に受け止めている。今日の曲目では、アンコールに何を持って来るか難しいところでもあるし。

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owli
ホント嫌い
あしょる🐈⬛
なんか読んでて辛いです。 それでもそこで働き続けるのは、作家になった時のためのネタのためでしょうか。 でもこれだけだと読者のカタルシスはないのです。 婚活に早く戻らないかなーと、一読者として思ってしまいます。
武田( ゚ ³゚)
わたしだったら、元々言わずに耐えてきたものをこんな風に無理矢理矢面にたたされた上二人ががりで更に貶しに掛かられたら、いい大人の前だろうが、自分がいい大人だろうがなりふり構わずその75歳がしどろもどろするくらいに本気で泣きじゃくってしまう。 偉い人だろうが関係ない。なんでこんなこけにされなければならんのかと75歳に全部お前のせいだと怒鳴り付ける。多分そいつの奥様にも言う。絶対こんな場所やめてやるんだからどうにでもなれ!って無敵の人状態になるとおもう。 こんなの笑えないし自分の精神的に打ちのめされて堪らない。 その辺の大手のスーパーやコンビニの方がよっぽどマシに働けるんじゃないかとすら思う。
おはぎ
しばかねばならぬ 次からは冒頭に 75歳の言うことをまとめました。みたいに付け加えてやりましょう。 でも、もう次はあってほしくはないですね… ほんとにおつかれさまです。
れなーど
救いは無いのか… 本当にお疲れ様です