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ぽちた

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『七夕の国』
祝・実写ドラマ化!個人的に大好きな作品だったので嬉しいんだけど、配信ディズニー+なのか...。トレイラー観た感じだとクオリティーがヤバ気。

漫画版は、『寄生獣』『ヒストリエ』を世に放った岩明均による、全4巻の短期連載作品。

まず最初に言っておくと、岩明均という漫画家は漫画界随一のストーリーテラーである。本作はそのエッセンスがぎゅっと凝縮した、隠れた名作だ。


あらすじ

主人公は冴えない大学生、南丸洋二。通称ナン丸。就活も上手くいかずぼんやりとした学生生活を送っているうえに、ビジュアルも漫画の主人公としては相当に冴えない。

そんな彼には、「あらゆる物体に小さな穴を開ける」という特殊能力があるのだが、超能力サークルの面々にチヤホヤされるばかりで何かの役にたつ気配もない。

しかし彼のその能力は、東北のとある地方に血脈をつなぐ一族と、その一族の取り仕切る「6月の七夕」という奇祭、さらにはその先に待ち受ける壮大な物語へと繋がっていくのだった。



ナン丸の持つ能力がミステリーと徐々に結びついてゆく過程や、視点となる登場人物を変えながら物語が加速していく様は圧巻で、ラストまで緊張感とスピード感を失わない。

物語のスケールを大胆かつ繊細に操ること。それこそがストーリーテリングのダイナミズムの肝であり、岩明均はこれが抜群に上手い。シナリオも素晴らしいが、それを引き立てるコマ割りの良さも鳥肌モノだ。

日常レベルの小さな世界からの小さな逸脱が、非日常の大きな世界へと飛躍→伏線もきっちり回収しつつ最高潮へ→その過程で主人公や読者に与えられる哲学的思索と共に再び現実世界へ着地→いくらかの謎とロマンを残しつつ、深い余韻を伴ったラストシーンへ。

『寄生獣』もほぼこのパターンだったけど、コンパクトな尺にまとめられた分、『七夕の国』はキレ味抜群。SFの良作、構成力の高い漫画に出会いたい方には、是非オススメいたします。


#七夕の国 #岩明均
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